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2017/4/13 14:00

円安でも海外旅行をあきらめなくてOK! いま物価もホテル代も交通費も激安ですばらしい「エジプトの観光事情」

昨年末、トランプ政権の誕生をきっかけに円安に突入。「海外旅行は高くつくから今年は国内旅行かな」なんて声も聞こえてくるようになりました。

 

そんななか、どうしても海外旅行を諦めたくない人にとっていま注目すべき国がエジプトです。昨年末、政策により為替相場の制度が固定相場制から変動相場制に変わったことで、エジプト通貨の価値が変更前の半値にまで大暴落。

 

ただでさえ物価の安いエジプトは、いま外国人観光客にとって驚くほど安く観光できる旅行者天国となっているのです。一体どれほど安いのか、いまのエジプトの物価をエジプトグルメの魅力も交えながらご紹介します。

 

あまりの安さに驚愕してしまうエジプト観光事情

エジプトでの観光と聞いて想像するのは「ギザの三大ピラミッド」でしょう。世界遺産の入場料は高くて当たり前ですが、為替安でのおかげで安くなったギザのピラミッドの入場料はなんとひとり496円(80エジプトポンド)。

 

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↑上記の入場料で3大ピラミッドとスフィンクスに近づくことができます。ピラミッドの内部に入るには別途料金がかかります

 

誰もが一度は見てみたいと思う世界遺産をワンコインで観光できるとは驚きです。

 

続いて、首都カイロにある世界で最も有名な博物館のひとつ「エジプト考古学博物館」。こちらの入館料もワンコイン以下の465円(75エジプトポンド)。

 

ツタンカーメン王の仮面や悠久の時を経て今に残るミイラなどエジプトの歴史ロマンを、これほどまでに安く堪能できるのであれば、数回に分けて訪ねてもいいかもしれません。

 

エジプトは砂漠や歴史ロマンだけではありません。東部の紅海沿いの海は世界屈指の透明度を誇るため、ダイビングスポットとしても有名です。

 

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↑岸近くで急に深くなっている紅海沿いでは、ボートを使わないビーチダイビングが主流なのでボート代がかからない分安い料金設定になっています

 

中でも、いま世界一安いダイビングスポットと言われている街・ダハブでは、日本だと1ダイブ1万円もするダイビング代が1ダイブ1000円からと破格の料金になっています。

 

エジプトはいまホテル代や交通費もとにかく安い!

旅行者にとって宿泊するホテル代も気になるところ。しかし安さはピラミッドの入場料に負けていません。カイロ市内にある比較的安めのホテルでは、ダブルルーム1泊1500円(240ポンド)ほど。

 

3000円出せば中級ホテル、1万円あればヒルトンホテルなどの5つ星ホテルに泊まれます。さらに、移動にかかる交通費も驚きの値段です。

 

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↑カイロ市内ではメーターを使わない交渉制のタクシーも走っているため乗る前にメーター制かどうか確認する必要があります

 

カイロ市内の地下鉄はどこまで乗っても6円(1ポンド)、さらにタクシーの初乗り料金は25円(4ポンド)。ここまで安いと、旅の予算を気にすることなく旅行することができます。

 

たった13円から食べられる「エジプトの絶品グルメ」

海外旅行先で何よりも気になる食事も激安です。パンとパスタが主食のエジプト料理は日本人好みの素朴な味付けになっており、豊富な種類の料理を楽しめます。

 

エジプトグルメとして定番なのが、エジプト風サンドイッチです。エジプトではレストラン文化があまり定着しておらず、代わりにサンドイッチなどのファーストフードが浸透していて、どの街角でもサンドイッチ屋が見つかります。

 

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↑ターメイヤ(そら豆のコロッケ)をはじめ、サラダや牛肉など好きな具材を選び「タヒーニ」というゴマペーストのソースがかけられて出てきます。男性だと3つでお腹いっぱいになるサイズです

 

