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2017/3/19 16:00

飲食店経営のプロレスラーが大絶賛した日本酒とは? ついに「本気で店に置きたい高コスパ酒」ベスト3が決定!

GetNavi web×新日本プロレス コラボ連載

プロレスラー・矢野通選手が10本のなかから「店に置きたい日本酒」を選ぶ!

今回の新日本プロレスとのコラボ連載は、東京・水道橋でスポーツバー「EBRIETAS」を営む矢野通選手にインタビューを行う企画の第3弾。前回は編集部が厳選した10本の日本酒のうち、5本の日本酒を試飲してもらいました。今回は、残りの5本をお試しいただき、ついにお気に入りのお酒ベスト3を決定してもらいます! 合わせて、だんだんとお酒が回ってきた矢野選手の様子もお届け!

 

PROFILE

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矢野 通(やの・とおる) 矢野選手のTwitterはコチラ

東京都荒川区出身。新日本プロレス所属。第51代、第59代IWGPヘビー級タッグ王者。新日本プロレスを代表する曲者として知られ、「Y・T・R」「崇高なる大泥棒」「酒飲み日本代表」などのニックネームを持つ。身長186cm、体重115kgの体格を生かした得意技は鬼殺し、裏霞、赤霧、黒霧島、大吟醸など酒に由来するものが多い。お約束のポーズは、自らの頭を両手親指で指す「Y・T・Rポーズ」、両手のひらを見せて肩をすくめる「デニーロポーズ」など。反則技を繰り返すヒールスタイルだが、そのキャラクターが熱狂的なファンに支持されている。自らスポーツバー「EBRIETAS」を経営するなど実業家としても手腕を振るう。

 

【今回訪れたお店】

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EBRIETAS

矢野さんが経営する東京・水道橋のスポーツバー。大型スクリーンが設置され、プロレスをはじめとするスポーツを楽しむにはもってこい。提供する料理は、生ハムとサラミの盛り合わせ(1000円)、おでん盛り合わせ(650円)、肉の塊・牛肉(500g 3200円)など。握手や写真撮影など、矢野選手と交流できるのも魅力です。

住所:東京都千代田区三崎町2-11-12 アイロン三崎町ビル2F

営業時間:19:00 ~ midnight 不定休

 

たまに聞く「山廃」っていったい何だ?

さて、前回、「群馬泉 山廃本醸造」を試した矢野選手。そのラベルを見て、ふと疑問に思ったことがあるようです。

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矢野 この酒、ラベルに「山廃」(やまはい)って書いてありますけど、これ、どういう意味なんですか? たまに地酒で見かけるんですが……。

 

――こちらは、明治42年に開発された「山卸廃止酛」(やまおろしはいしもと)、通称「山廃造り(または山廃仕込み)」の略です。日本酒は乳酸を添加して雑菌の繁殖を抑えているんですけど、昔は「生酛(きもと)造り」といって、天然の乳酸菌を繁殖させて雑菌を殺していたんです。その生酛造りのなかに、手間のかかる「山卸」(やまおろし)という米をすりつぶす工程があったんですが、その後、それをしなくても生酛で酒母ができることがわかりました。そこで、その工程を省いて造りを簡略化したのが「山廃造り」です。

 

矢野 へえ、山おろしを廃止したってことなんだ。だから「山廃」……。

 

――現代では、乳酸を人工的に添加する「速醸酛(そくじょうもと)」が主流になっていて、手間がかかる「生酛」「山廃酛」の酒造りを行う酒蔵は少数になっています。

 

矢野 造りの違いで、味に違いが出るんですか?

 

――「生酛」や「山廃酛」で造った酒は、味わいにコクや深みが出るといわれています。熱燗に向いている、どろっとした味わいの濃いお酒になる傾向があり、ある意味クセの強いお酒ともいえます。さて、ちょうど話にも出たところなので、次は「生酛造り」のお酒を試してみましょうか。

 

「松の司」は「酒の玉が舌に乗る」感覚の味わい

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――こちらは滋賀県の「松の司 生酛純米酒」(720ml 1334円、1.8ℓ 2776円)です。

 

矢野 今までに飲んだことのない日本酒らしい酒というか。とても高そうな味がしますね(笑)。先ほどのおっさんっぽい酒とはまた違って、不思議と残らないです。これはこれで好きですね。今まで飲んだなかでは「守破離」の次にうまいですね。

 

――なるほど。やはり矢野選手は、雑味の少ないモダンなタイプがお好きですね。こちらは確かに味はしっかりしていますが、一般的な「生酛造り」のイメージと違い、フルーツを思わせる甘みがあって、透明感のある酒質です。

 

矢野 洗練されている、というんでしょうか。「日本酒ってこんなのもあるんだ」と思える新鮮な味ですね。口に入れたときに、「酒の玉が舌に乗る」というか。水っぽさがまったくないですね。

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「長珍」は単体でもつまみと一緒に飲んでいる感覚

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――「酒の玉が舌に乗る」ですか。実に面白い表現ですね……。さて、続いて、「長珍(ちょうちん) 本醸造」(1.8ℓ 2100円)に行ってみましょう。

 

矢野 うん、先ほど飲んだ喜久醉(きくよい)に近いですね。でも、あと味が違う。なんというか、つまみを食べてないのに、つまみと一緒に飲んでるような。……って、なに言ってんだって話ですけど(笑)。

 

――おっしゃりたいこと、なんとなくわかります! 味の要素が多いから、単独で飲んでも完結する味というところですよね?

