AV
2017/8/29 20:04

機械オンチでも悩まず始められる「ハイレゾ」スターターセットはコレだ――パイオニア「HRP-305」の実力

「ハイレゾ」という言葉は浸透しつつありますが、難解なイメージもあるのか、手を出せていない人がまだまだ多いのではないでしょうか。というわけで、知識ゼロでもハイレゾオーディオを始められると評判のパイオニアの意欲作「ハイレゾスターターセット」を丸裸にしました!

 

絶妙な機器の組み合わせでハイレゾらしい音を堪能!

オーディオらしからぬデザインのパッケージを開封すると、携帯プレーヤーとイヤホンのほか、「ハイレゾかんたんスタートガイド」という冊子と、e-onkyo musicで使える音源ダウンロードクーポンが同梱されています。曲のダウンロードにはPCが必要ですが、ガイドにやり方が詳しく記載されており、デジタル機器に強くない人でも手こずることはなさそうです。

 

イヤホンとプレーヤーは、どちらも単体で売られているものですが、2.5mmバランス接続対応モデルをセレクトしたのがポイント。エントリーモデルで一般的に用いられる3.5mmと比べて音の歪みや雑音が少なくなり、高精細なハイレゾサウンドの魅力をわかりやすく感じられるためです。

 

SE-CH5BL-Kは、実売価格は約6500円とハイレゾ対応イヤホンとしては安価ですが、メリハリの効いた実体感のある音質はハイレベル。一方のprivate XDP-30Rは、実売価格約2万9000円のプレーヤー。エントリー向けながら、バランス端子を備えていたり、DACとアンプを各2基搭載していたりと、上級者も唸らせるこだわりの仕様です。この組み合わせは好相性で、濁りのないピュアなハイレゾサウンドを堪能できます。試しに3.5mmのイヤホンに替えると、音質が変貌。ポップで楽しい音ですが、悪くいえばザワつく印象でした。

 

音源の無料クーポンカードは2枚。1枚は立体的な音響を楽しめる「3D Binaural Sessions at Metropolis Studios」(11曲)を、もう1枚は好きな1曲をダウンロードできます。イヤホンとプレーヤーの合計価格が3万2000円ほどなので、アルバム2枚ぶんくらい付けてほしかったですね。コスパが良いとはいえませんが、ハイレゾビギナー向けのセットとしては優秀。まず失敗はないです。

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パイオニア
HRP-305
実売価格4万1245円

携帯ハイレゾプレーヤーprivate XDP-30Rと、ハイレゾ対応イヤホンSE-CH5BL-Kのセット。e-onkyo musicで使える音源ダウンロードクーポンも同梱し、手軽にハイレゾ再生を楽しめます。

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private XDP-30R(画像左)

●画面:2.4型タッチ液晶●再生時間:15時間●内蔵メモリ:16GB●サイズ:W63×H94×D15㎜●質量:120g

PCM192kHz/32bit、DSD5.6MHzのハイレゾ再生に対応。microSDカードスロットを2基備えます。

 

SE-CH5BL-K(画像右)

●型式密閉ダイナミック型●ドライバー径:9.7mm●再生周波数帯域:8Hz〜45kHz●インピーダンス:26Ω●質量:7g

φ2.5mmバランスプラグを備えるイヤホン。独自の機構「Airflow Control Port」を採用し、クリアな中域再生を実現しています。

 

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↑楽曲のDL方法などは「スタートガイド」で丁寧に解説されています。しかも疎い人でもわかるようイラスト入り。誰でもすぐに始められます

 

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↑バランス接続仕様のイヤホンを採用。雑音や歪みの少ないピュアなサウンドで、誰でもハイレゾの感動を味わえます

 

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↑合計12曲ぶんの音源無料DLクーポンを同梱。ハイレゾの魅力を気軽に味わえるよう、音源クーポンはもっと気前よく付けてほしかったですね

結論!

解像感:4
重低音:3
操作性:4
コスパ:2.5

ハイレゾエントリー向けのモデルとしては、及第点以上のサウンドクオリティ。スタートガイドや音源クーポンが不要なら、イヤホンとプレーヤーを単品ごとで購入するのもオススメです。

 

【解説してくれた人】

AVライター

野村ケンジさん

数多くのヘッドホンを試聴し、的確な分析と評論に定評。ハイレゾ音源の普及にも尽力中

 

協力:楽天市場