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2016/9/28 6:00

今年のエボルタチャレンジは前人未到の有人飛行ーー乾電池で世界最長距離を目指す

エボルタチャレンジをご存じでしょうか? パナソニックの乾電池「エボルタ」を使って、様々なことに挑戦する、この時期の定番プロジェクトで、テレビCMなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか? ロボットのエボルタくんがグランドキャニオンの絶壁を登ったり、トライアスロンに挑戦したり、プラレールの世界最長走破を実現したりと、エボルタを動力源にした新しい挑戦を毎年行っています。

 

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↑おなじみエボルタくん。近年はエボルタくん自身は挑戦をしておらず、今年も応援にまわる予定

 

で、今年もエボルタチャレンジが実施されます! 今年はなんとエボルタを動力源とした有人飛行の世界最長距離に挑戦することが発表されました。

 

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↑エボルタチャレンジのそもそもの理念として、「乾電池エボルタ」の長持ちハイパワーの実証があります

 

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↑エボルタチャレンジ2016は、世界最長距離有人飛行チャレンジに決定!

 

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↑東海大学ライトパワープロジェクト人力飛行機チームが製作したオリジナル機体で10km以上を飛行します。使用する動力源は単3形エボルタのみ

 

この途方もない記録に挑戦するのは、東海大学ライトパワープロジェクト人力飛行機チーム。東海大学は人力飛行機に40年の歴史を持ち経験は豊富で、テレビ番組「鳥人間コンテスト」にも第16回から参加しており、23・24回大会では3位の好成績を残しています。 今回は、人力ではなく、エボルタを使った電力を動力として、挑戦にあたるとのこと。

 

今回もまたギネス記録を目指すのですが、そもそも乾電池を動力とする有人飛行に関する項目自体がギネスにありません。そこで、パナソニックが自らレギュレーションを定めることで、ギネス記録となるように申請しています。

 

その内容は、

・10km以上飛行すること

・離陸&飛行の動力は市販の乾電池のみであること

・飛行中に、乾電池の交換はできない

・飛行中に、部品の取り外しはできない

・離陸ポイントから着水ポイントに至るまでの「飛行経路の総距離」が本挑戦の記録となる(離陸ポイントから着水ポイントまでの「直線距離」ではない)

・飛行距離の算出は、GPSシステムを使用する

というもの。チャレンジの舞台は滋賀県の琵琶湖で、彦根港から琵琶湖大橋を目指して飛行します。使用する乾電池は単3形乾電池約500本。

 

パイロットを務める工学部 航空宇宙学科の鷹栖啓将さんとリーダーを務める工学部 動力機械工学科の東海林 聡史さんが説明会に登壇し、今回のプロジェクトについて説明してくれました。

 

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↑琵琶湖を舞台にチャレンジが行われ、彦根港を出発。琵琶湖大橋を目指して飛行します。11月3日早朝にチャレンジがスタート

 

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↑オリジナル機体を製作するのは、東海大学チャレンジセンターライトパワープロジェクト人力飛行機チーム51名

 

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↑乾電池を動力にするチャレンジのため、同じライトパワープロジェクトのソーラーカーチームも協力しています

 

鷹栖さんは、「いつもの人力との違いは、機体の重さです。人力よりも1.3倍重くなったぶん、翼の大きさも1.3倍拡大。

 

逆に、漕ぐ部分がなくなったので、寝た体勢で乗れるので本体サイズは小さくできています。人力では漕ぐためにコクピットに熱がこもりがちになりますが、今回は電動なうえ、11月の早朝なので逆に寒さ対策が必要。着水もするのでドライスーツかウェットスーツを着る対策を立てています。

 

学生の場合、パイロットになる可能性は1回である場合が多いのですが、僕は昨年と今年と2回めで、テスト飛行も昨年だけで8回くらい飛んでいるので、経験は他の人よりもあると思います、ただ、電動は初めてなので不安はあります」とのこと。

 

また、東海林さんは「ソーラーカーチームと相談ができたのが強みになりました。今回のプロジェクトは人力の時も同じなのですが、環境がとても重要。ある意味、運の味方につけないといけない部分もあります。このお話がきたときは本当に驚き、そしてプレッシャーはあります。でも、みんなで頑張れば達成できないことはないかなと思っています」と語ってくれました。

 

飛行機の製作は夏休みを活用して行っていましたが、いまは授業が始まったので、授業終了後や休みの日を利用して進めているそう。作業は翼班、フレーム班、プロペラ班、カウル班、電装班、駆動班に分かれ、すべでが東海大学の学生で構成されています。

 

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↑翼班、フレーム班、プロペラ班、カウル班、電装班、駆動班の6つのチームがそれぞれの担当を請負います

 

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パイロットの鷹栖さんは、みんなで減量した車体重量を維持するために、自分の体重を51~52kgに保っているとのこと。リーダーの東海林さんは、メンバー数が50人以上と多いので、全員同じ方向に向いて進めていくのが大変ですと語っていました。

 

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↑コクピットの様子。機体を流線型に保つためにパイロットは寝た状態で操縦します

 

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↑尾翼部分。エボルタくんのイラストが貼られています。軽量化のため、骨組みにビニール素材を使用

 

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↑主翼。電動化で重量がアップしたぶん、翼の幅も広くなっています

 

本番は11月3日を予定(荒天の場合は11月6日)。作業時間はあと1か月ちょっとしかないので、今後の追い込みが大変だとは思いますが、きっと成功できるはず! 筆者&GetNavi webでは引き続きこのプロジェクトを応援していきますので、続報をご期待ください。

 

【URL】

EVOLTAチャレンジ http://panasonic.jp/battery/drycell/evolta/challenge/