グルメ
2017/7/18 18:00

イタリアン離れしている人にこそ食べてほしい! 食べ歩きマニアが太鼓判を押す目黒「アンティカ ブラチェリア」

300日食べ歩きライター藤井存希の、美味しかったらUP 【GNW編】 第2回 「アンティカ ブラチェリア ベッリターリア」

 

ここ2、3年で感じていたこと。「何食べたい?」と聞いて、「イタリアンが食べたい」と返ってくることが少なくなった……(その前に、女性なのに聞く側なのが悲しい。。。)。

 

食のトレンドを反映してか、「肉系がいい」と食材縛りをしてくる人もいれば、「フレンチ」という人が少なくなった代わりに「○○のビストロ」と指定する人が多くなったことも感じていました。

 

もし……。もしですが。私がいま聞いてもらえる側だとしても、「馬肉のタテガミを軍艦で!」「カスベ(エイ)のムニエル!」と、と答えてしまうので(気付いたらコラーゲン美食縛り!)、確かにイタリアンを欲する日ってあまりないのですが、こちらのお店だけは店名指定で「アンティカ(※)さんに行かない?」と提案することもしばしば。イタリアン離れのいまだからこそ訪れて欲しいお店は、舌を噛んでも紹介したい「アンティカ ブラチェリア ベッリターリア」です。

※編集部注)筆者が勝手に省略しています。

 

最寄駅である目黒駅や不動前駅からはちょっと歩きますが、バスがたくさん通っている山手通り沿いで、大鳥神社から徒歩2分。ミシュラン2つ星「アロマフレスカ」の姉妹店である、品川の人気店「アロマクラシコ」で4年間シェフを務めた井上裕一シェフが、2012年にオープンしたイタリアンです。

 

ちなみに、インスタグラムでは「#アロマクラシコの元シェフの独立店」というハッシュタグまで存在してました! メニューはコースもありますが、定番メニューにおススメが多過ぎるため、ほぼ毎回アラカルトでオーダーしています。

 

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生ハムとグリッシーニ

毎回変わらない“でいてくれる”お通しがこちら。最初にきた人はみんな何気なく食べて「ん?この生ハム美味しいね」と、期待をあらわにしてきます。

 

↑グリッシーニにこんな感じでクルクルと生ハムを巻きつけます。生ハムはしっとりしているので、一枚一枚がくっつくことがありません。それでいて脂っぽくもなく、グリッシーニには品のある脂と塩味が馴染んでいきます
↑グリッシーニにこんな感じでクルクルと生ハムを巻きつけます。生ハムはしっとりしているので、一枚一枚がくっつくことがありません。それでいて脂っぽくもなく、グリッシーニには品のある脂と塩味が馴染んでいきます

 

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気仙沼カツヲ藁焼き アンティーヴのサラダ 1300円

前菜1品目は、レアに仕上げられた分厚いカツオ。「カツオ藁焼き」は高知で食べたときも、一般的にも玉ねぎを合わせますが、「シャキシャキのアンティーブはこんなにカツオの味が引き立つのか!?」というほど相性抜群。チーズとパン粉、ネギの花が散らされて、そのソフトな酸味と甘みのバランスはため息ものでした。

 

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北海道 甘海老とカラスミの冷製パスタ 1600円

パスタなどは、1人前ずつに取り分けてきてくれます。昨年もオーダーして大絶賛した一品は、今年もオーダーして大満足。この甘海老ひとりの力とは思えぬ“甲殻感”! 冷製と聞くとカッペリーニに行き着きそうですが、後述する「燻製メカジキのタリオリーニ」と同じ手打ちのタリオリーニが、濃厚なクリームソースによく馴染みます。ときどきお皿の周りのカラスミを絡めると、お酒もどんどん進んでしまう……。

 

