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2018/1/17 18:00

画質は折り紙付き、では使い勝手は? 「実売9万円以下」の高級コンデジ7モデルの「サイズ感」と「操作性」を比較レビュー

高級コンパクトカメラと聞くと「価格が高い」と考えがちですが、最新モデルにこだわらなければ、比較的リーズナブルに購入できる製品もあります。そんな財布に優しい高級コンパクトカメラ7製品を選りすぐり、その性能を比較する本企画。第2回となる今回は外観をチェックしてみましょう。

第1回(概要&基本スペック編):掘り出し物の宝庫!! アンダー9万円の高級コンパクトカメラおすすめ7選

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↑上段左から、パナソニック「LUMIX DMC-TX1」、キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」、ソニー「Cyber-shot DSC-RX100M3」、リコー「GR II」、キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」、パナソニック「LUMIX DMC-LX9」、キヤノン「PowerShot G5 X」

 

※記事内の価格は2018年1月現在の、編集部調べによるものです

 

【エントリー①】

キヤノン「PowerShot G5 X」

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左右のバランスが取れた一眼風デザインを採用した1型センサー機。レンズは開放値F1.8-2.8の光学4.2倍ズームで、撮像素子には有効2020万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。発売は2015年。参考価格は7万4800円。

 

外形寸法は幅112.4×高さ76.4×奥行き44.2mm。質量は約377g。今回のモデルのなかでは最も重量があり、サイズもやや大きめ。胸ポケットに入れるのは困難です。とはいえ、EVFとバリアングル液晶を装備していることを考えれば、十分に小型軽量といえます。

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前面には、電源に連動したレンズバリアや電子ダイヤルなどを装備。前面に縦向きで電子ダイヤルを備えるのは希少です。適度なクリック感があり、操作感は悪くありません。

 

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背面には、EVFと液晶モニター、動画ボタンなどを搭載。液晶モニターの視認性は良好です。

 

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天面には、モードダイヤルやホットシュー、露出補正ダイヤルなどを搭載。電源オフでも露出補正の状態がひと目でわかるのは便利です。

 

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電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。外装には高品位な質感があります。

 

【エントリー②】

キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」

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キヤノンの高級コンパクト「PowerShot G」シリーズの中位に位置する1型センサー機。2014年に発売された「PowerShot G7」の後継として2016年に登場しました。光学4.2倍ズームを継承しながら画質とスピード、機能がさらに向上しています。参考価格は6万7000円。

 

外形寸法は幅105.5×高さ60.9奥行き42.2mm。質量約319g。今回のモデルのなかでは平均的なサイズと重量です。

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前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。グリップには突起があり、しっかりとボディを支えられます。

 

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背面には、液晶モニター、動画ボタン、RING FUNC.ボタンなどを搭載。ボタン類は大きめで押しやすいといえます。

 

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天面には、モードダイヤルや露出補正ダイヤルなどを搭載。鏡胴部のリングでは絞りやシャッター速度を素早く調整できます。

 

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電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。起動は約1.2秒と素早く、ストレスを感じません。

 

【エントリー③】

キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」

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胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディの1型センサー機。2015年に発売された「PowerShot G9 X」の後継として2017年に登場。光学3倍ズームや外観デザインを受け継ぎつつ、画質や手ブレ補正の性能を高めています。参考価格は5万9140円。

 

外形寸法は幅98×高さ57.9×奥行き31.3mm。質量は約206g。今回選んだモデルのなかでは最も薄くて軽い製品です。胸ポケットにすんなりと収まり、長時間入れたままで歩きまわっても苦になりません。

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前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。両サイドには滑り止めの素材が張られており、小型ながらしっかりとホールドできます。

 

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背面には、液晶モニターや動画ボタンなどを搭載。ボタン類の数は今回のモデルのなかで最も少なくシンプルで、ビギナーにも取っ付きやすいといえます。

 

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天面には、再生ボタンやモードダイヤルなどを搭載。再生ボタンが背面ではなく天面にある仕様は珍しく、慣れるまではやや戸惑うかもしれません。

 

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電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。側面のボタンによって素早くWi-Fi 接続ができるのが便利です。

 

【エントリー④】

ソニー「Cyber-shot DSC-RX100M3」

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人気機種「DSC-RX100」シリーズの3代目として2014年に発売された1型センサー機。レンズには開放値F1.8-2.8の光学2.9倍ズームを、撮像素子には1型の裏面照射型CMOSセンサーをそれぞれ搭載しています。参考価格は8万2780円。

 

外形寸法は幅101.6×高さ58.1×奥行き41mm。質量は約290g。「PowerShot G9 X Mark II」の薄さと軽さには一歩及びませんが、EVFとチルト液晶を備えた1型センサー機としてはかなりの薄型軽量ボディです。

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前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。外観デザインの面では歴代のRX100シリーズで大きな差はなく、ひと目で見分けるのは難しいでしょう。

 

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背面には、液晶モニター、動画ボタン、Fnボタンなどを搭載。ボタン類は小さめで、手の大きな人はやや窮屈に感じることもあるでしょう。

 

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天面には、ポップアップ式のEVFやモードダイヤルなどを搭載。天面の後方には段差があり、ボディの薄さを際立たせています。

 

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電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。側面のFINDERボタンを押すとファインダーがポップアップするギミックは、RX100シリーズのなかでもこのMark 3から採用されています。

 

【エントリー⑤】

パナソニック「LUMIX DMC-LX9」

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明るいレンズを搭載した高級コンパクト「LUMIX LX」シリーズの新モデルとして2016年に発売。レンズには開放値F1.4-2.8の光学3倍ズームを、撮像素子には1型の高感度MOSセンサーをそれぞれ採用しています。参考価格は8万8020円。

