本・書籍
2017/1/9 18:00

英語が話せるけど聞き取れない人へ――リスニングが上達するシンプルで効率的な学習法

この間、仕事でロンドンに行った。出発10日前くらいに打診があり、たまたまその期間空いていたので軽い気持ちで引き受けた。これまで、仕事で韓国と上海に行ったことがある。僕の海外旅行はこの2件だけ。そして、3回目がロンドンだ。

64446884 - man holds his hand near ear and listens carefully alphabet letters flying in isolated on gray wall background

 

英語ができない男が一人でロンドンへ

過去2回の海外出張は、結構大人数だったこともあり仕事に集中することができた。日本人同士で固まって行動していたので安心感もあったし、ワイワイ言いながらいろいろなところに行った。

 

そして今回のロンドン。さまざまな要因が重なり、一人で行くことになった。

 

一人。

 

何を隠そう、僕は英語ができない。現地の取材先には通訳の方が来てくれることになっていたが、移動と宿泊は一人。

 

一人で行くことが決まったとき、壮大なドッキリか、はじめてのおつかいじゃないかと疑ったが、どうやらそうでもなかったようだ。ということで、一人羽田からロンドン行きの飛行機に乗り込んだ。

 

イギリス人のしゃべっていることがわからない

英語ができないといっても、中学英語くらいの単語はわかる。つたない英語で細かなトラブルを乗り越え、最終日には一人でパブに行きフィッシュアンドチップスとビールを楽しんだりもしたが、内心はもう日本に帰りたくてしょうがなかった。

 

ホテルの部屋に歯ブラシがなかったので、フロントに行って「Do you have a toothbrush?」というくらいのことはさすがにできた。自分の要求は、知っている英単語を並べればなんとか相手に通じる。

 

しかし、相手が言っていることが聴きとれないのだ。ところどころ聞き覚えのある単語が混ざっているのはわかるが、いったい何を聞かれているのかがわからない。

 

結局、身振り手振りと筆談でなんとか乗り切った。帰ってきてから、「こりゃ英語勉強しないとまずいかもな」と思ったものだ。

 

なぜ英語が聴きとれないのか

英語をしゃべるというよりも、聴きとれるようにならなければならない。そう思った僕は、『無理しない英語 リスニング「超」入門』(デイビッド・セイン・著/Panda Publishing・刊)を読んでみた。

 

この本の冒頭には、「なぜ聴きとれないのか」ということが書かれている。心当たりのあるところを抜粋してみると以下のような感じになる。

 

“ローマ字読み”で単語を覚えてしまう
スピードの速さにアワをくってしまう
圧倒的なボキャブラリー不足

(『無理しない英語 リスニング「超」入門』より抜粋)

 

これらについては、現地で英語に囲まれていたときに思った。

 

僕の発音はカタカナ英語なので、あまり通じない。「Thank you.」「Excuse me.」「I’m sorry.」ばかり言っていた。これらは通じる。

 

また、相手の話すスピードに追いつけず、ポカーンとしてしまうことがしばしあった。電話で話す機会もあったが、表情がわからないだけに余計聴きとれない。

 

そして、英単語そのものを知らないので、聞き取りようがない。最後のほうは、相手の言うことなんてお構いなしに自分の言いたいことだけ言っていたような気がする。

 

1日30分「意識して」英語を聴く

それでは、どんな勉強をしたらいいのだろうか。本書によれば

 

とにかく聴き、耳慣れることが重要です。また、語彙力や読む力といった総合的なレベルをあげなくては、太刀打ちできないものでもあります。

(『無理しない英語 リスニング「超」入門』より抜粋)

 

ということだ。

 

だからといって、一日中英語教材のCDを流していればいいかというとそうでもないらしい。「集中すること」「意識すること」が重要とのこと。本当は1日2時間くらい、集中してリスニングをするのがいいようだが、そんな時間はない。

 

その場合は、30分でもいいから毎日集中して英語を聴きなさいと書かれている。

 

集中して英語独特の発音を身につける

また、英語独特の発音に慣れることも必要とのこと。特に「消える発音」は重要だ。

 

例えば「red cow」を日本語風に表記すると「レッド カウ」になる。しかし、実際の英語では「レッ’カウ」というように、dの音が消えてしまうのだ。

 

英語では「d、g、k、p、s、t」といった子音で終わる単語の場合は、そのほとんどが無声音となるようだ。これらを身につけるには、このような熟語を現地人と同じスピードで何度も繰り返し聴き、自分でも同じように発音できるようにするのがいいということ。

 

まずはこのあたりから始めてみようかと思う。「hot dog」は「ホットドッグ」ではなく「ハッダッ」。「black cat」は「ブラッ’キャッ」。

 

今度英語圏に行くときにはもうちょっと英語で意思疎通ができるように、頑張ってみよう。

(文:三浦一紀)

 

【参考文献】

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無理しない英語 リスニング「超」入門

著者:デイビッド・セイン

出版社:Panda Publishing

 

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