家電
2017/9/4 21:45

遠藤憲一、松下幸之助の「メンタル見習いたい」と告白! パナソニック「次の100年」を見据えた新製品発表会レポート

2018年3月で創業100周年を迎えるパナソニックは、アニバーサリーイヤーを前に、次の100年に向けたテーマ「2つのチェンジ」を発表。合わせて、マーケティング・スローガンに「毎日を、ちょっとクリエイティブに」を掲げた「Creative! 」キャンペーンをスタートしました。すでに8月24日からキャンペーン特設サイトを開設し、13の新製品を「Creative! SELECTION」として販売展開していきます。

 

松下幸之助の250年構想のなかでは100年もいまだ道半ば

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パナソニックは、1918年に松下幸之助が「松下電気器具製作所」を創立してから来年で100年。1920年発売の「2股ソケット」をはじめ、アイロン、ラジオ、洗濯機、掃除機、テレビなど多岐にわたる家電製品をヒットさせ、主婦を家事労働から解放する一方、解放された時間を一家団らんの楽しい時間に変えるなど、日本人の生活を豊かにし続けてきました。

↑「2股ソケット」の名前でよく知られる大ヒット商品で、正式名称は「2灯用クラスター」(1920年[大正9年])。当時、一般家庭には電力供給口として天井灯用の1本のソケットしかなく、複数の電気製品を使いたいというニーズに応えて考案されました
↑「2股ソケット」の名前でよく知られる大ヒット商品で、正式名称は「2灯用クラスター」(1920年[大正9年])。当時、一般家庭には電力供給口として天井灯用の1本のソケットしかなく、複数の電気製品を使いたいというニーズに応えて考案されました

発表会冒頭に壇上に立ったパナソニック常務執行役員でコンシューマーマーケティング担当の中島幸男さんは、創業100周年への思いを次のように語りました。

 

「創業者・松下幸之助は、250年の長い年月をかけて、松下電器の真の使命である『楽土建設』を成し遂げようと考えていました。その想いを汲むと、我々はまだ道半ばであり、さらに志を高くして事業を推進していかねばなりません」

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↑中島幸男さん

 

また、次の100年について、中島さんは「パナソニックの経営理念は不変」としながらも、一方で変化の必要性も語ります。

 

「お客様にとってのよりよい暮らしは、その心情や世相を反映して、時代とともに変化します。今後もお客様の悩みや願いごとはより多岐に渡るに違いない。次の100年は、さらに技術力、ものづくり力、デザイン力を高め、商品を磨きあげると同時に、総合家電メーカーの強みを発揮して、複数の商品の組み合わせで、ニーズに応えていきたいと考えています」(中島さん)

 

今後の製品作りで重要になるのは数値化できない「感性価値」

続く同社執行役員の、コンシューマーマーケティング ジャパン本部 本部長の河野明さんは、次の100年に積極的に取り組むべきものとして、「2つのチェンジ」を挙げました。

 

「ひとつは『暮らし』というコトの中心にあるモノ(家電)を通じての『お客様への提供価値のチェンジ。もうひとつは私たちの大切なお客様との『つながりの強化』です」

↑河野明さん
↑河野明さん

 

まず第1のチェンジ(「提供価値のチェンジ」)について。近年、家電には“モノ”としての価値に加え、“コト(体験)”としての価値も求められています。そこでパナソニックは、これまで同様技術の革新と品質へのこだわりにより、製品の機能価値を重視しつつ、今後は美しいデザインや素材感、使い心地、使う喜びといった、数値化できない「感性価値」も追求していくと言います。そして、そのコアターゲットとして挙げるのが「共働き世帯」です。

 

「結婚・出産後も仕事を続ける自立した女性の増加で、夫婦共働きは新たなコアになっています。調査によると、仕事より家庭のためにもっと時間を使いたいという夫婦が非常に多く、妻が生活の中でなんとかしたい問題の上位4つは家事。また、共働き世帯では、子どもや家族の健康が一番の心配事になっています。そんな共働き世帯において、新たな家電が役に立てる機会は十分にあると考えています」(河野さん)

 

100周年を機に4つのテーマに沿った「Creative! SELECTION」を発売

そうした背景を受け、この秋パナソニックは、「毎日を、ちょっとクリエイティブに」をスローガンに、全13製品からなる「Creative! SELECTION」を展開。それらの製品を通して提案するテーマは、「家事シェアでゆとり」「おいしい7days」「どこでも楽しむAVライフ」「健康な我が家」の4つです。

↑Creative! SELECTION
↑全13種類の製品からなる「Creative! SELECTION」

 

