デジタル
2016/7/1 20:15

MWC上海2016レポート・その1 ――注目度が高かった「プロジェクター付スマホ」と「インターネットカー」

6月29日、GSMアソシエーション(※)主催で開催されているアジア最大級のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス上海2016(MWCS2016)」を取材してきました。MWCSは、毎年バルセロナで開催される国際的なモバイル展示会MWCのアジア版で、以前は「Mobile Asia Expo」と呼ばれていました。日本未進出の企業も多く出展しており、モバイル業界のグローバルな動きを知る上では欠かせないイベントとなっています。今回は、MWCS2056の会場で見つけた注目すべき2つの製品についてご紹介します。

※:GSM方式の携帯電話システムを採用している移動体通信事業者や関連企業からなる業界団体

 

↑MWC上海2016の会場
↑MWC上海2016の会場

 

MWCS2016の会場としてメディアに開放されているスペースは、体感的には東京ビックサイトと同じくらいでしょうか。さまざまな最先端デバイスやサービスが展示されており、すべての商品をチェックするのは至難の技です。今回は、まずは会場での注目度が高かった2つの商品についてご紹介いたします。

 

1.プロジェクター付きスマホ「HAWK」

「うわ、コレ面白い!」と率直に思ったのは、プロジェクターが付いたスマホ「HAWK」です。提供メーカーはアメリカに本社を置くAkyumen Technologies社。日本未進出のメーカーですが、このHAWKは1月にラスベガスで行われたCES2016でも既に展示され、注目を集めています。噂には聞いていたものの、初めて見た筆者としては衝撃のプロダクトでした。

↑
↑HAWK

 

↑プロジェクターを内蔵
↑プロジェクターを内蔵

 

↑デモの様子
↑デモの様子

 

↑プロジェクターで動画を投影しているデモンストレーションには、報道関係者の人だかりができていた
↑プロジェクターで動画を投影しているデモンストレーションには、報道関係者の人だかりができていた

 

本機の上部にはプロジェクターが付いており、ここから画面に表示する画像や映像を投影できます。ディスプレイ下部には同社のロゴがあり、これをダブルタップするとプロジェクターのオン・オフを切り替え可能。プロジェクター横には、ピント調節用のネジが備わっています。

↑同社のロゴマークをダブルタップすると、プロジェクターがオンになる
↑同社のロゴマークをダブルタップすると、プロジェクターがオンになる

 

OSには、Android 6を搭載。バッテリーは2600mAhで、そのままだと連続投影は2時間程度。専用のバッテリー内蔵型スタンドを活用すれば、使用可能時間を5時間分伸ばせます。

 

付属品が多いのも本機の特徴です。ベーシックバージョンでは、デジタルペンやイヤホン、バッテリー内蔵スタンドが同梱されます。価格は600〜900ドル程度になるとのこと。

 

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↑デジタルペン(SABEERTOOTH)はレーザーポインターや、着信時の通話などに対応

 

なお、Global向けの公式発表は、9月ごろに設けられる予定。日本国内では、キャリアでの販売を検討しているとのことです。

 

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また、同社はプロジェクター搭載のWindows10 タブレット「FALCON」やWindows10とうさいのファブレット「HOLOFONE」も提供する予定。

 

【SPEC】
HAWK(PROJECTOR SMART PHONE)
●OS:Android 6
●RAM:3GB
●ROM:128GB
●ディスプレイ:5.5インチ
●プロジェクター解像度:HD
●カメラ:1300万画素/500万画素
●バッテリー:2600mAh

 

2.アリババの「インターネットカー」

アリババといえば、ショッピングサイトのサービスが有名です。しかし、アジア市場においては「YunOS」というOSを提供しており、既に1億台以上のデバイスで用いられています。「Yun」は中国語でクラウドを指し示す言葉。中心となるのはスマホですが、それ以外のさまざまなデバイスに搭載されています。

 

↑アリババが提供を予定する「Internet OS Car」
↑アリババが提供を予定する「Internet OS Car」

 

今回の展示における主役は、車内に3つのディスプレイを備える「インターネットカー(Internet OS Car)」でした。

↑車内には3つのディスプレイがある

↑車内には3つのディスプレイがある

同モデルは「YunOS for Car」を搭載しており、ナビゲーションの情報が表示されるのはもちろん、音声操作によってハードウェアをコントロールできるのが特徴。具体的な機能については7月6日に発表されるとのことです。

 

また、車向けの商品としては「バックミラー型」の製品も展示されていました。去年のダブルイレブン(11月11日に行われる中国市場のEC業界のイベント)に、中国市場向けに発売されたもので、中国では4つのデザイン賞を受賞しています。車庫入れの際には、左右のラインを超えるとアラームを通知します。また、こちらも音声操作の機能を備えます。

↑バックミラー型の商品は発売済み
↑バックミラー型の商品は発売済み

 

 

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↑スマートウォッチ連携なども展開する

ちなみに、そのほかにも出勤確認に使われる顔認証用のカメラや、スマートウォッチなど、さまざまなYunOS搭載のIoTデバイスも展示されていました。

 

MWCS2016はまだまだ続きます。次回は「この商品も見逃すな! MWC上海のダークホース」をお届けする予定です。