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2017/9/28 19:05

【How to】海外でお得に通信する必須テク SIMフリーiPhoneでプリペイドSIMを活用する方法

旅行や出張で海外を訪れる際、現地で通信できる手段があると何かと安心。Googleマップで現在地や経路を検索したり、SNSで知人と連絡を取り合ったりもできます。

 

今回はSIMフリースマホを持っている人にオススメしたい、“国内にいる間に現地の「プリペイドSIM」を購入しておき、現地に到着してからSIMフリーiPhoneで利用する”という方法を紹介しましょう。

 

プリペイドSIMのおさらい

まず、「SIMカード」についておさらいしておきましょう。SIM(シム)とは、電話番号などの情報を記録したICチップのこと。皆さんの使っているスマホには、このSIMがセットされているので、電話をかけたりインターネットを利用したりすることができます。

↑iPhoneでは側面の穴にピンを差し込むと、SIMカードを入れるスロットが出てくる。プリペイドのSIMカードは、台紙から切り取って使用する
↑iPhoneでは側面の穴にピンを差し込むと、SIMカードを入れるスロットが出てくる。プリペイドのSIMカードは、台紙から切り取って使用する

 

ここで「プリペイドSIM」と呼んでいるのは、前払いで購入し、開通作業を行うことで、一定期間あるいは一定通信量を過ぎるまで利用できるというSIMカードのことです。“前払いで使用できる期間限定の通信プラン”と言い換えることもできます。

 

価格は、使用できる通信量や期間、電話の有無によって異なります。基本的には「データ通信専用」のSIMカードを選択するとよいでしょう。いまどき電話がなくともSNSを介して知人メッセージをやりとりできるので、意外と問題なく過ごせます。

 

さて、こうしたプリペイドSIMの多くは、ECサイトを通じて国内で事前購入することができます。また、渡航先によっては、空港で購入できる場合もあります。まずは目的地によってどんな選択肢が存在するのか、調べてみることが重要です。

 

ちなみに、「mineo」や「楽天モバイル」「IIJmio」などの格安SIMブランドからも、海外で利用できるプリペイドSIMが販売されていますが、現地のキャリアが提供するプリペイドSIMと比べると料金は割高になるので、本記事では扱いません。

 

プリペイドSIMを使うにはSIMロックが掛かっていない端末が必要

プリペイドSIMを使うには「SIMフリースマホ」が必要となります。キャリアで購入した手持ちのスマホをそのまま使おうとしたら、いざ現地で通信できなかった。そんな事態にならないように気を付けてください。

 

そもそも、みなさんの多くが普段使っている、ドコモやau、ソフトバンクといった大手キャリアのスマホには、他社のSIMカードが利用できないように「SIMロック」と呼ばれる制限が掛けられています。しかし、2015年5月以降に発売された端末などは、各社が定める一定の条件を満たすとSIMロックを解除することが可能。必要があればウェブページなどから申し込んで、この制限をあらかじめ解除しておきましょう。

↑auのSIMロック解除に関するページ。IMEIなどを入力することで、手持ちの端末がロック解除可能かどうか判定できる
↑auのSIMロック解除に関するページ。IMEIなどを入力することで、手持ちの端末がロック解除可能かどうか判定できる

 

また、家電量販店などで初めからSIMロックが掛かっていない状態で販売された端末もSIMフリーなので、プリペイドSIMを利用できます。注意したいのは、格安スマホ=SIMフリーとは言い切れないこと。例えば、Y!モバイルで購入したiPhoneなど、格安スマホでもSIMロックが掛かっているケースがあります。

 

さらに注意すべきは、使用する想定のSIMフリースマホが、現地の通信方式に対応しているかどうかということ。世界各国で販売されていて、大抵の国で通信を利用できるスマホとしては、iPhoneがおすすめです。

 

国内の空港で台湾用のプリペイドSIMを使う

台湾で使用できるプリペイドSIMは、国内の空港で購入することができます。2017年8月から、テレコムスクエアが運営する羽田空港および成田空港の「モバイルセンター」にて購入可能。筆者は、羽田空港の国際線旅客ターミナル3Fにあるモバイルセンター羽田空港(6:00-21:00)で入手して利用してみました。

