エンタメ
2017/1/9 16:04

SMAP解散で突きつけられた現実――ジャニーズ最大の萌えポイントは「男子同士でイチャイチャ」だった!?

覗けば深い女のトンネルとは? 第7回「キャッキャ戯れる男子たちを眺めて憂き世を忘れる」

 

和久井は、シブがき隊に洗礼を受けて以来、なんとなくのんべんだらりとジャニーズのファンです。ファンクラブに入るほどではないけど、たいていのグループのアルバムは聴いています。

 

少年隊のとあるアルバムには「少年隊とおしゃべりデート」という恐ろしいトークが収録されています。かっちゃん、ヒガシ、ニッキの一人語りです。これが目を剥くほど萌えどころが見当たりません。

 

まずかっちゃん。

いきなり詫びられます。「ごめんごめん、遅くなって!」デートに遅れてきたようです。ひと言発しては空白時間があるので、どうやらこの間に私は何か返事をしなければいけないようです。だいぶ遅れてきたようで、「何か頼んだ? え、そんなに甘いもの食べちゃったの?」とか文句言われました。うるせえ。どこへ行きたいか聞かれたので、「海が見たい」とか言ってみました。すると「ちょっと遠すぎない? 俺さ明日朝早いからさ、ちょっと早く戻んなきゃいけないんだよね」遅刻してきてその言い分かよ、お前何様だ。「あ、そこならいいや。車で20分くらいだから。そこ行ってからどうする?」などと言うので「ホテル! ホテル!」と叫んでみました。「なるほどね! 君って頭いいじゃん?」めいっぱい頭の悪い回答をしましたが褒められました。「じゃ、そこ行こ!」でかっちゃんパート終了です。

 

続いてニッキ。

休日に2人で海に来たようです。そしておもむろにギターを取り出し「教えてやるよ」とか言って『君だけに』のギター弾き語りを始めます。……い、痛い……。そして将来の希望を聞かれます。ここで私は「貴方と結婚したいの」とか言わなければいけないようです。ニッキは「だって俺は、明日がどうなるかわからない仕事をしている男なんだぜ」とか言ってます。そして「お前の気持ちはわかった、大事にするよ」。いやいやいやニッキよ、お前の気持ちはどうなんだよ。そこは「俺はお前のことが好きで気が狂いそうだ。こんな気持ちは初めてだ」とか言わないとダメでしょう! なんだかんだ上から目線なんだよお前ら。

 

そして最後はヒガシ。

こいつは私にプレゼントを買ってあげることは覚えていたようだけど、映画を見に行く約束は忘れてたらしいです。あり得ません。しかも「すっかり忘れてた!」とか言ってます。ねえねえ、私に会うの、ぜんぜん楽しみじゃないわけ? 「来週過ぎたら時間が空くから、それまでいい子にして待ってなさい」だそうだ。うるせえ!

 

半世紀ほど、女子の心を虜にし続けてきたジャニーズだけど、昔はこんなにいろいろ間違だらけだったんですね。時代のせいで感覚が違うのかもしれないけど、当時はまだ真に女子が求めていたものを社会全体がつかみきれていなかったのでしょう。

 

それを掘り起こしたのが、SMAPの敏腕マネージャーといわれた飯島女史です。積極的にSMAPをバラエティに投入し、あっさり女子たちの心を掴んでしまいました。

 

どうしてバラエティなのかって? 女子たちは、男子たちがキャッキャ仲良くしているさまを見るのが大好きなんですよ。現在、ジャニーズで最も人気のグループの1つ「嵐」が売れたのも、彼らのなかよしっぷりが女子のハートを撃ったためです。深夜番組で次々とアホな実験をしたり、寝間着でゴロゴロしながらおしゃべりする姿には、本当にキュンキュンしました。メンバーのうち、イチオシは自然とできますが、ほかのメンバーももちろん好きだし、特定のメンバーとじゃれているところを見るのはもっと好きです。

 

女子同士は、なかよしといっても所詮、いい男を取り合うライバル。男子のように純真にキャッキャする仲とはちょっと違うんですよね。いまや、ジャニーズのグループメンバー同士でチュッチュするのは当たり前。アイドル雑誌でもメンバー同士でイチャイチャしあう姿が掲載されています。

 

アニメ化もされた『私がモテてどうすんだ?』という少女マンガがあります。腐女子の生態を面白おかしく暴露した作品ですが、主人公の腐女子は、自分が男子に好かれるよりも、男子同士でイチャイチャしていて欲しいと思ってます。女子にはビンビンくる設定ですが、男性にはわかりにくい感覚じゃないでしょうか。

 

ジャニーズが踏襲している、こうしたBL的要素は、女性マネージャーだからこその発想だったと思います。だからこそSMAPのメンバー間の不和による解散は、とても衝撃です。キャッキャ戯れる男子たちを眺めて憂き世を忘れていた女子たちにとって、これほどショックなものはありません。よしんば仲良しではないとしても、隠し通して欲しかった。まざまざと現実を見せつけられたような気がします。それと同時に、好きなメンバーたちが辛い思いをしていることにも、ファンは胸を痛めているでしょう。

 

アニメや乙女ゲームにハマる女子たちは「二次元は裏切らない」と言っています。好きなキャラたちは決して突然結婚したりスキャンダルにまみれたりすることがありません。それに加えて「グループの分裂」という可能性もないことがわかりました。

 

解散だけでも悲しいのに、紅白すら出場しないだなんて! どんな理由があったとしても、シラッと仲のいいフリをして出て欲しかった。それとも、ファンならメンバーの意思を尊重するべきなのかしら……?

 

アイドルという、完璧にキャラを演じきる虚像を求めるか、より身近に感じられる生身の姿を知りたいのか。究極の選択なのかもしれないですね。