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2016/9/17 20:58

【日本酒】「天狗舞」「菊姫」は酒飲みのキホン! 熱燗でも抜群にウマい石川県の銘酒5選

加賀百万石の城下町・金沢を擁する石川県。この地のお酒は「加賀の菊酒」と謳われ、古来より高い評価を集めてきました。また、能登半島には日本四大杜氏・能登杜氏の本拠があり、その技術を生かした伝統的な造りを守る蔵も多数存在しています。菊姫、天狗舞をはじめ、絶対に押さえておきたい基本的な銘柄も多いので、ぜひチェックしてみてください!

 

その1

粋な大名火消しにちなんだまろやかな酒

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福光屋 壽蔵[金沢市]

加賀鳶(かがとび)

山廃純米超辛口

2970円(1.8ℓ)

1625(寛永2年)年創業の、金沢で最も古い蔵。酒銘の加賀鳶とは加賀藩江戸屋敷お抱えの大名火消しのことで、彼らの粋で勇ましい姿にちなんで命名されました。本品は、まろやかな旨みがありながらキレは抜群。燗でもお旨い!

 

【蔵元が語る地元との関わり】

酒米の栽培で地元農家と土作りから取り組む

1960年から酒米の契約栽培を開始。地元農家と土作りから取り組んでいます。この米と白山の清冽な伏流水、蔵人の伝統技術により、2001年に純米蔵を実現しました。

【地元に来たらコレと合わせて!】

◉ 鴨の治部煮
◉ かぶら寿し
◉ ふぐの子糠漬

 

その2

濃醇で酸味が強く重厚な印象が残る1本

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菊姫[白山市]

菊姫(きくひめ)

山廃純米

3240円(1.8ℓ)

安土桃山時代の天正年間に創業した、山廃造りに定評がある蔵元。本品は米の旨みを存分に堪能できる酒で、口当たりは濃醇かつ酸味が強いのが特徴。この酸が肉や揚げ物の油を切ってくれると、飲食店で評価されています。

【蔵元が語る地元との関わり】

イベントを通して地元の活性化に尽力

白山神社の御祭神「菊理媛(くくりひめ)」の名を冠した大吟醸古酒を、白山の頂上で開催される奥宮大祭に毎年奉納。地元の祭りでのふるまい酒や、白山ウルトラマラソンの協賛などで地元の活性化に尽力しています。

【地元に来たらコレと合わせて!】

◉ のどぐろの塩焼き
◉ かぶら寿司
◉ ふぐの子糠漬

 

その3

インパクトは強いが切れが良く飲み飽きない

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宗玄酒造[珠洲市]

宗玄(そうげん)

純米八反錦無濾過生原酒(じゅんまいはったんにしきむろかなまげんしゅ)

能登杜氏発祥の蔵といわれる宗玄酒造が醸したお酒。熟した果実を思わせる印象的な口当たりですが、キレが良く飲み飽きることがありません。また開栓後、徐々にふくらみが増すので、日を追うごとに味わいの違いが楽しめるのもうれしいです。

【蔵元が語る地元との関わり】

北陸新幹線グラングラスでも「宗玄」を提供しています

世界農業遺産の奥能登の伏流水と能登杜氏の技で、濃醇旨口な酒を醸しています。また、地元の酒米を100%使った「宗玄 純米 石川門」は北陸新幹線グラングラスの社内サービスで提供されています。

【地元に来たらコレと合わせて!】

◉ 香箱ガニ
◉ アオリイカの刺身
◉ 海藻しゃぶしゃぶ

 

その4

心地よい酸を伴う芳醇な味わい

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吉田酒造店[白山市]

手取川

山廃仕込純米酒

2862円(1.8ℓ)

手取扇状地のほぼ中央に位置し、加賀平野の実りと手取川の伏流水に恵まれた蔵。本品は、心地よい酸を伴う芳醇な味わいで、炊きたてのごはんのような含み香を持っています。すき焼きやサバ味噌煮など、濃い味の料理に合います。

【蔵元が語る地元との関わり】

酒米の振興会の活動で水田の保護にも努める

「山島の郷酒米振興会」を地元の4つの農業法人、58軒の農家、地元のJAと当社で結成。使用する五百万石の全量を栽培してもらっています。この活動を通し、貯水池としての田の保護にも努めています。

【地元に来たらコレと合わせて!】

◉ かぶら寿司
◉ ふぐの糠漬・粕漬
◉ ブリ大根

 

その5

酸と香りの調和がとれ幅広い温度で楽しめる

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車多酒造[白山市]

天狗舞(てんぐまい)

山廃仕込純米酒

2943円(1.8ℓ)

1823年(文政六年)に創業し、山廃造りで全国に名を轟かせる蔵。能登杜氏四天王の一人、中 三郎(なか・さぶろう)氏が顧問として在籍しており、その愛弟子、岡田謙治氏が醸造の指揮をとっています。この山廃純米は蔵の顔とも呼べる1本。濃厚な酸と、ヨーグルトを思わせる香りが調和した個性的な味わいとなっています。ブリ大根や肉じゃが、すき焼きなど濃いめの鍋料理とも相性が良く、冷や、常温、燗とあらゆる温度で楽しめます。

蔵元コメント

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車多酒造 岡田謙治さん

“米の旨みを飲んでいただきたい”というのが天狗舞の信条。山廃にこだわり続けるのは、酒本来の旨みは山廃でこそ醸せると信じているから。その両者を満たす山廃純米は、まさに銘柄を代表する製品です。造りでは、豊かな酸味や濃厚な風味など、山廃らしい味を引き出すことを心がけております。

【蔵元が語る地元との関わり】

この地に蔵を構えたころの伝説が酒銘を生んだ

酒銘の由来は、初代蔵元の車多太右衛門がこの地に蔵を構えたころに遡ります。当時、蔵は深い森に囲まれ、木々の葉のすれあう音が天狗の舞う音に聞こえたとの伝説から「天狗舞」の名が生まれました。

【地元に来たらコレと合わせて!】

◉ へしこ(ふぐの糠漬)
◉ 香箱ガニ
◉ かぶら寿司

 

石川県では、伝統的な山廃造りで著名な銘柄が多く、山廃造りのお酒はお燗で力を発揮します。これからの季節、鍋ものや煮物などに合わせてぜひ燗で楽しんでみてください。