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矢野 上あごと舌がひっついたときに味がするんですよ。おいしい味が。う~ん、表現が難しいですけれど、普通の日本酒を飲んだあとにこれを飲むと、珍しい味に感じるというか……。見た目も高そうだし、箔をつける意味でも、お店に置くのにはいいですね。わはは(笑)!

 

――ちょっと矢野さん、酔ってきていませんか?

 

矢野 まだまだ、ぜんぜん酔ってないですよ(笑)。

 

「貴」は濃い梨のような味がするがキレがいい

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――……大丈夫ですよね? 次は「貴(たか) 濃醇辛口 純米80」(720ml 1240円、1.8ℓ 2480円)です。

 

矢野 濃い梨のような味がします。不思議な味ですね。澤屋まつもとの「守破離」は、炭酸が手伝ってビールようなのどごしなんですけど、それとはまた違った日本酒らしいキレがあります。ストンと来る感じですね。

 

――ちなみに、こちらは精米歩合が80%なのが特徴です。つまり、お米の2割を削って、残りの8割を使って造ったお酒ということです。通常、地酒はお米を削れば削るほど雑味がなくなると言われていて、地酒だと精米歩合60%(お米の4割を削ったもの)以上のものが多いです。ですから、普通のお酒より玄米の部分が多いお米を使っているということですね。

 

矢野 だから、複雑な味がするのかもしれませんね。これは面白い味だな。クセになるというか……。いわゆる日本酒が嫌いな人がいう「日本酒感」はないですね。「実は、こういう酒が本当はうまいんだよ」とお客さんに出して、「なっ?」って言いたい(笑)。「わかってる感」がものすごくある酒ですね!

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「七本鎗」はおからの味がする!?

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――では、いよいよ残りで2本。次は滋賀県の「七本鎗(しちほんやり) 純米80 火入れ」(720ml 1350円、1.8ℓ 2700円)です。

 

矢野 (酒瓶を持って撮影しながら顔を作り)森進一のモノマネをしそうな人! しそうなんだけど、しない人ね。……って、なに言ってるんだってね(笑)。

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――ほんとに意味がわかんないですよ! ちなみに、こちらも精米歩合が80%の酒になります。

 

矢野 これ、香りがぜんぜん違いますね! フルーツ系の香りはまったくしない。これこそパンチがありますね。豆腐でいうとおからですね。……って、なんで豆腐に例えたのかはわからないですけど!(笑)

 

――ちょっと酔いすぎですよ~(笑)。でもわかります。穀物のコクがあるというか。

 

矢野 「ぬか感」というか。いや、「ぬか感」なんて言ったら怒られますよね(笑)。でももう少し歳をとって、僕が50歳を超えたぐらいに飲みたい酒ですね。僕のような若造にはまだ早い気がします。……あれ、でも2口、3口飲んで慣れるとおいしくなってくるな……。漬け物とか、粕漬けの魚なんかには絶対合うよね。ちょっと漬物をもらいましょうか(と、店員さんを呼ぶ)。

 

「竹林」はみんなが好みそうなバランス型

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――では、最後の1本は「竹林」です。かなりモダン寄りなお酒になります。

 

矢野 (無視して、運ばれてきた漬け物を凝視しながら)……うまそうだな~。

 

――矢野選手、すいません。ちょっと食べるのは待ってくださいね! 味が変わるので先にお酒を飲んでからにしましょう。

 

矢野 ああっ、そうですよね! これ食べたら、なんでもうまいと思っちゃいますよね! うん、……これは平均的にうまい酒。最後に集約されたものが出て来た気がします。みんなが好みそうなバランス型というか。最初の2つ、「守破離」と「喜久醉」の間をとったような味です。

 

――では、矢野選手。最後においしいと思ったお酒、ベスト3を挙げて頂けますでしょうか?

 

鮮烈な味わいの澤屋まつもと「守破離」が1位!

矢野 「常備して飲みたい」と思うのは澤屋まつもとの「守破離」。これが僕のなかでは1位ですね。すごく飲みやすいのに、今までに飲んだことのない鮮烈な味でした。繊細な味なので、ちょっと保存は難しいかもしれませんが……。2位は、松の司。口に入れたときに「酒の玉が入ってくる感覚」が面白い。すごく洗練された味なのに、「こんな日本酒初めて」という驚きもあります。3位は、通を気取れるという意味で、七本鎗。ぶ厚い味ですが、「これくらいじゃなきゃ飲んだ気がしねえよ!」と、いつかは言いたい通な酒ですね。自分では飲まないけど、推奨はしたい(笑)。こういう渋い酒を、みんなに知ってほしいですね。

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と、いうわけで、日本酒10本の試飲はついに終了! 1位は澤屋まつもとの「守破離」に決定しました! ありがとうございました!……と思いきや、「熱燗も飲んでみたい!」という矢野選手たっての要望で、急遽、これら10本を燗につけて飲むことに! 果たして、燗につけたときの順位はどうなるのか? さらに、飲み続けた矢野選手はどうなったのか!? 次回はエクストララウンドとなる「お燗編」をお送りします。お楽しみに!

 

今回の連載の流れをおさらいするなら以下をチェック!

第1回:飲みの席で気が利くヤツが出世する! 飲食店経営の酒豪レスラー矢野通が語る「飲み」の流儀

第2回:飲食店経営の酒豪プロレスラーが「本気で店に置きたい日本酒」は? 一升約2000円の日本酒レビュー10本ノック!

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【試合情報】

戦国炎舞-KIZNA- Presents SAKURA GENESIS 2017

日時:4月9日(日) 14:30開場 16:00開始
会場:東京・両国国技館
※最新情報は新日本プロレス オフィシャルサイト

 

撮影/石上 彰