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加湿器・除湿機・乾燥機
2017/4/25 17:27

メーカーは価値の「見える化」を怠っていないか? 最新衣類乾燥除湿機の「光ガイド」がもたらした単純だが大きな進化

三菱電機が衣類乾燥除湿機の最新モデル「サラリ MJ-120MX」を発売した。同シリーズでは、数年前のモデルから、同社のルームエアコンに搭載している独自技術「部屋干し3Dムーブアイ」を搭載し始めているが、今回のモデルではその部屋干し3Dムーブアイによる「集中乾燥」機能の満足度がかなりアップしてきた。その理由は、新搭載の「光ガイド」にある。以下で詳しく見ていこう。

 

3つのセンサーで洗濯物の状態をきめ細かく検知する

↑三菱電機が2017年4月に発売した「サラリシリーズ」3モデル。左からハイパワータイプの「MJ-180MX」、部屋干し3Dムーブアイ搭載の「MJ-120MX」と「MJ-100MX」
↑三菱電機が2017年4月に発売した「サラリシリーズ」3モデル。左からハイパワータイプの「MJ-180MX」(実売価格5万2440円)、部屋干し3Dムーブアイ搭載の「MJ-120MX」(5万2960円)、「MJ-100MX」(実売価格4万4860円)

 

「衣類乾燥除湿機」という呼び名はここ数年の大きなトレンドの一つだ。元々除湿機は、納戸やウォークインクローゼットなど湿気がこもりやすい場所を除湿するために用いられてきたものの、一部の限られた“お悩み”を持つ消費者に用いられるものだった。

 

ところが、ここ数年で「衣類乾燥除湿機」が注目されたきたのは、PM2.5や花粉症が付くのを防ぐため、「外干ししたくない」というニーズが増えてきたため。こうしたニーズに対応するため、各社とも単なる部屋の除湿だけでなく、「部屋干し」にターゲットの絞った機能を搭載し、積極的なマーケティング訴求も行っている。

 

そんななかで三菱電機が前面に押し出すのが「部屋干し3Dムーブアイ」だ。これは赤外線・温度・湿度の3つのセンサーで、洗濯物の位置や量、状態を広範囲にきめ細かく検知するシステム。上下・左右に幅広く動く「3次元広角狙えルーバー」によって左右約100°、上下約160°の送風に対応。吹き出し口から前方100cmの距離で幅約180cm(風速0.5m/秒の風が届く範囲)のワイド送風により、大量の洗濯物もしっかり乾かす。同時に、部屋干し3Dムーブアイで乾き具合を常時チェックし、乾いた部分には風を送らず、「乾かし残し」を見つけてピンポイントで送風する集中乾燥が可能となっている。

 

新搭載の「光ガイド」が圧倒的な満足感を演出

機能面ではすでに昨年モデルでもできあがっているのだが、今回のモデルの何が魅力なのかというと、新搭載の「光ガイド」にある。

↑昨年モデルから搭載している「部屋干し3Dムーブアイ」に加えて、新たに「光ガイド」を搭載した
↑昨年モデルから搭載している「部屋干し3Dムーブアイ」に加えて、新たに「光ガイド」を搭載した

 

光ガイドというのは、部屋干し3Dムーブアイが見ている場所(センサーが検知している場所)をLEDによってお知らせする機能のこと。緑色の光がまるでサーチライトのように、部屋干し3Dムーブアイが向かっている場所を照らしてくれる。

↑霧吹きで左のワイシャツにだけ水を吹きかけている
↑部屋干し3Dムーブアイと光ガイドのデモ。まずは霧吹きで左のワイシャツにだけ水を吹きかける

 

↑除湿をスタートしてから約5分ほど経過すると、濡れた箇所だけ検知して重点的に送風するのが特徴だ
↑除湿をスタートしてから約5分ほど経過すると、濡れた箇所だけ検知して緑色の光で照らし、重点的に送風するのが特徴だ

 

 

この機能の何がすごいのか。一言で言うと「見える化」にある。例えば空気清浄機の場合、今どれだけ部屋を浄化してくれているのか、目で確認することは難しい。ほこりセンサーの色などで分かる場合もあるが、今ひとつ信頼感に欠けるのではないだろうか。そのため最近ではブルーエアやダイソンのようにWi-Fi機能を内蔵し、スマホと連携することでスマホアプリで空気の浄化度合いを確認できる空気清浄機が出てきている。

 

同様に、衣類乾燥除湿機の世界でも、見える化の動きが進んでいる。除湿機はしばらく運転するとタンクに水がたまるため、ある程度見える化できているとも言える。しかし、こと「衣類乾燥」を目的とした場合、一部でも乾ききっていないと目的を達成したことにはならない。「部屋全体がある程度除湿できたからいい」と考えることはなかなかできないのだ。

