家電
2016/1/5 11:27

非常識上等! 驚きの家電を生み出すメーカー・ハイアールアジア社長が語る「新しさ」の正体とは?

いま、ハイアールアジアが面白い。「AQUAシリーズ」などを手がけた旧三洋電機の開発者が生み出す製品は、これまでの家電の常識からかけ離れた驚きのあるものが続々と登場しています。今回は、社長に話を聞きました。

 

「子どもの頃に夢見た世界を実現するのがメーカーの使命です」

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ハイアールアジア
代表取締役社長兼CEO
伊藤嘉明さん

 

98年サンダーバード国際経営大学院ビジネススクール卒業。日本コカ・コーラ、デル米国本社、レノボ、アディダスジャパン、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 業務執行役員シニア・バイスプレジデントホームエンタテインメント部門日本代表 兼 北アジア代表を経て、2014年2月から現職。

 

 

今年6月に開催されたハイアールアジアの発表会では映画「スター・ウォーズ」人気キャラクター「R2−D2」型冷蔵庫が報道陣の度肝を抜きました。それ以外に発表された製品も、少量の水で衣類のシミを叩き洗いできるポータブル洗濯機AQUA「COTON」、“空気で洗う”旧三洋の「エアウォッシュ」をベースにした衣類エアウォッシャーAQUA「Racooon」など斬新なコンセプトのものばかりでした。COTONは15年2月の発表後にさまざまなメディアで取り上げられ、発売後も半年近く品薄が続いたといいます。

 

ワクワク感のある製品しか作らない!?

ハイアールアジア代表取締役社長兼CEOの伊藤嘉明氏は、「企画担当者や事業部長などがワクワクできない製品はダメです」と語ります。製品コンセプトをすべてチェックし、社長のゴーサインが出ない製品が日の目を見ることはありません。その基準は、売れるか、売れないかではない。社長を、そしてその先にいる消費者をワクワクさせられるのか。そして、いままでにない価値観を生み出しているのか否かが重要だといいます。

 

ほかに発表会に登場した製品では、大画面ディスプレイの中に熱帯魚が泳ぐ冷蔵庫、スケルトンタイプの洗濯機など、奇抜な発想が目を引きます。常識破りな印象を受けますが、その常識に対して伊藤氏は常々「それって誰が決めたの?」と返します。従来の常識に従って開発したのでは、型破りな製品は生まれません。自由な発想を持ち、「自分はこれが欲しい」、「これがあったら多くの人が喜ぶはず」という思いをぶつければ社長にそのワクワク感が届き、その先にいる消費者にも届く。市場調査ではニーズが見えなくても、潜在ニーズを掘り起こした製品を作れば、それがニッチだとしても新たな市場が生まれます。さらにはニッチな市場をマスマーケットに成長させるというのが伊藤氏の狙い。

 

R2-D2型冷蔵庫は伊藤社長肝入りのプロジェクトだが、「こんなのもアリ」と思わせることで、社員の中に巣食っていたタブーを打ち破ろうとしています。AQUA「Automilk」などは、まさに一社員の発案によって生まれた製品。次はどのようなワクワクが登場するのか楽しみです。

 

R2-D2型冷蔵庫

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「R2-D2型冷蔵庫」は、胴体部分に冷蔵機能を搭載。

 

 

ハンディ栄養成分測定機AQUA「CAL」

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ハンディ栄養成分測定機AQUA「CAL」は、カメラと重量センサーで食材を認識し、スマホアプリで栄養情報を確認可能です。

 

 

衣類エアウォッシャーAQUA「Racooon」

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衣類エアウォッシャーAQUA「Racooon」。オゾンでスーツやジャケットなどを除菌・消臭します。

 

 

ミルク自動調合機AQUA「Automilk」

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ミルク自動調合機AQUA「Automilk」は、月齢に合った適量、適温のミルクを自動調合します。

 

 

AQUA「COTON」

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AQUA「COTON」は、衣類のシミや汚れを叩き洗いできるコンパクトな洗濯機です。