「家事シェアでゆとり」は、これまで夫婦で分担してきた家事をIoT対応の洗濯乾燥機やロボット掃除機などの家電とシェアし、家族にゆとりの時間を創出します。

 

「おいしい7days」は、忙しい平日夜の時短料理や作り置きには、冷蔵庫のパーシャル機能とスチームオーブンレンジとの組み合わせで対応。休日には、おいしい料理を作る楽しさや食べる喜びを「Creative! SELECTION」のホームベーカリーやロティサリーグリル&スモークでアシストします。

 

「どこでも楽しむAVライフ」は、家族の時間も自分の時間も大切に使いたいという共働き世帯のニーズに応え、家族全員の時間は有機ELテレビで、大切な自分だけの時間はプラベートビエラで提供するといいます。

 

「健康な我が家」は、除菌や脱臭、花粉の抑制に効果的な同社独自の「ナノイーX」搭載エアコンや空気清浄機を大幅に拡充。様々な空気リスクの中でも家族が安心して過ごせる空気環境を実現します。

 

100周年を機に企画・開発された「Creative! SELECTION」の13製品は以下の通り。

 

ななめドラム洗濯機「キューブル」

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液体洗剤と柔軟剤の自動投入機能を搭載。スマホを使って帰宅時間に合わせて洗濯をスタートでき、帰宅したらすぐに洗いたて・乾きたてを取り出して畳めます。

 

ロボット掃除機「ルーロ」

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レーザーセンサーを新搭載し、約2cmの障害物を見分けてテーブルの脚回りまできれいに掃除。進化したAIで、間取りやゴミがよく溜まる場所を学習できます。専用アプリを使い、スマホでペットのケージなど、掃除したくない場所の設定も可能です。

 

エアコン「エオリア」

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20畳相当の高い集じん能力を持つフィルターを新搭載。空気の汚れを検知してフィルターが可動、冷暖房しながら室内の空気を浄化します。「ナノイーX」を室内に放出し、花粉やニオイなども抑制。熱交換器表面に「ホコリレスコーティング」を施し、熱交換器の清潔性も向上しました。

 

パーシャル搭載冷蔵庫

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本体幅はそのままに、庫内容量を約50ℓ増やし、大容量収納が可能に。冷蔵やチルドより低い約-3℃で食材鮮度を保つ「7daysパーシャル」を搭載、肉や魚の保存から常備菜、下ごしらえした加熱前の食材まで、約1週間おいしさを維持します。

 

ロティサリーグリル&スモーク

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新開発の「360°回転ロティサリーグリル」でかたまり肉を回転させながらあぶり焼きに。ローストビーフや焼き豚など本格肉料理が楽しめるほか、グリル料理、燻製、トーストにも使えます。

 

ホームベーカリー

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「ねり」「発酵」「焼き」を単独で設定可能な「マニュアル機能」を搭載。オートメニューによる手軽なパン作りから、本格的なパン作りまで多彩に楽しめます。

 

紙パック式掃除機

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2.0kgの軽量ボディに加え、ノズルや延長管も軽量化したキャニスター型。ハンドル形状を変更し、掃除中の腰や腕への負担を軽減しました。紙パック式でゴミ捨てや手入れの手間がかからないのも魅力です。

 

次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」

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菌やウイルス、ニオイの除去に特化した空間除菌脱臭機。塩と水道水から菌・ウイルス対策に効果的な次亜塩素酸を生成し、ファンで取り込んだ室内の空気を次亜塩素酸が浸透したフィルターで除菌・脱臭します。揮発した次亜塩素酸がドアノブなどに付着した菌やウイルスにも効果を発揮。

 

ポータブルテレビ「プライベート・ビエラ」

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家中どこでも持ち運べるワイヤレスモニターとWiFi搭載チューナーのセット。録画した番組やブルーレイコンテンツなどを、好きな場所で迫力の高音質で楽しめます。

 

ヘアードライヤー「ナノケア」

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「ナノイー」機能を搭載し、髪の水分バランスを整えながら乾燥できるドライヤー。ノズルの形状を見直し、速乾性能が約15%アップしました。温風・冷風を交互に出し、毛先のツヤ、まとまりを出す「毛先集中ケアモード」を新搭載。

 

メンズシェーバー「ラムダッシュ」

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5枚刃搭載で深剃りと肌へのやさしさを両立するシェーバー。上下・左右・前後に動くヘッドに新たにひねりと前後スライドの動きが加わり、あご下などの複雑な形状にやさしく密着します。チークやマホガニーなどの天然木材をグリップに使用した限定モデルも9月に登場。