 

そこで登場したのが部屋干し3Dムーブアイというわけだ。部屋干し3Dムーブアイによって衣類の乾いていない部分(湿っているので温度が低い)を検知すると、その場所に重点的に風を送ることで、より効率的に衣類を乾かすことができるようになっている。とはいえ、「本当に濡れている場所を検知しているの?」とか、「ちゃんと正確に風を送っているの?」とか、疑問や疑念が湧いてしまうのではないだろうか。

 

こうした疑問を解消してくれるのが、光ガイドだ。部屋干し3Dムーブアイは運転開始後にまず約5分ほど部屋中をくまなく見回り(その間光ガイドも動き回る)、濡れている衣類の場所をサーチする。約5分経過すると、先ほど「濡れている衣類がある」と判断した場所に向けて重点的に風を送る。その一連の動きが、緑色のサーチライトの動きによって一目瞭然なため、「ちゃんと働いてくれている」という満足感が得られるのだ。ともすると、どうでもいい機能に思われてしまうかもしれない。しかし、機器の性能や効果を実感できる、それを演出してくれる機能というのは、ユーザーにとって大きな満足感につながると思う。

↑光ガイドはルーバー中央部、部屋干し3Dムーブアイの下部に設置されている
↑光ガイドはルーバー中央部、部屋干し3Dムーブアイの下部に設置されている

 

 

光ガイドは「ズバッと乾燥」機能にも活躍

光ガイドはどうでもいい機能に思われるかもと書いたが、実は短時間で少量の衣類だけを乾燥させたいという場合に便利な「ズバッと乾燥」機能の実現に大いに役立っている。

 

例えば子供の体操着や給食着、上履きなどを子供が部屋にため込んでいて、乾かす時間がない! といったシーンは、子育てをしたことのある人なら数多くあることだろう。そんなときにズバッと乾燥機能をオンにし、方向キーを使って光ガイドを乾燥させたい場所に当てることで、いますぐ乾かしてほしい衣類を重点的に乾かすことができる。

↑「ズバッと乾燥」ボタンを押すと、重点的に乾燥させる箇所を指定できる
↑「ズバッと乾燥」ボタンを押すと、重点的に乾燥させる箇所を指定できる

 

↑体操着に重点的に風が当たっているのが目ですぐに確認できる
↑体操着に重点的に風が当たっているのが目ですぐに確認できる

 

↑こちらは上履きを狙っているところ
↑こちらは上履きを狙っているところ

 

 

このズバッと乾燥も緑色の光が周囲を照らし続けているので、余計な場所を乾燥させずに特定の場所を重点乾燥させているのがよく分かる。もちろん、就寝時など夜に明かりが照らし続けているのは具合が悪いので、その場合は光ガイドをオフにすることも可能だ。

↑本体右奥にある「光ガイド入/切」ボタンを押せば光ガイドのオン・オフを切り替えられる
↑本体右奥にある「光ガイド入/切」ボタンを押せば光ガイドのオン・オフを切り替えられる

 

付加価値を「見える化」した意義が大きい

近年はデザイン性や“所有感”などを重視する消費者が増えているように見えるが、一方で多機能化・高機能化に価値を見いだす消費者も決して少なくはない。こうしたユーザーにとって、本機は魅力的に映るはずだ。部屋干し3Dムーブアイは元々ルームエアコン「霧ヶ峰シリーズ」の技術がベースになっており、他社も各種センサーやカメラなどを用いたセンシング技術を持っている。しかしそれらがどのように機能しているのか、我々の生活に快適性をもたらしているのかはカタログなどで確認できる程度で、実際に目に見えるようにはなり切れていない。サーチライトのような「光ガイド」はごく単純な仕組みだが、我々に「付加価値の見える化」を提供してくれた。

 

他社のように除菌・消臭性能を持つイオンを放出するような機種もあるが、「湿気やすい部屋を乾燥させてカビを防ぎたい」、「部屋干しのイヤなニオイを出させずに素早く衣類を乾かしたい」という除湿機本来のニーズを満たす意味では、部屋干し3Dムーブアイは大きな手助けになるはずだ。そして新搭載の光ガイドは、その働きを実感できるという意味で大きな進化だったといえる。

↑市販のホースを使えば連続排水もできる。タンクに水をため込まずに直接排水できるので、徹底的に除湿したい場合に便利だ
↑市販のホースを使えば連続排水もできる。タンクに水をため込まずに直接排水できるので、徹底的に除湿したい場合に便利だ