本・書籍
自己啓発
2015/5/6 0:00

ポジティブな思いもネガティブな思いも現実化する

大きな文字で、「オリンピックで金メダルを取りました。ありがとうございます」という文章。
そしてすぐ横に添えられた少し控えめなふきだしの中には、「家が買えました」という文字が並んでいる。
いずれも、ロンドンオリンピックのボクシングミドル級金メダリスト、村田諒太選手の自宅の冷蔵庫に貼られていた紙に書かれていた言葉だ。村田選手ご本人ではなく、奥様がお書きになったものだという。

 

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ものごとがこうなってほしい。あるいは、自分がこうなりたい。それを言葉に出して言ったり、文字で残したりすることを”アファメーション”という。ニューエイジ系の本でよく見かける言葉だ。これと対の関係となる”マニフェステーション”という言葉もある。こちらは、願望を実現するという意味だ。

 

ふたつの言葉をつなげると、「望みをはっきりとした形で示し、それを実現させる」ということになるだろうか。

 

 

祈りの言葉の癒し効果

イギリスの非営利団体、国立健康研究所の所長を務めるデビッド・ラーソン博士によれば、過去10年間、世界各国の医療機関において、祈りと病気の回復の関連性についての研究プログラムの数が倍増した。
この種の研究を体質的に毛嫌いしていたアメリカ国立衛生研究所でさえ、”フロンティア・メディシン・イニシアティブ”(未開拓医学分野構想)という名前のプロジェクトを立ち上げ、祈りが宿す医学的な力の研究を本格化させた。
過去30年間にわたって祈りに関する集約的な研究を行ってきたハーバード大学のハーバート・ベンソン博士によれば、「同じ言葉を繰り返し唱える」タイプの祈りの癒し効果が最も高いという。

 

 

みんなの祈りで4か月の昏睡から目覚めた女性

2014年12月、アメリカ、テネシー州スウィートウォーターに住むシャリスタ・ジャイルズさんは、妊娠中に事故に遭い、昏睡状態に陥ってしまった。お腹の子供はすぐに手術で取り上げられたが、シャリスタさんの状態はあまりにも悪かった。担当医は家族に対し、子どもが女の子で命は助かったこと、そしてシャリスタさんが「決して目覚めないこと」を覚悟するよう告げた。
ところが、シャリスタさんは今年の4月に突如目を覚まし、自分が母親になったことを知った。
一体、何が起きたのか。
敬虔なクリスチャンである両親が、4月8日にフェイスブックのページで娘のために祈ってくれるよう多くの人々に訴えた。この呼びかけに反応した人々の数は予想以上に多かった。そして4月22日、シャリスタさんが病室で目を覚ましたのだ。やはり、祈りの力=アファメーションが現実化したのだろうか。

 

 

アファメーションと量子物理学

こうした不思議な現象のメカニズムは、科学の分野でも検証の対象となっている。量子物理学という学問の出発点となる概念は、量子というエネルギーの最小単位だ。量子は特定の周波数で振動するエネルギー体で、周波数が合う量子同士の間では共鳴現象が起きる。この世に存在するものは、原子よりも小さいレベルまで追いかけていくと、すべてが振動するエネルギーという姿になる。
現在アメリカで最も人気のある自己啓発ブロガー、シモーナ・リッチによれば、人間の思考もまた振動するエネルギーだ。ひとつひとつの思いが独自の周波数を発していて、同じ周波数のエネルギーを発するものとの間に共鳴現象が起きる。
周波数が同じなので、ポジティブな思いはポジティブな状況を、そしてネガティブな思いはネガティブな状況を呼び寄せる。だからこそ、フェイスブックでの告知に反応した人々のポジティブな思いを込めた祈りが、シャリスタさんを昏睡から目覚めさせるというポジティブな結果の原動力となったのだろう。

 

 

ポジティブな口癖でツキを呼ぼう

この原稿でお勧めしたい『「口癖力」120%好かれる奇跡のことば』が優れている理由は、意識して発する言葉によって、ものごとを何が何でもポジティブな方向に持って行ってやるという姿勢だ。ツキと呼ばれるものを呼び込むコツはポジティブな言葉でのアファメーションと量子物理学の関係性を正しく認識することにあるのかもしれない。ただし、冒頭で紹介した村田諒太選手の奥様のように、すでに実現したという過去形の口調で言い切ること。これが大切だ。
サッカー日本代表の本田圭佑選手、アテネと北京で100Mおよび200M平泳ぎの金メダリストとなった北島康介選手、プロゴルファーの石川遼選手、みんな小学生の頃にきわめて明確な目標を盛り込んだものすごくポジティブな内容の作文を書いている。こうしたアファメーションがあって、今の姿があるのだ。
次に実家に帰った時、小学校時代の卒業文集を探してみてください。今の自分がすっかり忘れてしまっているピュアでポジティブな子どもの頃の自分に出会えるかもしれません。

 

(文:宇佐和通)

 

 

【文献紹介】

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「口癖力」120%好かれる人の奇跡のことば
著者:高橋フミアキ
出版社:コスモ21

「その通りだね」「すごいじゃない」「ありがとう」ーー。この3つの口癖ノウハウを使えば、人間関係が奇跡的にうまくいく。金持ち姉さんから教わった「口癖力」を上手に活用するコツをわかりやすいノウハウにして紹介。口癖力を磨けば、あなたの人生も好転する。

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