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2016/5/16 12:25

ハイレゾビギナー必見! この春ハイレゾを始めたい人のためのQ&A講座 その3

ハイレゾ再生は決して難しくありませんが、ビギナーが乗り越えねばならない壁もあります。そこで、アイテム選びの基本から、正しい機器のメンテナンス法まで、AVのプロ・鳥居一豊さんが初心者の悩みを解決します!

 

 

【お悩み】
異なる音源配信サイトで同じタイトルが配信されているけど違いはありますか?

音源そのものは同じなのでサービスの違いで選びましょう
ハイレゾ配信サイトは、実店舗でのCDショップのようなもの。どこの店舗でも基本的に同じCDを扱っているように、ハイレゾ音源も、データ自体はどの配信サイトで購入しても同じものがダウンロードできます。ただし、サイトによって決済方法や楽曲の検索のしやすさ、品揃えといった使い勝手は異なります。まずは各サイトにアクセスしてみて、使いやすいところで音源を購入するといいでしょう。特定のサイトでしか配信していない楽曲もあります。

 

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↑e-onkyo music

 

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↑VICTOR STUDIO HD-Music.

同じ楽曲でも、複数のサイトで配信されているケースもあります。各サイトの得意なジャンルなどを把握して、好みのサイトで購入しましょう。

 

【お悩み】
聴きたい曲が海外のサイトで配信されているけど利用するのが不安……

日本からでも利用できますがトラブルなどは自己責任
国内だけでなく、海外にも複数のハイレゾ音源配信サイトがあり、国内にはない曲が配信されていることもあります。海外で使えるクレジットカードがあれば、日本からでも国内サイトと同じように曲を購入可能。しかし、当然ながら表記はすべて英語なので、会員規約などを理解しないまま利用すると思わぬ失敗をすることも。また、権利上の問題で、日本からのアクセスでは購入できない楽曲もあります。セキュリティの面も含めて、利用時は注意が必要です。

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↑海外の大手ハイレゾ配信サイトのひとつであるLinn Records。クラシックのメジャーレーベルを中心に多くの曲を揃えます

 

【お悩み】
192kHzの音源を聴いたのですがあまり良い音に感じない……

重要なのは録音時の音源スペック
単純にサンプリング周波数の数値を比べれば、96kHzよりも192kHzが音質的に有利ですが、キモは録音時のスペック。元々96kHz/24bit録音の音源ならば、アップコンバート(拡張)して192kHzにする利点はあまりありません。録音時のフォーマットは要確認。また、サンプリング周波数が高くなるほど原音への忠実度は向上し、自然でなめらかな音になるといわれます。その半面、ロックでは迫力が失われた印象を受けるなど、楽曲によっても相性はあるのです。

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↑音源のスペックが上がるほど情報量は増え、忠実度は高まります。しかし、音楽ジャンルによって印象は変わるので覚えておきましょう

 

【お悩み】
オーディオ機器のメンテナンスのやり方を教えてください!

ボディのホコリだけでなく接続端子もクリーニング
ボディに積もったホコリの除去だけでなく、音声信号の通り道となる接続端子のクリーニングも定期的に行うことが重要です。清掃だけならば、タオルと無水アルコールなどで汚れを拭き取ればOK。接続端子のケアには、接点の接触抵抗の低減や酸化防止の効果を持った薬剤を使いましょう。音声信号のロスを低減でき、音質的にも利点があります。こうした薬剤はオーディオ用アクセサリーとして販売されているので、ぜひ試してください。

 

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↑メンテナンスキット

オーディオテクニカ
AT6223
実売価格1720円
接続端子のクリーニングおよび酸化防止などの効果がある薬剤と、塗布に使用するペン&ペーパーのセット。端子の電気の通りを良くして、音質を良い状態にキープできます。

 

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【お悩み】
昔に買ったアナログレコードを聴きたいのですが専用プレーヤーを購入すべきでしょうか?

