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2017/10/12 16:00

【レビュー】スマホはメールが打ちづらい……と悩める人の救世主になれるか!? 物理キー搭載のガラケーライクな「Mode1 RETRO」を試す

携帯電話業界はスマホ一色に見えますが、“ガラケー”や“フィーチャーフォン”と呼ばれる従来型携帯電話のニーズは根強く残っています。しっかり押せる物理キー、手にすっぽり収まるコンパクトサイズ、電池もちの良さなどが支持されているようです。

 

しかし、このタイプの携帯電話は、大手キャリアからは1年に1回しか発売されなくなってしまいました。SIMフリー端末市場にもあまり出てきません。そんななか、携帯電話ショップの「テルル」を運営するピーアップが、フィーチャーフォンと同様の物理キーを備えた折り畳み型携帯電話「Mode1 RETRO MD-02P」を発売しました。テルルのほか、ソフトバンクのECサイト「+Style」などでも購入可能で、価格は2万1992円。

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↑Mode1 RETRO(ブラック、ホワイト)

 

めったに新モデルが出ない従来型端末は、フィーチャーフォン好きにとって見逃せないモデルでしょう。また、Mode1 RETROはフィーチャーフォン的な使い方ができる一方で、OSにはAndroid 7.0、ディスプレイはタッチパネルを採用しているので、スマホとしても使える端末です。フィーチャーフォンからスマホへの乗り換えを考えている人にとって、取っ掛かりやすい端末ともいえます。

↑物理キーを搭載しているのが特徴
↑物理キーを搭載しているのが特徴

 

今回、Mode1 RETROを試すことができたので、その使い心地をレポートします。

 

3.5インチ液晶を搭載した折り畳みモデル

Mode1 RETROは、フィーチャーフォンでは一般的な、3.5インチのWVGA(800×480ピクセル)IPS液晶を採用した折り畳み型の携帯電話。背面には32×10ドットでモノクロ TFT液晶のサブディスプレイを搭載し、時刻や各種通知を表示できます。SIMフリー端末で、ドコモ、ソフトバンク、Y!mobileのネットワークに対応しています。なお、製品にSIMカードはついていないので、別途nanoSIMカードを用意する必要があります。

 

背面、底面はカーボンテクスチャーと木目調の素材を使っていて、ヒンジやフレーム部分はゴールド。個性的でありながら全体的にはすっきりシンプルに見え、ビジネスからプライベートまでどんなシーンにも合うデザインです。

↑Mode1 RETRO(ブラック)
↑Mode1 RETRO(ブラック)

 

3.5インチ画面なので、折りたたむと女性の手でもしっかり持てます。重量バランスもよく、端末を開いたときにうっかり落としそうになることもありませんでした。一般的なフィーチャーフォンそのものといったデザインと持ちやすさです。

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↑女性の手でも持ちやすいサイズ

 

本体の右側面に外部接続端子と、プッシュするとサブディスプレイの表示をオンにするボタンがあります。外部接続端子はmicroUSBです。

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左側面には音量調整キーとストラップホール。

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底面にカメラとライトを備えています。

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底面のカバーを外してバッテリーパックを取り外すことができます。バッテリー容量は1650mAhで、バッテリーを取り外すとnanoSIMカードとmicroSDカードの入れ替えが可能。このあたりの仕様もフィーチャーフォンのような感じになっています。

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しっかりクリック感のあるシートキー

気になる物理キーはシートキーです。キーのフレームにあたる部分は立体的になっていて、1つ1つのキーを区別可能。キーサイズは大きく、指をあまり動かしたくない人にとっては少し大きすぎるくらいかもしれませんが、その分打ち間違えしにくく、指が太めの人には押しやすいでしょう。柔らかなタッチながらしっかりしたクリック感があり、気持ちよく押せるキーです。ただ、数字や「絵文字」などの文字が、光の加減によっては見づらいときがありました。暗い場所でバックライトが光ると非常に見やすいのですが、中途半端に明るい場所では、文字のグレーがベースのベージュの中に溶け込んでしまうことがありました。

↑クリック感がしっかりあって押しやすいシートキーを採用
↑クリック感がしっかりあって押しやすいシートキーを採用

 

基本的なキー操作はフィーチャーフォンのスタイルに則っています。セキュリティロックをかけていない場合は、端末を開くと画面ロックが解除された状態になり、数字キーをいきなり押して電話番号をかけることができます。待受画面で十字キーの右を押すと連絡先が表示され、左を押すと通話履歴を表示。同様に、十字キーの上下を押すと、デスクトップのいずれかのアイコンにカーソルが当たり、上下左右に動かせます。待ち受け画面で「クリア」を長押しすれば通知バーが下り、カーソルをデスクトップのほかピクトエリアでも動かすことが可能。

 

Mode1 RETROは、十字キー周囲に文字種切り替えの専用キーが充実しているのも使いやすい点です。左上部のフォルダと「あ/A/1」は待受画面で画像フォルダ、文字入力時は文字種の切り替えが可能です。また、中央のマイクと「顔文字」は、待受画面で押すとGoogleの音声検索が可能。文字入力時は顔文字を表示。右の「絵文字」は、待受画面時にはアプリの履歴、文字入力時には絵文字を表示します。文字変換システムはOpenWnnを採用していて、快適に入力できます。

↑文字入力時に専用キーで顔文字や絵文字を素早く呼び出すことができます
↑文字入力時に専用キーで顔文字や絵文字を素早く呼び出すことができます

 

なお、物理キーを搭載している一方で、音声検索や音声入力を推しているのもMode1 RETROの特徴です。待受画面で「絵文字」キーを押すとGoogleの音声検索ができます。また「MENU」キーの下にある吹き出しアイコンのキーは、文字入力時に押すと音声で文字を入力できます(メッセージアプリの呼び出しキーではありません)。Googleの音声認識精度は非常に高く、かなり正確に入力できますので、キーを打つのが面倒なときに重宝します。

↑待受画面でGoogleの音声検索、文字入力時には音声入力が、専用キーからすぐに利用できます
↑待受画面でGoogleの音声検索、文字入力時には音声入力が、専用キーからすぐに利用できます

 

以上、今回は文字入力を中心にMode1 RETROを試してみました。物理キーを搭載しているだけあって、フィーチャーフォン的な文字入力はスムースにできますし、シートキーは柔らかいタッチで気持ちよく押せ、指が疲れません。絵文字、顔文字の専用キーがあるのでメールを打つときなどはとても便利です。キーを使っての文字入力入力が面倒なときは、音声入力も素早くできますし、文字入力にこだわった端末だという印象を持ちました。

 

Android 7.0を採用し、基本的にはすべての操作を画面タッチでも行うことができるので、この辺りはフィーチャーフォンとは異なる部分です。一方で、物理キーだけで操作を完結できないところもあり、タッチ操作と物理キー操作が混在する操作方法は、人によっては気になるかもしれません。

 

ただ、一般のAndroidスマホのように、Google Playからアプリを新たにダウンロードして使うこともでき、別の文字変換システムをインストールして使うことも可能なので、自分好みにカスタマイズすることも容易です。もちろん、Wi-FiやBluetoothも搭載。フィーチャーフォンとスマホの両方の使い方ができると前向きに考えると、1粒で2度おいしい端末といえるかもしれません。

 

+Style(プラススタイル) https://plusstyle.jp/

製品情報 https://plusstyle.jp/shopping/item?id=234