ピタパンというポケット状のパンに好きな具材を詰めてもらうサンドイッチは安い店だとひとつ13円(2ポンド)と腰を抜かしてしまうほどの値段で販売されています。

 

サンドイッチに並び手軽な値段で食べられるのがエジプトの国民食「コシャリ」です。

 

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↑コシャリはライスの上にパスタとマカロニを乗せ、トマトソースとフライドオニオン、揚げクレープをかけた料理

 

ご飯とパスタのモチモチとした食感に、フライドオニオンと揚げクレープのサクサクとした食感が加わり、炭水化物だらけの割には意外とあっさり食べられます。チリソースとお酢で好みの味に調整できます。

 

値段は普通サイズで1杯50円ほど(8ポンド)。サンドイッチやコシャリはテイクアウトができるので食べ歩きに向いています。1店につき50円以下で済むのであれば、気兼ねなく食べ歩きが楽しめます。

 

「せっかく海外旅行に来たのなら、奮発して肉料理をたらふく食べたい!」と思う方もいるかもしれませんが、安心してください。奮発する必要はありません。いまのエジプトは肉好きな男子とっては天国のような場所になっています。

 

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↑エジプトの一般的なコース料理は肉料理(鶏の半身の丸焼きなど)に、パン、スープ、サラダ、ミネストローネ、タヒーニソースがついてきます

 

例えば、上の写真にあるような肉料理のコースはひとり300円(50ポンド)で食べられます。また肉料理では「コフタ」も有名です。

 

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↑コフタ:牛肉や鶏肉のミンチにスパイスを混ぜてつくねのように棒状にして焼いた料理

 

そしてコース料理についてくるエジプト料理の定番「モロヘイヤスープ」も観光客に人気です。

 

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どのコース料理も食べきれないほどの量が出てくるため、格安で食い倒れ体験ができてしまいます。

 

食事の後は水タバコとエジプトコーヒーも楽しむべし!

グルメを堪能した後に、ぜひ立ち寄りたいのがエジプトスタイルのカフェです。エジプトは愛煙家にとっては嬉しい喫煙者大国で、どの店でもエジプト発祥と言われる「水タバコ」が楽しめます。

 

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↑水タバコはイスラム圏で普及している吸い方。アップルやミントなどの香りを付けた煙草を糖蜜で固めたものを炭で燃やし、水をフィルターにして吸い込むもの。普通のタバコ同様ニコチンとタールが含まれています

 

日本だと水タバコは1回1000円以上かかりますが、エジプトではだいたい90円(15ポンド)から注文できます。また「タバコは苦手」という方はカルダモンの入ったエジプトコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか。

 

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↑粉っぽい舌触りが特徴のエジプトコーヒー。トルココーヒーと同様、細かく砕いたコーヒー豆にお湯を入れフィルターを通さずに注いだもの。粉を底に沈殿させた状態で飲みます

 

1杯50円(8ポンド)ほど。カルダモンの香りが鼻に抜ける爽やかな味わいが特徴です。

 

最後に、お酒について。エジプトはイスラム教国家であるため国民のほとんどはお酒を飲みませんが、外国人向けのレストランではビールやワインが飲めます。瓶ビール1杯155円(25ポンド)ほどと、他の物価に比べるとそこまで安くはありませんが、それでも日本と比べると安い方です。

 

酒屋でもお酒を買えますが、イスラム教徒の反感を買わないためにも、決して路上や公園などレストランやホテル以外の公共の場では飲まないようにしましょう。

 

革命アラブの春から6年、いまではシナイ半島内陸部など一部の地域を除きエジプト国内の治安は正常に戻りつつあります。依然としてイスラム国によるテロに注意が必要な地域ではあるものの、トルコなど他のアラブ諸国に比べれば比較的穏やかです。

 

著者がエジプトに滞在した1ヶ月間では特に目立ったテロや事件はなく、日本人を含め多くの外国人が旅行に来ていました。全てが安く楽しめるエジプトを、ぜひ次の海外旅行先として考えてみてはいかがでしょうか。