手間はかかりますが買う価値は十分にあります
レコードには、アナログらしい独特の味わいがあり、音質的にも体験する価値はあります。しかし、カートリッジの針圧調整や盤面のクリーニングを念入りに行う必要があるため、その実力を引き出すには少々手間がかかります。ならば、PCMレコーダーなどでハイレゾ録音してしまうのも手。音の味わいは少々失われるものの、それに近い感触でデジタル化でき、手軽に楽しめます。アナログプレーヤーも手に入れておき、じっくり音楽鑑賞したいときに使うと良いでしょう。

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↑↑レコードプレーヤーは現在も発売されています。なかにはレコード音源をデジタル化できるUSB端子搭載機もあります

 

【お悩み】
音源データのバックアップをとるための良い方法を教えてください!

NASのミラーリング機能を利用するのがオススメ
PCのHDDは精密機械なので、長く使っているとトラブルによってデータが失われる危険があり、音源データのバックアップは必須。手軽に行うならば、自動バックアップ機能が使えるNASを保存先として利用すると良いでしょう。また、NASの構成をミラーリング(2台の内蔵HDDを使い、同じデータを双方に保存する)で使用するのも手間がなく便利。このほか、Dropboxなどのクラウドサービスを利用したり、DVD-Rなどにコピーしたりするのも有効です。

 

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↑NAS

 

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↑対応のNASをミラーリング設定で運用すると、同じデータを2つのHDDに保存。データ消失のリスクが減ります

 

【お悩み】
自分の耳穴にジャストフィットするIEヘッドホンが見つからないです……

究極の解決策はカスタムイヤモニターです
予算が十分にあるなら、カスタムイヤモニターを検討すると良いでしょう。シリコンゴムなどで耳穴の型を取り、その型に合わせてヘッドホンを制作するため、フィット感は抜群。費用はかかりますが、満足度は高いです。また、ウレタン樹脂製のイヤチップ(2セット500円程度〜)に交換するのも一案。ウレタン樹脂製のイヤチップを指で潰してすぐ耳穴に入れると、やがて復元してフィットします。使ううちに復元力が弱まるため、定期的に交換が必要です。

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↑ヘッドホン専門店のe☆イヤホンでは、カスタムイヤモニターの専門店も展開。イヤモニターの制作にかかる期間は1〜4か月程度です

 

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アルティメットイヤーズ
UE 18 Pro
実売価格17万4800円

 

【お悩み】
ハイレゾ音源をmicroSDカードに保存したら音が劣化しているような……

高音質microSDカードを使えば音質がアップします
ハイレゾ音源はデータ容量が大きいため、携帯プレーヤーではメモリ増設用のmicroSDカードスロットを備える製品が増加。しかし、内蔵メモリに比べてmicroSD内の音源の再生は、内部の配線が長くなるなどの理由で音質的に不利といわれます。そこで登場したのが、音質に配慮したソニーのmicroSDXCカード。音源データを読み出す際に発生する微弱な電気ノイズを低減し、高音質を実現。携帯プレーヤーの音を追求したい人は試してみては。

 

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ソニー
SR-64HXA
実売価格1万5580円
容量64GBのmicroSDXCカード。データ読み出し時に生じるノイズを低減し、音質を良化させます。

 

【URL】

e-onkyo music  http://www.e-onkyo.com/

VICTOR STUDIO HD-Music.  http://hd-music.info/

Linn Records  http://www.linnrecords.com/

オーディオテクニカ https://www.audio-technica.co.jp/

AT6223  https://www.audio-technica.co.jp/atj/show_model.php?modelId=571

アルティメットイヤーズ(英語サイト) http://pro.ultimateears.com/

UE 18 Pro(英語サイト) http://pro.ultimateears.com/ue-18-pro

ソニー http://www.sony.jp/

SR-64HXA  http://www.sony.jp/rec-media/products/SR-HXA/