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2016/9/15 6:00

2年目のパナソニック「ふだんプレミアム」――家電で「こんなことができるんだ」が満載!

パナソニックは昨年9月から、白物家電において、なんでもないふだんを宝物にするというコンセプトのもと、「ふだんプレミアム」を展開中。2年目を迎える今年も、新たな付加価値をつけたエアコン、冷蔵庫、洗濯機の新製品が登場します! 発売に先立ち、新製品の特徴を知るセミナーに参加してきましたので、詳しくレポートしていきましょう。

 

世界初! 高温風と中温風を吹き分け2人同時に快適にするルームエアコン

ルームエアコンは、パナソニックが1957年にエアコン事業を始めて60年という節目の2017年モデルから、Eolia(エオリア)という名称になります。10月下旬に登場するのが、「冷暖房・除湿タイプ インバータールームエアコンWXシリーズ」。最大の特徴は、温冷感センサーで人の「暑い」「寒い」を見分けるだけでなく、温度の異なる2つの温風を作り出し、同時に吹き分けられる「ダブル温度気流」システムを搭載した点です。つまり1台のエアコンで、寒く感じている人暑く感じている人それぞれに、快適な温度の温風が届けられるようになったのです。

 

それを可能にしたのが、新技術の可変圧力弁を搭載した「ダブル温度熱交換器」。熱交換器を流れる冷媒の圧力を途中で変えられるもので、最大温度差10℃という2つの温風を作ることが可能に。これらの温風は、上下2つに分かれた吹出し口から別々に吹き出し、暑い人、寒い人それぞれに適した気流を届けます。

↑まず温冷感センサーで、人の暑い寒いを見分けます。表面温度だけでなく、周囲温度も見ることで、実際の温冷感を検知するそう
↑まず温冷感センサーで、人の暑い寒いを見分けます。表面温度だけでなく、周囲温度も見ることで、実際の温冷感を検知するそう

 

↑このダブル温度熱交換器がキモ! 圧力を途中で変えることで、高温と中温を同時に作り出すことが可能に
↑このダブル温度熱交換器がキモ! 圧力を途中で変えることで、高温と中温を同時に作り出すことが可能に

 

↑上下に分かれた吹き出し口から、それぞれ中温風と高温風を吹き出すことで、左には41℃、右には32℃の温風が送風。この2つの吹き出し口の間に、さらに中左フラップ、中右フラップを設けることで、吹き出し口は全部で4つに
↑上下に分かれた吹き出し口から、それぞれ中温風と高温風を吹き出すことで、左には41℃、右には32℃の温風が送風。この2つの吹き出し口の間に、さらに中左フラップ、中右フラップを設けることで、吹き出し口は全部で4つに

 

このダブル温度気流は、部屋全体を温めながら、特に寒く感じている人に高温風を届けることも可能。もちろん冷房時は、冷風と弱冷風を吹き分けられるので、体感温度が違う夫婦も快適に同じ部屋で過ごせるというわけです。

↑寒く感じている人には高温風を、暑く感じている人にはやさしい暖房を。自動制御なので、難しい設定は不要です
↑寒く感じている人には高温風を、暑く感じている人にはやさしい暖房を。自動制御なので、難しい設定は不要です

 

さらに注目したいのが、清潔性の向上です。人が1日に最も多く摂取するのは、水でも食料でもなく空気であるという観点から、エアコンが生み出す空気に清潔さに着目。除菌作用のあるOHラジカルを従来の「ナノイー」の10倍の毎秒4兆8000億個生成できるという「ナノイーX」を採用しました。除菌のほかスピーディな脱臭、花粉の無力化などの効果が期待できるそうです。

↑人が1日に摂取する空気の量は、水や食べ物の約14倍の15㎥(18kg)! 球体にすると、かなりの量であることが分かります。水や食べ物を選ぶように、空気も選んでほしいとのこと
↑人が1日に摂取する空気の量は、水や食べ物の約14倍の15㎥(18kg)! 球体にすると、かなりの量であることが分かります。水や食べ物を選ぶように、空気も選んでほしいとのこと

 

↑除菌されると色が変わる試薬に、オキシドールを入れると、一瞬で青から黄色に。従来のナノイーとナノイーXで除菌した実験(左)でも、除菌効果にかなりの違いが見られました
↑除菌されると色が変わる試薬に、オキシドールを入れると、一瞬で青から黄色に。従来のナノイーとナノイーXで除菌した実験(左)でも、除菌効果にかなりの違いが見られました

