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2018/2/9 18:30

ハイレゾデビューするならコレ! 定番「AKシリーズ」の血を受け継いだエントリーDAP「ACTIVO CT10」

電車の中や街中で耳にイヤホンを挿し、音楽を楽しんでいる若者たち--ほとんどの方がスマートフォンを使ってますよね。最近ではハイレゾに対応したスマホも増えてきてはいますが、まだまだMP3などの圧縮音源を聴いている人が多いのではないでしょうか。また、データ容量の大きいハイレゾ音源は、ただでさえストレージが不足しがちなスマホに入れるのは大変ですよね。

 

そこでオススメしたいのが、”音楽好きな若者にハイレゾ音源を楽しんでほしい”という思いで開発されたDAP(デジタルオーディオプレーヤー)「ACTIVO CT10」です。これは、ハイレゾ音楽配信サイト「groovers Japan」が立ち上げたオーディオブランド「ACTIVO」の第1弾となる小型のハイレゾ対応オーディオプレーヤー。若い世代でも手に入りやすい300ドル前後の価格帯で発売予定のこの製品、お値段はお手ごろでも音質は完全に本格派。なぜなら、高級オーディオブランド「Astell & Kern」によるモジュールが搭載されているからです。

↑ACTIVO CT10。ボディカラーはクールホワイト
↑ACTIVO CT10。ボディカラーはクールホワイト

 

Astell & Kern製モジュール「TERATON」を搭載

ポリカーボネート製のラウンドしたフォルム、コンパクトで軽量なボディとカジュアルな印象を受ける「CT10」ですが、その音質は本気です。実はgroovers Japanと、AK70 MKIIやSP1000といったAstell & Kernブランドを展開するIRIVERとはグループ会社。つまり、Astell & Kernで培われた技術力がCT10にも生かされているのです。

 

CT10には、Astel l& Kernが開発した「TERATON」が初めて搭載されました。これはクロックジェネレータ、ヘッドホンアンプ、ハイエンドDACを一体型モジュールにしたもので、金属でシールドされているため外来ノイズをしっかりと遮断します。Astell & Kernは今後、パソコン、スマートフォン、カーオーディオ、ホームオーディオなどのメーカーにTERATONを販売する事業展開を予定しています。

 

TERATONに使われているDACは、シーラス・ロジック製の「CS4398」。Astell & KernのAK70、およびAK70 MKIIにも搭載されているDACです。

↑Astell&Kern製モジュール「TERATON」
↑Astell & Kern製モジュール「TERATON」

 

↑「Astelll&Kern AK70 MKII」は日本限定カラー「Sunshine Red」と「Marine Blue」が発売されたばかり(画像はSunshine Red。参考価格8万1880円)
↑「Astell & Kern AK70 MKII」は日本限定カラー「Sunshine Red」と「Marine Blue」が発売されたばかり(画像はSunshine Red。価格8万1880円)

 

クアッドコアでサクサクの操作感

ハイレゾへの一歩を踏み出せない理由として、プレーヤーの”ごつさ”を感じる人が多いようです。しかし、CT10のサイズは幅65.2×高さ93.2×厚さ15.5mm、重さは約112gと非常にコンパクト。気軽にハイレゾ音源を持ち歩くことができます。

 

イヤホン端子は3.5mmステレオミニ端子によるアンバランス出力のみ。AK70などに搭載されている2.5mmのバランス出力は省かれています。出力レベルは8Ωの場合22mW、16Ωの場合は36mW。SN比は115dBです。側面には再生/停止を行える物理ボタンがあり、バッグやポケットの中に入れたままで操作することができます。

↑天面にはイヤホン端子と電源ボタンがある
↑天面にはイヤホン端子と電源ボタンがある

 

↑右側面のダイアルでボリュームを調整する
↑右側面のダイアルでボリュームを調整する

 

本体の内蔵ストレージは16GB、microSDカードは最大256GBまで利用できます。バッテリー容量は2500mAh。バッテリー持ちを検証してみたところ、ハイレゾ音源の購入、ハイレゾ楽曲の再生などを続けて行った結果、約7時間動作しました。

↑左側面には再生/停止ボタン、曲送りボタン、microSDカードスロットがある
↑左側面には再生/停止ボタン、曲送りボタン、microSDカードスロットがある

 

ハイレゾ音源の対応フォーマットは、PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHzまで対応しています(DSDは、PCMへリアルタイム変換して再生)。

 

ディスプレイは3.4型のWVGA。CPUは4コアでサクサク動作します。上下左右からのスワイプでメニューを引き出し、タップで決定する操作は、スマートフォンと同じ感覚で使えます。

↑再生画面。左寄りにディスプレイが配置されており、右サイドにホームボタンがある
↑再生画面。左寄りにディスプレイが配置されており、右サイドにホームボタンがある

 

↑上から引き出すと、Wi-FiやBluetooth、イコライザーなどのオン/オフができる
↑上から下へ画面をスワイプすると設定画面が現れ、Wi-FiやBluetooth、イコライザーなどのオン/オフができる

 

↑左から引き出すと、様々なアプローチで楽曲を再生できる。設定もここから行う
↑左から右へスワイプするとメニュー画面に

 

ネットワークに繋げるとさらに便利

ワイヤレス通信はWi-FiとBluetooth接続に対応しています。Wi-Fi接続により「groovers Japan」から直接ハイレゾ音源を購入できます。音楽ストリーミングサービス「TIDAL」にも対応していますが、現在のところ国内では利用できません。

 

また、DLNA Linkにも対応しており、同じWi-Fiに接続しているデバイスと連携することができます。例えば、スマートフォンと接続すると、スマートフォンからCT10の曲を再生したり、停止したりという操作が可能。スマートフォンで別の作業をしているとき、CT10に持ち替えることなくCT10の楽曲を操作できるのです。筆者は「kinsky」アプリを使いましたが、ほかのDLNAアプリだとボリューム調整も可能かもしれません。

↑iPhoneからCT10を操作しているところ
↑iPhoneからCT10を操作しているところ

 

DSD対応のポータブルヘッドホンアンプを接続すれば、OTGケーブルを利用してDSDのネイティブ再生も楽しめます。パソコンとの接続でUSB DACとして使用することも可能。

 

CT10は”若い音楽ファン向け”とされていますが、その音質には妥協がなく、Astell & Kernの音作りのノウハウが生かされたサウンドとなっています。すでにハイレゾ対応のプレーヤーをお持ちの方でも、普段持ちのプレーヤーとして購入を検討してもいいかもしれませんね。

 

そしてもちろん、これからハイレゾにトライしたい方々にもスマートフォンライクな操作感、モバイル性の高さ、確実に非ハイレゾとは違う臨場感を体感できる点がオススメです。「ポタフェス2017 WINTER」で展示されたようなカラバリの展開も期待したいところですが、現在はまだ未定とのこと。価格も含め、今後も注目のデジタルオーディオプレーヤーです。