グルメ
2017/10/27 17:00

世間を騒がせた「黒船襲来」から2年ーー「Shake Shack」の快進撃を支える「シュルーム」と「コンクリート」ってなんだ?

「NYのあの店が日本初上陸」といった見出しをニュースでよく見る。オープン当初はメディアもこぞって取り上げて、何時間待ちという長い行列が店の前にできたものだが、問題は「その後」だ。当初の華々しさに比べると、その後の動きはどうもよくわからない。情報が更新されぬまま、「きっといまも混んでいるんだろう」と決め込んで、足を運ばずにいる人も少なくないのではないだろうか。

 

そこで、2015年以降に日本に上陸し、世間をにぎわせたアメリカのハンバーガーチェーン5店について、「その後」を追ってみた。話題のあの店は、その後どうなっているのだろうーー。

 

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初上陸系バーガーのその後 第2回「Shake Shack」

「黒船が来た」と騒がれたのが「シェイク シャック」の日本上陸だ。2015年11月のことなので、もうすぐ2年になる。1号店は青山・外苑いちょう並木。翌16年に恵比寿と東京国際フォーラム(有楽町)に、今年17年の6月には新宿サザンテラス、先月9月には横浜・みなとみらいにオープン。さらに来月11月1日には六本木ヒルズに6号店をオープン予定。店の数が増えて、いっそう利用しやすくなった。

↑日本4号店、新宿サザンテラス店
↑日本4号店、新宿サザンテラス店

 

ホルモンフリーのアンガスビーフ100パーセントパティ

創業は2004年。NYのマディソンスクエアパークの店が1号店。その前身は慈善活動でホットドッグを売る屋台だった。店名はシェイクを売る小屋(shack)の意味。ホットドッグにシェイク、注目すべきメニューはハンバーガー以外にもいろいろある。

 

シェイク シャックのハンバーガーは全部で5品。看板メニューは「シャックバーガー」680円(以下:すべて税抜)。ホルモン剤を一切使わず飼育されたアンガスビーフ100パーセントパティの上にチーズが乗った、チーズバーガーだ。

↑同店の顔、「シャックバーガー」(680円)。サイズも手ごろで、かぶりつくとふわっとソフトに口に入る。その食べやすさも人気の理由だろう
↑同店の顔、「シャックバーガー」(680円)。サイズも手ごろで、かぶりつくとふわっとソフトに口に入る。その食べやすさも人気の理由だろう

 

焼く前のパティの色は深紅、みごとな赤色をしている。周囲がギザギザなのはコテでギューッ! と押し潰して焼いているから。挟むバンズは生地にジャガイモを練り込んだポテトバンズ。独特の「くしゅっ」とウェットな生地感はそのためだ。バンズの上下が完全に別れておらず、後ろで皮一枚つながっている。レタスはグリーンカール。トマトは2枚。そこへ特製のシャックソースがかかり、牛くさいにおいを放つビーフパティとともに強烈に食欲をそそる。

 

最も安いバーガーは、その名も「Hamburger」580円。そのまま頼めば、バンズにパティを挟んだだけのシンプルなバーガーだが、「トマト、オニオン、レタス、ピクルス、シャックソース」のトッピングが実は無料で、フルで乗せると「シャックバーガーのチーズ抜き、オニオントッピング」になる。それで580円。たまに利用したい、ちょっとお得な食べ方だ。なお、この無料トッピングは全バーガーメニューに有効。チーズ、チェリーペッパーは100円、ベーコンは200円でトッピング可能。

↑「シュルームバーガー」(930円)。いわゆる肉なしの「ベジバーガー(Veggie Burger)」だが、ビーフパティのバーガーとどちらを食べるか、迷うほどのおいしさ
↑「シュルームバーガー」(930円)。いわゆる肉なしの「ベジバーガー(Veggie Burger)」だが、ビーフパティのバーガーとどちらを食べるか、つい迷うほどのおいしさ

 

ビーフよりおいしい? ジャンボマッシュルームのバーガー

ぜひおすすめしたい一品が「シュルームバーガー」930円だ。シュルームとは「ポートベローマッシュルーム」という大きなマッシュルームを使ったコロッケのようなもののこと。ビーフパティの代わりにフライにした“シュルーム”が入った肉なしのバーガーで、ベジタリアン向けのメニューでもあるのだが、これが美味。3種類のチーズとともに衣に包んで揚げたポートベローマッシュルームの滋味とチーズのコク味にトマトの旨味も加わって、旨味成分が凝縮・炸裂! これはビールが進む!

 

なお、同店にはオリジナルブランドの樽生ビールとワインがある。ビールはNY・ブルックリンブルワリー製の「シャックマイスターエール」。ワインはカリフォルニア州ナパバレー産。自前の銘柄をきっちり置いているバーガー店というのもなかなかめずらしい。

 

「フローズンカスタード」のシェイクとスイーツ

シェイク シャックの「シェイク」は、一般的なアイスクリームでなく、「フローズンカスタード」で作ったシェイクである。フローズンカスタードとは「卵黄」が多めで、かつ空気の含有量が少ないフレッシュアイスクリームのこと。一般的なアイスクリームと比べ、しっとりとクリーミーに、そして濃厚に仕上がる。そのフローズンカスタードをチョコレートなどのトッピングと合わせて高速でミックスしたものを、同店では「コンクリート」と呼んでいる。

↑10月限定コンクリート「パンプキン パイオーマイ」(Small/500円)。バニラカスタードにカボチャピューレ、パンプキンスパイス、シーソルトショートブレッドをトッピングして高速回転
↑10月限定コンクリート「パンプキン パイオーマイ」(Small/500円)。バニラカスタードにパンプキンスパイス、シーソルトショートブレッドをトッピングして高速回転

 

このコンクリートなるフローズンデザート。シェイク シャック全店ですべてフレーバーが違う。つまり、全店に店舗限定のコンクリートがある次第。上の写真は国内全5店で販売中の10月限定のコンクリート「パンプキン パイオーマイ」Small/500円。着色料・香料不使用。カボチャピューレの自然な甘味にシナモンがプン! と香った、この時季らしいコンクリートで、ショートブレッドがサクサクとよいアクセントを添えている。

 

現在世界12か国に149店を展開するシェイク シャック。日本では2020年までに10店の開業を目標に掲げているが、この勢いなら達成確実だろう。「関西方面にも興味がある」との最新情報もキャッチした。関西・近畿のファンの間から歓喜の声が上がる日は、そう遠くないかも知れない。

↑9月29日にオープンした日本5号店・みなとみらい店
↑9月29日にオープンした日本5号店・みなとみらい店

 

― shop data ―

Shake Shack みなとみらい店

所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-2 みなとみらい東急スクエア①2F

アクセス:横浜高速鉄道 みなとみらい駅歩4分

オープン:2017年9月29日

営業時間:11:00~22:00

定休日: 不定休(施設に準ずる)