 

そのほか、暖房時の霜取運転時間を従来の11〜12分から4〜5分に、室温低下を従来の約5〜6℃から1℃以下に抑えることを可能にした新エネチャージシステムを新搭載。体感温度の変化を低減させるといった快適性にも配慮しています。

 

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ルームエアコン Eolia WXシリーズ

10月下旬発売予定

実売予想価格31〜42万円前後(税抜)

 

常備菜も1週間長持ち!まとめ買いに便利なパーシャル搭載冷蔵庫

次に紹介されたのが、「微凍結パーシャル」機能がウリのパーシャル搭載冷蔵庫の新モデル「NR-F672WPV」(9月中旬発売)。そもそも「微凍結パーシャル」とは、物が凍り始めるギリギリの約マイナス3℃で冷却することで、冷蔵やチルドより長く保存できるほか、凍らせないので食品のおいしさを保ち、解凍せずに調理できるという便利な機能です。

 

また微凍結パーシャルでは、急冷させて食品の表面に「微凍結の層」を作り、酸素の侵入を防いで酸化を防ぐ「酸化ブロック冷却」を昨年から搭載していますが、今年はさらに冷却スピードがアップ! 天井から冷気を送る「シャワー冷却」に加え、底面に食品の熱をすばやく奪う「アルミ冷却プレート」を敷いたほか、高効率コンプレッサー、高断熱キャビネットを新搭載することで、冷却効果のアップを実現しています。

↑天井からのシャワー冷却と底面からのアルミ冷却プレートによる「酸化ブロック冷却W」で、食品を上と下から冷却します
↑天井からのシャワー冷却と底面からのアルミ冷却プレートによる「酸化ブロック冷却W」で、食品を上と下から冷却します

 

これにより、肉や魚などの生鮮食材だけでなく、肉じゃがやカレー、ミートソース、きんぴらごぼうなども約1週間、おいしく保存できるようになりました。たとえば微凍結パーシャルで1週間保存したひき肉を、ミートソースにしてさらに1週間保存できるといいますから、週末に1週間分のまとめ買いをしたり、作り置きをしたりしている家庭にはうれしい機能です。

↑微凍結パーシャルで1週間保存した肉は、おいしそうな赤い色をキープ。チルドで1週間保存した魚と肉。肉は白っぽく変色し、魚はドリップが出たり、酸化して黄色くなったりしています魚の変色やドリップもほとんど見られませんでした
↑微凍結パーシャルで1週間保存した肉は、おいしそうな赤い色をキープ。魚の変色やドリップもほとんど見られませんでした。一方、チルドだと肉は白っぽく変色し、魚は黄色く変色したりドリップが出たりしていました

 

野菜室には、野菜の保存に適切な湿度を維持する「Wシャキシャキ野菜室」を搭載。うるおいを保ちつつ、過剰な湿気を放出する「モイスチャーコントロールフィルター」を下段ケースだけでなく、上段ケースにも設置することで、野菜室全体で鮮度の管理ができるようになりました。

 

このほか野菜や果物の栄養素をアップさせ、野菜の老化を促進するエチレンガスを分解したり、低温障害を抑制したりするという「ナノイー」も搭載。会場では、野菜室に入れて1週間経った野菜の展示も行われていましたが、どれもみずみずしさとシャキシャキ感をキープしていて、1週間経ったとは思えない新鮮さを感じました。

↑上下それぞれのケースに「モイスチャーコントロールフィルター」を搭載。底面に敷いたステンレスプレートは、汚れたら取り外して洗えます
↑上下それぞれのケースに「モイスチャーコントロールフィルター」を搭載。底面に敷いたステンレスプレートは、汚れたら取り外して洗えます

 

↑2009年モデルの野菜室で1週間保存したもの(写真右)と比較すると、葉野菜の違いは歴然。ほかの野菜も水分が抜け、しなしなになっていました
↑2009年モデルの野菜室で1週間保存したもの(写真右)と比較すると、葉野菜の違いは歴然。ほかの野菜も水分が抜け、しなしなになっていました

 

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パーシャル搭載冷蔵庫 NR-F672WPV

9月中旬発売

実売予想価格43万円前後(税抜)

