松浦弥太郎さんは、元『暮らしの手帖』の編集長。現在は編集長をバトンタッチし、ウェブメディア「くらしのきほん」を運営されたり、文筆、翻訳など、幅広くご活躍されています。松浦さんの暮らし方、仕事術はとても丁寧で、「あぁ〜私なんかには真似できないな〜」という遠い存在の方に思えていたのですが、『松浦弥太郎の仕事術』(松浦弥太郎・著/朝日新聞出版・刊)を読んでみるととにかくシンプルなことしか書かれていなくて、驚きました。今回はこの中から明日からでも実践できちゃう3つの「きほん」をお伝えします。
挨拶をしっかりする
挨拶って大人になればなるほど、「しなくてもいっか」なんてなってませんか? 実は私も、出社したら「おはようございます」というのがなんだか照れくさくて、言ったか言わないかわからないくらいの小さな声になっちゃうんですよね。心のどこかで、挨拶しなくてもいいやと思っちゃうのですが、挨拶をすることはどうして大切なのでしょうか?
‘‘あまり知られていない挨拶のもう一つの効能は、先に声をかけた人が、場の雰囲気をコントロールできること。先に挨拶すると、自分のペースがつくれます。‘‘
(『松浦弥太郎の仕事術』より引用)
なるほど!
挨拶を通じて自分のペースを作ることができれば、仕事もスムーズに進められそうですよね。特に仕事を始める「朝」は、気持ちよくスタートさせたいですから、率先してやる価値はありそう! まずは朝の挨拶からはじめてみましょう。
身だしなみを整える
「今日はお客さん先に行かないから、適当な格好でいいや!」なんて時もあるのではないでしょうか?
私もオフィスで作業だけということであれば、普段もゆるいのですが、さらにゆるい格好になります。さすがにジャージとかはありませんが(笑)、首元がゆるい服装や、ダボッと楽ちんな格好を選びがちです。
ジャズの演奏会に行こうと思っていた松浦さんが服装に悩んでいた時に、先輩から言われた言葉があったそうです。
‘‘「きみは、ジャズプレイヤーの演奏を聴きに行くんだろう? それなら、まわりのみんなじゃなく、そのジャズプレイヤーに対して敬意を払う服装で行けばいいんだよ」‘‘
(『松浦弥太郎の仕事術』より引用)
会社の同僚だって働くうえで関わっていく人たちなので、お客さん先に行かないからとだらしない格好をしているようであれば、社内の人には敬意を払っていないということにも捉えられます。
常に仕事をする相手に対して敬意を払う、その意思表示として身だしなみを整える…簡単なことですが、ついつい気を緩めてしまうこともあるでしょう。そんな時は、誰のための身だしなみかを考えてみるとピシッと身が引き締まるかもしれませんよ!
笑顔を忘れない
ちゃんと笑っていますか? ニタニタと笑顔は違いますから、笑っていればいいということではありません。
‘‘何かと向き合うことはエネルギーを交換することですから、コーヒー一杯を飲むにしても、笑顔で「おいしそうだ」と飲むだけで、味は変わると思うのです。‘‘
(『松浦弥太郎の仕事術』より引用)
私も高校生の時に、習い事をしていた先生から「辛い時こそ、笑った方がいいのよ」と言われたことがあります。「あ〜しんどいな」と思った時に意図的に笑顔を作るようにすると、脳が勘違いするのか「あっ楽しいかも!」と何事にもポジティブに取り組むことができるようになったのです。もしかしたら、松浦さんも辛い時こそ笑顔でいることの効果を知っていたのかもしれませんね。
あ〜イヤだイヤだ、と目の前にある辛いことに目をつぶってしまうよりも、笑顔で「なんとかなるだろう」と立ち向かってみる…、案外簡単なことかもしれないですよね♪
「挨拶」「身だしなみ」「笑顔」まるで小学生の授業のようですが、大人になった今だからこそしっかり気をつけていきたいことですね。まずは実践あるのみ! 簡単だと思ったならぜひはじめてみましょう!!
(文:つるたちかこ)
【参考文献】
松浦弥太郎の仕事術
著者:松浦弥太郎
出版社:朝日新聞出版
『暮しの手帖』編集長・松浦弥太郎氏の仕事術の全貌を公開! もともとは中古書店経営や文筆家として活動していた著者が、2006年に『暮しの手帖』編集長に抜擢され、部数を急拡大させていった秘訣とノウハウ、そして仕事の哲学と発想法を珠玉の文章で綴る。
BookBeyondで詳しく見る