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フィレンツェのトリッパ煮込み 1600円

ほかのお店でトリッパ頼むことはないのですが、初めてこちらにお邪魔したときに両隣のお客さんが頼んでいてマネしたところ、私のなかでも定番メニューに。トリッパの柔らかさやクセのなさに、苦手な人にこそぜひ試してもらいたい一品です。

 

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白トリュフ風味のカルボナーラ 1900円

白トリュフの香りを最大限に引き出すシンプルなバターソースに、卵色の極細パスタ。こちらに追加の白トリュフは+3500円で、ザクザクと削りかけてくれます。

 

↑トリュフの塊自体が大きいので、一片の大きさもすごい!
↑トリュフの塊自体が大きいので、一片の大きさもすごい!

 

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燻製メカジキのタリオリーニ 1800円

遅くなりましたが、こちらがお店の鉄板パスタです。いろんな食通の方々をご案内して、「美味しい」の一声を発しなかった人はいません! スモーキーな薫りをプンプンさせたメカジキがゴロゴロっと乗り、自家製タリオリーニとは至高の組み合わせです。

 

↑メニューを見るとよくわかるのですが、下段「パスタ」枠のなかで、このひと品だけ太字で“おススメ”です(笑)。それに気づいたとき、シュールなアピールにちょっと笑ってしまいました
↑メニューを見るとよくわかるのですが、下段「パスタ」枠のなかで、このひと品だけ太字で“おススメ”です(笑)。それに気づいたとき、シュールなアピールにちょっと笑ってしまいました

 

普通のイタリアンならパスタが最後に出てくると思うので、ここらへんでだいぶ満腹中枢がやられてきます。ですが、最後にお店の看板メニューでもある「処女牛」が登場します!

 

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処女牛の炭火焼きステーキ 2800円/1P(2P~)

「アロマクラシコ」時代からシェフのスペシャリテとして君臨する、炭火で焼き上げる処女牛のビステッカ(ステーキ)。処女牛とは、まだ出産したことのない牛らしく、出産すると乳児に栄養を全部持っていかれてしまうそうです。だから、処女牛は美味しいのですね。火入れが抜群の赤身肉は、毎度パスタ後のお腹9分目ギリギリ(笑)で食べても、最後まで美味しいし、まったく飽きがこないから不思議。

 

そして最後は、伝統的なイタリアンデザートを数種。

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(手前)コアントローのクレームブリュレ、(奥)アメリカンチェリーのソルベ 各800円

先に頂いた友人が、「このブリュレとアイスはまず一緒に食べた方がいいよ! レアチーズになるよ!?」と、デザートをデザートに例えだしたので(笑)、半信半疑でひとまず従いましたが、こりゃホントだ! ブリュレとヨーグルトアイスの組み合わせって斬新に感じましたが、伝統的なデザートで組み合わせの妙を愉しめるって面白い。

 

 

こちらでは、パスタもお肉も基本取り分けて出してくれるので1人の量は丁度よく、それなのに最初の生ハムや最後のデザートは盛り盛りと、バランスの意味でもとても良いお店です。

 

また、若手のシェフやソムリエなどスタッフ3人の分業もすばらしく、カジュアルながらサービスも行き届いていることも特筆すべき。前菜からパスタはもちろん、イタリアンとはいえステーキまで美味しい。冒頭でお話したとおり、イタリアン離れしている人にとっては、きっと新鮮に感じてもらえるお店ではないでしょうか。

 

【shop data】

アンティカ ブラチェリア ベッリターリア/Antica Braceria Bellitalia

住所:東京都目黒区下目黒3-4-3 1F

交通:JR山手線ほか目黒駅 徒歩10分、東急目黒線不動前駅 徒歩8分

営業時間:月~金 11:30~15:00(L.O.14:00)、月~木 18:00~23:00、金・土 18:00~深夜(未定)

定休日:日曜日(その他にも不定休あり)

 

【URL】

アンティカ ブラチェリア ベッリターリア(食べログ) https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13149445/