【SPEC】

サイズ/質量:W825×H1828×D733mm/125kg

定格内容積:665L

年間消費電力量(50/60Hz):350Kwh/年

 

二度洗いでニオイの原因菌スッキリ! ダニも一網打尽のななめドラム洗濯乾燥機

続いて紹介されたのが、温水泡洗浄機能が人気のななめドラム洗濯乾燥機の新モデル「NA-VX9700L」(9月26日発売)です。本製品では、汚れ落ちに加えてニオイに着目し、通常の洗濯工程では落としきれなかったにおいの原因菌を除去する「約40℃においスッキリコース」を新たに搭載。約2倍の洗剤を使い、給水→約40℃の温水洗浄→排水の工程を2回繰り返すことで、においをすっきり落としてくれるというものです。

↑皮脂の融点が37℃、洗剤の酵素が活性化するのが40℃以上のため、温水が洗浄力をアップさせるそう
↑皮脂の融点が37℃、洗剤の酵素が活性化するのが40℃以上のため、温水が洗浄力をアップさせるそう

 

↑皮脂と同じ成分をつけた布に洗剤成分をつけ、(手前から)水、温風を吹きつけた水、お湯に投入。お湯に入れた瞬間、赤い成分が一気に溶け出しました
↑皮脂と同じ成分をつけた布に洗剤成分をつけ、お湯に投入。お湯に入れた瞬間、赤い成分が一気に溶け出しました。圧倒的なスピードで溶け出ているのが分かります。これにより、皮脂が原因の黄ばみも抑えられるそう

 

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↑あらかじめ当サイトの編集者のシャツを送り、本機でどれだけ汚れが落ちるかというデモも実施。悩んでいた襟元の深刻な黄ばみ(上写真)もスッキリ落ちました!(下写真)

 

さらにインパクト大だったのが、同じく新搭載の「ダニバスターコース」。寝具などに潜む生きたダニは、50℃以上の熱を20〜30分与えることで対策ができますが、死がいが残るとアレル物質になってしまいます。そこで同コースでは、始めに約65℃の温風で約90分、生きたダニを加熱し、その後の洗濯工程で死がいなどのアレル物質を除去。これにより、洗浄前に比べ99%以上ものアレル物質が除去できるそうです。

 

会場では、実際にダニを65℃の温風で加熱すると、動きが止まる実演も行われましたが、なかなかシュールでしたので、スライドの画像でご紹介します。

↑通常の毛布コースで洗濯した後もダニは動いていますが、ダニバスターコースでプレ乾燥したものは、動きが止まっています。これはつまり……
↑通常の毛布コースで洗濯した後もダニは動いていますが、ダニバスターコースでプレ乾燥したものは、動きが止まっています。これはつまり、ダニが昇天したということか

 

↑常温で生きたダニに水をかけても、ダニは流れません
↑常温で生きたダニに水をかけても、ダニは流れません

 

↑ダニを50℃に加熱した後、水をかけると、跡形もなく流れ去りました
↑ダニを50℃に加熱したあと、水をかけると、跡形もなく流れ去りました

 

さらに、洗濯槽を清潔にキープするための「約30℃槽洗浄コース」が進化し、洗浄時間が従来の約5時間42分から、約3時間に。時間を47%短縮でき、よりこまめに槽洗浄ができるようになっています。

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ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VX9700L

9月26日発売

実売予想価格36万円前後

【SPEC】

洗濯脱水/乾燥容量:11kg/6kg

サイズ/質量:W600×H1021×D722mm/77kg

定格洗濯乾燥時の消費電力量(標準乾燥モード):890Wh

定格洗濯乾燥時の目安時間(標準乾燥モード):98分

 

機能性だけでなく空間に調和するインテリア性を兼ね備えたななめドラム洗濯機「Cuble(キューブル)」からも新モデル「NA-VG1100L/R」ほかも登場。温水泡洗浄に「約40℃においスッキリコース」と「約30℃おしゃれ着洗いコース」など、新機能を搭載しています。

 

以上、「ふだんプレミアム」のエアコン、冷蔵庫、ドラム式洗濯乾燥機には、家事の手間を軽減しつつ、快適な日常が過ごせる機能が満載! 子育て中や共働きで日々忙しくても、家族との時間と空間を大切にしたい人にオススメです。