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2017/10/16 16:30

【超保存版】ソニー「RX100シリーズ」5機種を徹底比較! 機能と価格、トータルではどれが“買い”?【後編】

新製品が出ると多くの旧製品は市場から姿を消すが、2012年の初代登場以来、最新型まですべて現役というコンデジが存在する。それが、ソニー RX100シリーズだ。センサーが変わったり、ファインダーが追加されたりしながら世代を重ねているが、各世代ごとにファンを持ち、同じカメラを買い換えるユーザーさえいる。このRX100初代からRX100M5までの5台について、吉森信哉さんと永山昌克さんの意見を交えつつ比較。前編では機能面を中心に比較したが、後編となる今回は価格面を中心に比較する。

↑1型センサーを採用した高級コンデジのなかでもシリーズが長く続き、しかもすべて現役という稀有な存在のソニー RX100シリーズ。それだけに性能差だけでなく、価格差も気になるところだ
↑1型センサーを採用した高級コンデジのなかでもシリーズが長く続き、しかもすべて現役という稀有な存在のソニー RX100シリーズ。それだけに性能差だけでなく、価格差も気になるところだ

 

【価格を比較】RX100M3は機能と価格のバランスに優れる

現在の価格は、1世代ごとに1~3万円程度安くなっており、最新のRX100M5は大手量販店では12万円を超える価格を付けている。さすがにこの価格は、交換レンズ付きの一眼が買える値付けであり、躊躇してしまう人も多いだろう。その点初代のRX100なら4万円台で購入できる。操作性や高感度画質の差をどう考えるかが問題だ。

 

「M5の価格は高いと感じますが、カメラの質感なども加味すると7万円台で買えるM3あたりがお得だと思います。高感度画質も優れており、EVFも装備されている。あとは、連写するかどうかですね」(吉森)

 

機能と価格のバランスはM3がいいようだ。

↑2014年5月発売のRX100M3。有機ELを使用した高精細なEVFが採用され、レンズも新型となった最初のモデル。結果として外観も最新モデルのRX100M5に極めて近い
↑2014年5月発売のRX100M3。有機ELを使用した高精細なEVFが採用され、レンズも新型となった最初のモデル。結果として外観も最新モデルのRX100M5に極めて近い

 

【吉森信哉さんのコスパの評価】7万円台のRX100M3がお得

高級コンデジとはいえ、10万円を超える金額を出すのは気が引ける。その点で7万円台のRX100M3はお得。ただ、しっかりとした作りの丈夫なカメラであり、1台を長く使うのなら、思い切ってRX100M5を買うのも良さそうだ。

 

【永山昌克さんのコスパの評価】最新技術にお金を出すかどうかで判断

RX100M5のセンサーは、メモリー一体型積層CMOSという最新のセンサーだ。このデバイスに金額を出すという意味では、M5を購入するのも悪くないと思う。しかも、あまり値下がりしない傾向なので、損はしないはずだ。

 

【今後の価格動向予想】価格はかなり安定している

ロングセラーモデルの場合、価格変動が少なく一定の価格で安定する傾向があるが、RX100シリーズの場合もあまり大きな価格変動はなく、新モデルが出ると少し安くなるといった傾向。そのため、発売直後以外は、ある意味いつ買っても安心といえる。実際の価格変動がどの程度なのか、「価格.com」に掲載のRX100M3の平均価格グラフを参考にチェックしてみよう。

↑グラフの青い線が価格情報サイト「価格.com」でのRX100M3 の平均価格(赤い線は最安値)だ。初値は8万5499 円で現状の価格は7万5000円から8万円程度。その後、2世代も新しい機種が登場していることを考えると、初値から約1万円程度しか下がっていないのは驚異的。(2017年8月10日時点)
↑グラフの青い線が購買支援サイト「価格.com」でのRX100M3 の平均価格(赤い線は最安値)だ。初値は8万5499 円で現状の価格は7万5000円から8万円程度。その後、2世代も新しい機種が登場していることを考えると、初値から約1万円程度しか下がっていないのは驚異的(2017年8月10日時点)

 

RX100M3の発売は2014年5月で初値は8万5499円だ。上のグラフは過去2年分なので、発売直後の値動きはわからないが、およそ初値に近い8万5000円台からの値動きが確認できる。といっても、発売後2年半は8万円台を維持しており、今年に入ってようやく平均価格が7万円台になったというのが実情だ。

 

これは、ほかのRX100シリーズも似たような傾向で、あまり値引きの期待できないシリーズといえる。短期間での価格の振れ幅も概ね1万円以内に収まっており、その点から考えても今後しばらくは7万円~ 8万円台で推移するのではないだろうか。

 

【総合評価】5機種とも魅力的だがバランス面でM3が◎

シリーズ全体を見ると、コンセプトを作り出した初代RX100、センサーを変えて高性能化を目指したM2、レンズを変えてファインダーを追加したM3、最新センサーを採用して高速連写を可能にしたM4&M5といった流れが見える。そのなかで、現時点でバランスがいいのはどの機種だろうか?

 

「価格も含めるとM3だと思います。ただ、その後の機種も確実に性能は上がっていて、価格なりの価値がある。M3以前の機種も、価格的な魅力は大きい。特にRX100は、4万円台で普通のコンデジと差が少ない。年数は経っていますが、それ以上の価値がこの機種にはあると思います」(永山)

 

【吉森信哉さんの総合評価】初代RX100でも損はしない

RXシリーズは初代から基本コンセプトが変わっておらず、個人的にも好きなカメラ。それだけに、新型が出るたびに気にはなっていた。ただ、改めて所有しているRX100を見直す結果となった。初代をいま買っても損はしないと思う。

 

【永山昌克さんの総合評価】最新技術が盛り込まれ陳腐化しにくい

RX100シリーズは、ソニーの最新技術を盛り込んだ機種が多く、少し時間が経っても陳腐化しにくいカメラだ。それだけに長く売られ、長く使うことができるので、多少高価でも最新機種を買ってみたくなる製品だと感じた。

 

【まとめ】こんな人にオススメ!

RX100M5/最新技術を使ったカメラが欲しい人
RX100M4/最新技術に興味はあるが金額を抑えたい人
RX100M3/性能と価格のバランスのよさを求める人
RX100M2/アクセサリーを使って楽しみたい人
RX100/低価格で高画質なカメラがほしい人

 

写真/吉森信哉 協力/価格.com

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