 

電動アシスト自転車

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業界最大容量のバッテリーを採用し、最大約100km走行可能な電動アシスト自転車。オートマチックモードでも約76km走れるので、1週間充電しなくても毎日10km走行できます。巻き取り式シートベルトで、子どものベルト調整がワンタッチで済むのも便利。

 

補聴器

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電池交換不要な充電式補聴器。イヤホンが部分が細い線でつながったRICタイプで、小型なので目立たず使えます。テレビアダプターとワイヤレス接続でき、テレビ番組をよりクリアな音声で楽しめます。

 

ネットとリアルの双方向から顧客とのつながりを強化

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さらに、パナソニックの第2のチェンジとなるのが「顧客とのつながりの強化」。購入前には顧客が興味を持つ情報を適切なタイミングで伝え、購入後には「クラブパナソニックアプリ」を通じてユーザーの問題解決のための接点を強化します。具体的には購入後、製品のQRコードをスマホで読み取ると自動的にユーザーのマイページに登録が完了。さらに最近、AIを使ったチャットによる問い合わせ対応をテスト運用したところ、24時間いつでも対応してくれるとユーザーにも好評で、早い段階での実用化を目指しているといいます。また、顧客のマイページから使っている製品の消耗品やオプション部品が簡単に確認可能に。アプリで修理相談や修理予算の簡易見積もりもできるそうです。

 

ネット上だけでなく、リアルな場での顧客との接点も強化。9月中旬には、製品体験だけでなく美容相談も受け付ける「パナソニック ビューティーサロン」を東京・銀座に常設オープン。表参道に、電動シェーバー「ラムダッシュ」を体験でき、男を磨く場を提供する「パナソニック ラムダッシュ ラウンジ」を9月7日〜10月29日の限定で展開するほか、この秋から全国7都市で、「Creative! SELECTION」の各製品を体験できるイベントを展開していくそうです。

 

なお、年明け以降には、創業100周年に向けて開発を進めてきた「Creative! SELECTION」の第二弾の発売を予定しているとのことです。

 

キャンペーンCMに出演の人気俳優・女優によるトークセッションも

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発表会後半では、同社宣伝キャラクターの綾瀬はるかさん、西島秀俊さん、遠藤憲一さん、奥貫薫さんによるトークセッションが行われました。

↑綾瀬はるかさん(左)と西島秀俊さん(右)
↑綾瀬はるかさん(左)と西島秀俊さん(右)

 

すでに放送中の120秒のスペシャルCMでは、同社の創業当時の製品から100周年に合わせて発表された新製品まで、約350種類もの家電を展示したステージで撮影。撮影時の印象について綾瀬さんは、「真っ白い空間に、見たこともないラジオやテレビや冷蔵庫などすごい数がずらーっと並んでいて、パナソニックさんがいろんな想いで作られてきた歴史を改めて感じることができました。とても幸せな空間でした」と語っていました。

 

また、自身の思い出のパナソニック製品について西島さんは、「撮影時の家電の中には入ってなかったんですけど、『コブラトップ』っていうラジカセが学生時代にすごく流行っていて、すごく思い入れがあります。ボタンを押すと操作パネルが持ち上がったりして、かなりワクワクしましたね」とコメント。

 

奥貫さんも、「ステージで赤い掃除機を見つけたとき、『あ、これ実家で使ってた!』と。ほかにも中学時代に使ってたドライヤーがあったりして、パナソニックの製品の歴史が自分の人生と重なった気がしました」と、思い出の製品の数々を懐かしんだそうです。

↑奥貫薫さん
↑奥貫薫さん

 

一方、遠藤さんは、創業者・松下幸之助さんの姿勢に感銘を受けたと語ってくれました。「松下幸之助さんの著書『夢を育てる』に書かれていたエピソードですが、世の中の景気が悪くて系列電器店が大変なときに、松下さんは会社のトップなのに、自ら営業本部長の役職に戻って。各店舗の人たちと意見交換して、電器店を盛り上げたそうです。俺、この顔でけっこうメンタル面が弱いんですけど、そんなしんどいときにいい方向に変えていく力は見習いたいですね」

遠藤憲一さん
↑遠藤憲一さん

 

そんな遠藤さんらが出演する「Creative!」キャンペーン用のテレビCMは、120秒の「MONO・GATARI(もの・がたり)篇」のほか、30秒の「KOTO・ZUKURI(こと・づくり)篇」が公開中です。

 

発表会で展示されていたパナソニックの貴重な過去製品のギャラリーはコチラ

 

撮影/福永仲秋(ANZ)