 

外形寸法は幅105.5×高さ60×奥行き約42mm。質量は約310g。今回のモデルのなかでは平均的なサイズと重量です。

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前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。グリップが薄くホールド性は少々もの足りなく感じますが、デザイン的にはオシャレです。

 

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背面には、液晶モニターや4Kフォトボタンなどを搭載。カスタマイズ可能なFnボタンの多さも、本機のメリットのひとつです。

 

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天面には、モードダイヤルや動画ボタンなどを搭載。電源は他社とは異なり、レバー式です。電源スイッチの形状はボタン派とレバー派で好みがわかれますが、個人的にはレンズ交換式カメラと共通の仕様であるレバー式が好みです。

 

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電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。精悍な雰囲気が漂うフルブラックの外装です。

 

【エントリー⑥】

パナソニック「LUMIX DMC-TX1」

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高倍率コンパクト「LUMIX TZ」シリーズと同等の薄型軽量を維持しながら、センサーの大型化を図った「LUMIX TX」シリーズの第1弾。レンズは光学10倍ズームで、撮像素子には1型MOSセンサーを搭載。発売は2016年。参考価格は6万9430円。

 

外形寸法は幅110.5×高さ64.5×奥行き44.3mm。質量は約310g。今回のモデルのなかでは質量は2番めに重く、サイズも大きめです。胸ポケットに入れるのは厳しいでしょう。ただ、光学10倍ズームという抜きん出たズーム倍率を持つ1型センサー機としては、画期的な小型軽量ボディであることは確かです。

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前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。DMC-LX9と同じく前面や天面に製品名が記されておらず、底面に小さく書かれているだけ。デザイナーのこだわりを感じます。

 

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背面には、EVFと液晶モニター、4Kフォトボタンなどを搭載。EVFと液晶モニターはアイセンサーによる自動切り替えに対応。便利ですが、やや敏感すぎるのは気になりました。

 

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天面には、モードダイヤル、動画ボタン。後ダイヤルなどを搭載。電源は他社とは異なり、レバー式です。動画ボタンの位置に関しては、背面派と天面派にわかれますが、個人的には録画スタート/ストップの際にボディがブレにくい天面が好みです。

 

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電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。望遠端までズームアップすると、レンズの前玉部分はさらに数センチせり出しますが、そもそも小型軽量なので特にアンバランスには感じません。

 

【エントリー⑦】

リコー「GR II」

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28mm相当の単焦点レンズを搭載したAPS-Cセンサー機。2013年に発売された「GR」の後継機として2015年に登場。レンズやセンサー、薄型ボディを継承しつつ、Wi-Fiの内蔵など撮影機能の強化を図っています。参考価格は6万9140円。

 

外形寸法は幅117×高さ62.8×奥行き34.7mm。質量は約251g。高さを抑えた横に長い薄型ボディです。重量は「PowerShot G9 X Mark II」に次いで2番めに軽く、ワイシャツの胸ポケットにも楽々と収まります。レンズは、電源オンでせり出す沈胴式ですが、光学ズーム機構がないため、使用中でもボディは比較的薄いといえます。

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前面には、電源に連動したレンズバリアやAF補助光ランプなどを装備。Wi-Fiを搭載したため、前モデル「GR」に比べると天面がやや膨らみ、高さが1.8mm増しています。

 

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背面には、液晶モニターやADJ.レバーなどを搭載。ADJ.レバーはやや小さめで回しにくい点が気になるものの、多機能を素早く設定できるのは便利です。

 

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天面には、ホットシューやアップダウンダイヤル、モードダイヤルなどを搭載。ホットシューには外部ストロボのほか、光学式の外部ファインダーなどを装着できます。拡張したい人にはうれしいポイントです。

 

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電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。側面のEffectボタンでは「クロスプロセス」や「ハイコントラスト白黒」などの特殊効果を素早く呼び出すことができます。

 

【まとめ】携帯性はもちろん、ホールド感や装備とのバランスも考慮すべし

7モデル中、最薄・最軽量なのは「PowerShot G9 X Mark II」。装備を絞ったことで胸ポケットにもすっぽり収まる大きさとなり、携帯性は抜群です。ただし、他モデルもファインダーや可動液晶の搭載、あるいはレンズスペックといった点などでそれぞれ魅力があるので、譲れないポイントを決めて絞り込んでいくと良いでしょう。

 

撮影時のホールド感も重要なポイント。今回の7モデルを実際に手にしたときの印象は、グリップ部の突起が大きい「PowerShot G5 X」と「GR II」が特に持ちやすく感じました。「PowerShot G7 X Mark II」と「PowerShot G9 X Mark II」「LUMIX DMC-TX1」のホールド感もまずまずです。

 

一方、「Cyber-shot DSC-RX100M3」と「LUMIX DMC-LX9」はやや滑りやすい印象。いずれのモデルに関しても、持ちにくく感じる場合は、オプションのカメラジャケットを装着したり、サードパーティ製のグリップを探してみるのもいいでしょう。

 

外観デザインについては、いずれも物欲を刺激するような、高品位な雰囲気が漂っています。カラーバリエーションについては「PowerShot G9 X Mark II」のみがブラックとシルバーの2色を用意。個人的には、ラバーグリップがしっくりと手になじむ「GR II」と、カジュアルさと高級さをあわせ持つ「PowerShot G9 X Mark II」のデザインが気に入りました。

 

次回はいよいよ実写比較編です。