↑羽田空港にあるモバイルセンター
↑羽田空港にあるモバイルセンター

 

予約などせず、渡航日当日にカウンターを訪れましたが、必要書類に記入するだけで購入できました。価格は1400円で、台湾での3G/4G通信を5日間使い放題というもの。中華電信の通信網を利用しています。なお、テザリングは非対応です。

↑台湾で使用できる中華電信のプリペイドSIM
↑台湾で使用できる中華電信のプリペイドSIM

 

これを、SIMロックを解除しておいたau版のiPhone 6sにセットして用います。SIMカードは標準/マイクロ/ナノの3サイズがありますが、台紙から適したサイズで切り取れるようになっているので、カッターなどは必要ありません。

 

ちなみにSIMフリーiPhoneで国内の格安SIMなど、別の通信を既に利用していた場合は、「設定」アプリの「一般」から「プロファイル」を削除しておくことを忘れずに。

 

SIMカードを挿入すると、特に設定をせずともそのまま通信が行えました。しかし、事業者によっては手動でプロファイルをインストールする必要があるので、留意しておきましょう。その場合には、事業社のホームページなどをGoogle翻訳で解読しつつプロファイルを探すか、「iPhone APN Changer」などのウェブサービスを活用してAPNを設定する必要が出てきます。これだけでも難易度にかなり差が出てくるので、事前に口コミなどを確認しておくといいでしょう。

 

※なお、AndroidではAPNを設定アプリからカスタマイズできる仕様になっています。本記事では扱いませんが、Android派の人は別途APNの設定について調べてみてください。

 

もちろん、プリペイドSIMは国内の空港で購入する以外にも、現地の空港で購入できることもあります。その場合には、スタッフに設定をサポートしてもらえるので安心です。ただし、これも国や空港によって事情が異なるので、事前の情報収集が重要となります。

 

ECサイトでアメリカ用のプリペイドSIMを購入

「Amazon.co.jp」などのECサイトでも、プリペイドSIMを購入することができます。こちらは手元に届くまでに時間がかかることがあるので、渡航日よりも早めに手配しておく必要があります。

↑Amazon.co.jpでT-mobileのSIMカードを購入
↑Amazon.co.jpでT-mobileのSIMカードを購入

 

筆者はT-mobile回線の「CT SIM」を購入し、使用してみました。このプリペイドSIMは現地での電話番号も利用でき、30日間の有効期間において4GBの高速通信が使えるというもの。スマホでのみ使用でき、タブレットなどは非対応となっています。価格は4200円。

 

↑アメリカで使えるT-mobileの提供するプリペイドSIM。パッケージに簡単な説明書きが付属する
↑アメリカで使えるT-mobileの提供するプリペイドSIM。パッケージに簡単な説明書きが付属する

 

パッケージが手元に届いたのち、パッケージに記載のあるURLにアクセスして、開通の手続きを行う必要があります。SIMのシリアルナンバーとパスワードを入力して、渡航日や使用日数、連絡先、IMEIなどを入力します。IMEIとは端末固有の番号のこと。「設定」アプリから「一般」→「情報」を選択し、「IMEI」の欄で確認できます。

 

こうした開通を必要とする場合、申請後に手続きがすぐに行われるわけではなく、1~2日間かかります。そのため、渡航日よりも1週間ほど前には、パッケージが手元に届いていると安心です。また、現地の渡航日に時差がある場合には、開始日の設定をする際に、日本時間の日付ではなく、現地時刻の日付を使用するように気を付けてください。

 

開通が正しく行われるとSMS経由で電話番号の通知が届き、現地での通信が利用できるようになります。ちなみに、こちらのSIMも手動でプロファイルのインストールをする必要はありませんでした。

 

プリペイドSIMの活用はモバイルWi-Fiルーターのレンタルや、キャリアの海外定額と比べると利用するまでのハードルは高いと言えますが、コスト面で優れています。頻繁に海外へ渡航する人は、ぜひ覚えておきたいテクニックです。また、機種変更前に使っていたiPhone 6sなどを持て余している人は、海外用の端末として再生させてみてはいかがでしょうか。