本・書籍
2017/7/22 14:00

犬の立場になって考えよう! 愛犬のキモチをもっと知る方法

ひとり暮らしの娘と一緒に暮らしているうちの犬(ラブラドール・14歳)は、このところ預けられてばかりだ。

48628911 - naughty dog - lying dog in the middle of mess in the kitchen.

大学の必須カリキュラムで外国へ3ヶ月間の研修に出かけていたときは、犬友だちである2匹のコーギーを飼っている家に預かってもらった。

 

そして研修から戻った娘は、今度は友だちと旅行に出掛けてしまい、現在はネットで見つけたというドッグシッターの元にいる。

 

私が一緒に暮らしていた頃は、せいぜい短時間のお留守番程度で、よそに泊まったことなどなかったが、まぁ、現状ではしかたない。遠くで暮らすお母さんの私は、犬の気持ちをおもんばかる日々なのだ。

 

犬たちの適応性について

しかし、うちの犬はよそのお宅で意外にも図々しく過ごしているらしいことがわかった。コーギーの飼い主が送ってくれた写真を見ると、楽しそうに散歩する様子、そして、なんと自分の脚をコーギーの背中に乗せクッション代わりにスヤスヤと寝ている姿もあり、笑ってしまった。

 

犬は人間に比べると、はるかに適応性があるのかもしれない。

 

娘が高校生だったとき、アルバイトで何匹かの犬を預かったことがある。柴犬、フレンチブル、ミニチュアダックス、チワワなどがわが家にやってきたが、うちの犬とけんかになることもなく、どの犬もよく食べ、よく寝て、よく散歩していた。

 

「フードを食べなくなるかも?」「飼い主が見えない寂しさでなくかも?」という飼い主さんたちの心配をよそに、犬たちは動物好きの娘にすぐに懐いてしまったのだ。

 

うちの子(犬)が心を許すのは私だけ……、と思っているのは飼い主ばかりで、どうやら犬たちには別の気持ちがあるようだ。

 

犬と飼い主の気持ちのすれ違いをなくす

『犬のキモチがわかってハッピー!暮らし新常識 犬との毎日がもっと快適&幸せになるヒントがいっぱい!』(ケーナイン・アンリミテッド・監修/学研パブリッシング・刊)は、喋れない犬たちの本当の気持ちを教えてくれる本だ。

 

<ハウス>、<トイレ>、<お留守番>、<お出かけ>、<ごはんとおやつ>、<散歩と遊び>から<洋服の着せ方>まで、犬の気持ちがわかれば、しつけもうまくいき、また、一緒の暮らしがさらに楽しくなるという。

 

犬の行動には必ず理由があるそうだ。

 

キモチのすれ違いが起こるのは、飼い主さんが「人間の常識で考える理由」と「犬の行動の理由」が一致しないからです。(中略)犬は観察力の鋭い動物です。飼い主さんの自分に対する反応をいつもよく観察しています。そして、その反応と自分の経験を照らし合わせ、自分にとって「好ましい結果になるかどうか」を予測して行動しているのです。

(『犬のキモチがわかってハッピー!暮らし新常識 犬との毎日がもっと快適&幸せになるヒントがいっぱい!』から引用)

 

犬は「ハッピーなこと」を繰り返す

犬には好ましい結果(ハッピー)を繰り返す習性があるそうだ。逆に好ましくない結果(アンハッピー)からは逃れるために同じ行動をしなくなるという。

 

ひとつひとつの行動に対し「これはOK」「これはNO」と言葉で言い聞かせようとしても、それは犬には理解できない。

 

そうではなく、飼い主が望ましい行動にはハッピーな結果を、望ましくない行動にはアンハッピーな結果を用意することで、人間社会のルールに沿った行動を犬が選択できるように導いていくことが肝心だ。

 

たとえば、ごはんのとき飛びついてきたら一旦食器を引き上げてしまえば、犬はアンハッピーな気持ちになり、次は飛びつきをやめようとする。落ち着いてごはんを待てればハッピーになるとわかれば、次からもそれを繰り返すそうだ。

 

ただ飼い主と犬が考えるハッピーが一致しないこともある。犬はイタズラも楽しければハッピーと感じてしまうので、そこは注意したい。

 

愛犬と飼い主の気持ちのすれ違い

犬と飼い主にはそれぞれの言い分がある。たとえば<ハウス>。多くの飼い主さんは「忙しいときはハウスでおとなしくしていてほしい」と思うだろう。しかし、犬のほうは「狭いところに閉じ込められるのは嫌だ」と感じてしまう。このすれ違いがある限り、両者共にアンハッピーになってしまう。

 

飼い主さんがハウスを閉じ込めておく場所として認識しているかぎり、犬のキモチも変わりません。

ハウスは犬が落ち着ける場所、犬の安全を守るためのスペースとして重要です。犬が喜んで入って落ち着いていられるようにしてあげるのは、飼い主さんの役割です。

(『犬のキモチがわかってハッピー!暮らし新常識 犬との毎日がもっと快適&幸せになるヒントがいっぱい!』から引用)

 

本書では犬がハウスを好きになる、とっておきのハウストレーニングを写真解説付きで詳しくレクチャーしている。

 

さらに、<トイレ>、<お留守番>、<お出かけ>では、どんな気持ちのすれ違いが起こり、どう改善したらいいかが、それぞれ紹介されていてとても参考になる。

 

また、犬の立場になって考えればわかる暮らしのコツも満載。愛犬のキモチをもっともっと知りたい人は必見だ。

 

(文:沼口祐子)

 

【参考文献】

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犬のキモチわかってハッピー! 暮らし新常識 犬との毎日がもっと快適&幸せになるヒントがいっぱい!

著者:ケーナイン・アンリミテッド(監修)

出版社:学研プラス

●毎日の暮らしで必要なこと…トイレ、ハウス、お留守番●デイリーケアのサイクル、便利な道具、上手にできるコツ
●トレーニングと遊びのルール●旅行とお出かけのときに知っておきたいこと●困ったときの対処法Q&A

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