エンタメ
2017/4/9 19:00

「肩口をドン!」を華麗に受け流す! ゼロレンジコンバットを体験してわかった戦闘術の“優しさ”

サバゲーが流行ってますね。死ぬほど痛かったり死んじゃったりしたら困るけど、生死をかけた戦いみたいなのはちょっと憧れますよね。死なないけど死ぬかもしれないってスリルは、最高に刺激になりそう。

 

そんなサバゲーブームを巻き起こした(?)『GANTZシリーズ』や『図書館戦争』を手がけたアクション監督、下村勇二氏の最新作『RE:BORN』(http://udenflameworks.com/reborn/)が公開間近です。『RE:BORN』は、本格アクションのなかに謎解きあり、人間ドラマありの見る者の心を揺さぶる作品。そしてなによりこのアクションがすごいんです!!

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↑映画『RE:BORN』のワンシーン

 

アクションのスーパーバイザーは、米軍特殊部隊や自衛隊への指導実績のある稲川義貴氏。彼の作り上げた『ゼロレンジコンバット(零距離戦闘術)』は、日本の神刀流を始め、タイやロシアなど海外の武術を融合させた、まったく新しい戦闘術です。

 

ぶっちゃけ、ゼロレンジコンバットの動画を見たときは「えー、敵役のスタントの人たちがうまーくひっくり返ったり転んだりしてるだけじゃないの?」と思いました。

 

実際に体験してみると、いやこれたぶんマジですわ。相手が急に視界から消えたり、突然攻守が入れ替わってポカンとさせられたり、力が当社比3倍出たり、魔法のようなことがたくさん起きました。

 

ゼロレンジコンバットの動きの基本は肩甲骨です。これをグニャグニャ動かすことで、敵の攻撃から逃れたり、敵に悟られずに移動したりします。では実際に何をしたのか、ダイジェストでお送りしましょう。

 

手始めは、2人ペアになって向かい合い、相手の肩口をドン!と押す、というもの。よくヤンキードラマなんかで、

「おい、なにガンつけてんだ、ああん?」

とか言ってメンチ切って相手の肩を手のひらでドン!ってするやつ。

 

あれ、通常は押されそうになったら押し返すと思うんです。倒れないように肩にグッと力を入れて、相手の力に対抗する。だけどここで習ったのは、「受け流す」ってことです。

 

体幹は動かさずに、押される側の肩甲骨をぐるっと引きます。すると、押そうと思っていた抵抗がないので、空振りします。

 

右、左、右、左と順番に肩を押そうとしたとき、相手が肩甲骨をクルクルと回すだけでその攻撃を避けると……めっちゃ気持ち悪い!

 

触ろうと思っているものにぜんぜん触れなくて、ヌラリヌラリとしてます。これはなんと表現したらいいかしら。

 

いっぱい入ってて重たいと思ってた牛乳パックがすごく軽かったときみたいな「あれっ?」感です。

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↑ヌラリヌラリと攻撃をかわす稲川さん

 

逃げるときにも肩甲骨を使いますが、攻撃するときにも肩甲骨を使います。

 

ゼロレンジコンバットでは、体幹を動かさずに肩甲骨を回して腕を出したり体制を変えることを「ウエイブ」といいます。腕だけを突き出すよりも、ウエイブを使って肩甲骨からグッと押し出したほうが10センチ以上リーチが長くなります。ウエイブをかけて力を拳に伝えることで、筋力以上に攻撃力を増すことができるんだそうな。

 

そしてこのウエイブは、さまざまなスポーツに共通しているのだそうです。

 

和久井の経験でいえば、例えばテニス。初心者の男性ほど、ラケットそのもののを筋力で振り回そうとしますが、それよりも、ラケットは軽く握って腕全体をしならせて遊びを多くしたほうが、ラケットの先(ヘッド)をより高速に振れるので、速い球が打てます。和久井は今ほとんど腕の筋肉ないですが、そこらの男性よりも速い球を打ちますよ。

 

スポーツウィップという、鞭を振って音を鳴らすスポーツがあります。鞭の先のスピードが音速を超えるとピシ!と音が鳴ります。これも、腕を柔らかく使ってうまく鞭をしならせないと、先がきれいに動きません。力を伝えるのは筋力ではなく、しなやかな動きなんですね。

 

水泳でウエイブを使って泳いだら、肩をただ回すだけよりも10cm早くゴールにつけます。テニスのサーブだって高いところから早く打てる。世界のトップ選手といわれている人たちは、具体的に習わずとも肩甲骨の使い方を知っている人なのですって。なんかいろいろ納得です。

 

次に、相手の両肩を両手で掴んで、ウエイブを使って相手をグルッと回す技の練習をしました。回されると、向きあっていた相手は半回転して後ろ向きになります。

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↑回した後は羽交い締めにするなど好き放題

 

腕だけではどうしても力が足りないのですが、ウエイブを使うと、いとも簡単に人を回すことができます。でも受講者はまだうまくできないらしく、あちこちから、

「回してください!」「私も回してください!」

という謎の依頼が飛んでます。

 

和久井も、教員の方や特別教員のTAK∴さんに回してもらいました。

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↑この状態から、気付けば半回転して後ろ向きに

 

回された瞬間に視界が飛びます。ものすごいスピードです! これ、組み合ってるケンカ中にやられたら、一気に戦意消失しそう。てか「?」って感じ。

 

TAK∴さんは、

「格闘技は攻撃です。攻撃しようとすると、力が入って固くなる。でも戦闘術は優しさなんです。相手の力を利用して、いなして『はい、死んでくださいね』って導く」

と、笑いながら恐ろしいことを言ってました。

 

パンツに赤いシミがついていたので「これは」って聞いたら「民間人の血じゃないですよ」だそうです。微妙に聞きたかったことと違います。

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↑実践風の演習も!

 

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↑戦闘中にカメラ目線のこの余裕!

 

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↑ヌラリヌラリと攻撃をかわすTAK∴さん

 

いやー、面白かった。そのほかにも銃器の扱い方や、重心を変えるステップなどなど、戦闘術をあれこれ教わりました。

 

一般人としては「サバゲーに役立ちそう」くらいしか思いつきませんが、みなさま、次に講座があったらぜひどうぞ! そして受講してから観る『RE:BORN』はまた印象がガラリと変わりそうです。

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『RE:BORN』公式HP↓

http://udenflameworks.com/reborn/

 

『RE:BORN』FaceBook↓

https://www.facebook.com/yujishimomura.reborn/

 

ゼロレンジコンバット

http://zerorangecombat.com/