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ヘッドホン
2017/10/17 19:45

【価格帯別】プロが選んだ“全部入り”ワイヤレスヘッドホンのベストバイはコレ!

最新のワイヤレスヘッドホンの多くは、ノイズキャンセリング(NC)やハンズフリー通話などの機能が充実しています。そんな“全部入り”モデルを3つの価格帯に分けて、それぞれの性能をAVライターの野村ケンジさんがチェック。各クラスのベストバイを決定しました。

 

多機能モデルは高価なので十分な見極めが必要だ

Bluetooth接続によるワイヤレス再生に加えて、ノイズキャンセリングやハンズフリー通話機能を備えた“全部入り”ヘッドホンが人気を集めています。「少し前までは3万円以上が当たり前でしたが、最近では1〜2万円のモデルもラインナップが充実。これにより普及が進んでいます」(AVライター・野村ケンジさん)

 

そのため、“全部入り”には1万円台から4〜5万円まで様々な価格帯のモデルが混在します。具体的な違いはどこにあるのでしょうか。「ワイヤレス機はベースとなっている有線モデルが存在することが多く、単純にその機種の価格に左右されることが多いです」(野村さん)

 

ベースのモデルから基本的な音響技術は受け継がれるため、音質も似たような仕上がりになっていることが多いそう。そのほか、価格を左右する要素は「機能」だといいます。「NFCやタッチ操作への対応など、ワイヤレスならではの機能を多く盛り込んでいれば、そのぶん高価になります。自分に必要な機能と不要な機能を見極めることも大事ですね」(野村さん)

 

1万円クラスで“全部入り”はお買い得

ワイヤレス機の低価格が進み、“全部入り”でも1万円台前半のモデルが登場。音作りにも手を抜かずに仕上げており、お買い得なモデルが揃っています。

 

スマホなどとのペアリングを手軽に行えるNFC対応機

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JVC
HA-S88BN
実売価格1万2220円

ワイヤレス再生&ノイズキャンセリング対応モデルとしては破格の1万円台前半を実現したハイコスパモデル。伸びのある高域と締まりの良い低域を楽しめます。NFCに対応し、スマホなどの再生機器と手軽にペアリング可能です。

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↑平たく折りたたんでケースに収納できます

 

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↑左のイヤカップにNFCマークが配され、ワンタッチでペアリング可能。この価格帯で対応する機種は珍しい

 

NCを試したい人にピッタリの超ハイコスパなヘッドホン

解像感 ★★★☆☆
NC性能 ★★★★☆
低音 ★★★★★
コスパ ★★★★★

「1万円で“全部入り”、しかもNFC対応とは驚きです。BT再生+NCオンで16時間のスタミナも◎。メリハリのある音質もまずまずで、入門機にイチオシです」(野村さん)

 

1万円クラスのワイヤレスはコレもオススメ!

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パナソニック
RP-HF400B
実売価格6630円

連続約20時間のワイヤレス再生(NCは非対応)を実現する、軽量コンパクトなワイヤレスヘッドホン。独自の構造により迫力の低音を鳴らします。

 

各社が注力するボリュームゾーン 2〜3万円クラス

2〜3万円台の価格帯は、音質も機能も磨き上げられたモデルがズラリ。有線で人気の機種のBT版も多くあり、技術が受け継がれています。

 

AKG初の〝全部入り〟はオンイヤーの名機がベース

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AKG
N60NC WIRELESS
実売価格3万2000円

同ブランド初のBT対応ノイズキャンセリングヘッドホン。高音質コーデックのAAC、aptXに対応し、自然で伸びやかな中高域と、タイトで力強い低域を楽しめます。軽量かつスタミナも十分で、長期間の出張や旅行でも安心して使えます。

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↑コンパクトに折りたたんでケースに収納。ケースは耐衝撃素材を採用

 

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↑イヤカップの側面に様々な操作ボタンを配置します。装着したままでもミスしにくい形状

 

音の表現力が高いうえ使い勝手も文句ナシ

解像感 ★★★★★
NC性能 ★★★★☆
低音 ★★★★☆
コスパ ★★★★☆

「オンイヤーの人気機種がベースですが、高い表現力はワイヤレスでも同様。臨場感のある音は完成度が高いです。小型軽量設計で、持ち運びや装着感も良好」(野村さん)

 

2〜3万円台のワイヤレスならコレもオススメ!

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JBL
E55BT QUINCY EDITION
実売価格2万1470円

同社のE55BTをベースに、米国の音楽プロデューサーのクインシー・ジョーンズが音をチューニングしたモデル。高級感のあるデザインも魅力です。

 

音もデザインも極めたプレミアム機4〜5万円クラス

ワイヤレス機としては最高峰となるのがこの価格帯。音質や機能はもちろんのこと、デザインも極めた各社のプレミアムモデルが揃います。

 

音質だけでなく装着感や操作性などすべてが高水準

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ゼンハイザー
PXC 550 WIRELESS
実売価格4万5360円

独自のアクティブNC技術「Noise Guard」は、音のバランスを変えずにレベル調整可能。サラウンド効果が得られるエフェクトモードも秀逸です。イヤカップにタッチ式リモコンを搭載し、再生/停止などの操作が手軽に行えます。

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↑専用のキャリングケースに入れて持ち運べます。航空機変換アダプタや6.3mm変換プラグなど付属品が充実

 

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↑右のイヤカップにタッチ式リモコンを搭載。また、イヤカップを回転させてNCオン/オフの操作可能

 

ワイヤレスの最高レベル

解像感 ★★★★★
NC性能 ★★★★★
低音 ★★★★★
コスパ ★★★★☆

「ゼンハイザーらしくフォーカス感のある音は、ワイヤレスでは最高峰のクオリティ。NCの効きも抜群で、機能面もまさに“全部入り”。妥協のないモデルです」(野村さん)

 

4〜5万円台のワイヤレスならコレもオススメ!

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V-MODA
Crossfade Ⅱ Wireless
実売価格4万8600円

六角形デザインが特徴。新たにチューニングを施したドライバーにより、幅広い帯域でクリアなサウンドを実現します。有線時はハイレゾ再生に対応。

 

私がテストしました:AVライター野村ケンジさん

野村

数多くのヘッドホンやイヤホンを視聴し、的確な分析と評論に定評がある。ハイレゾ音源の普及にも尽力する。