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2017/8/3 20:00

自動的に国籍が変わるケースも! 国際結婚してわかった「日本人同士の結婚との相違点」5選

日本の国際結婚は、いまや10人に1人の割合。みなさんのまわりにも、きっと国際結婚のカップルがいるはず!

 

筆者が国際結婚したのは、いまからちょうど4年前のこと。相手はポーランド人ですが、日本人同士の結婚とは大きな相違点があることを実感しています。本稿では、その主な違いを5つご紹介しましょう。

 

【その1】婚姻届に必要な書類が複雑で手間がかかる

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日本人同士の結婚であれば極端な話、思い立ったら今日にでも婚姻届を出すことが可能ですよね。しかし、相手が外国人となるとそうはいきません。

 

国際結婚の場合は片方の国で婚姻届を提出し、もう片方の国では婚姻関係の事実を認めてもらうことになります。さらに、相手が独身であることや、本国で結婚年齢に達していることを証明する「婚姻要件具備証明書」を取得しなければなりません。

 

ちなみに、日本は相手が外国人でも書類さえ揃っていれば婚姻を認めてもらえるので非常に楽です。これがヨーロッパ諸国で婚姻するとなった場合、婚姻手続きの申請をしてから承認されるまで数か月も待ったり、役所の前で誓いを立てたりしなければなりません。

 

【その2】国際結婚したら国籍が変わる可能性がある

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国際結婚をしていると言うと、よく「国籍は変わったんですか?」と聞かれます。結論、国際結婚をしても相手国の国籍に変わることはまずありません。私の場合、日本国籍のままです。

 

例えば、日本に住む日本人男性が外国人女性と結婚しても、その外国人女性は日本国籍にはなりません。継続して3年以上日本に住んでいれば、帰化申請が可能です。それでも、申請をするかしないかは個人の自由。

 

しかし、日本人女性が外国人男性と結婚した場合、相手の国籍によっては自動的に国籍が変わることがあります。一部のイスラム諸国で適用されるルールですが、 さらに結婚前に改宗を求められることも……。日本国籍を持つ者は二重国籍を認められていないため、そのようなケースでは日本人女性は日本国籍を放棄しなければなりません。

 

【その3】国際結婚でのみ夫婦別姓やふたつの苗字を認めてもらえる

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日本人同士の結婚では法律上、夫婦別姓は認められていません。しかし、例外的に国際結婚の場合は夫婦別姓が認められており、相手の苗字と自分の苗字の両方を名乗ることができる場合もあります。

 

後者を複合姓(ダブルネーム)といいますが、こちらは家庭裁判所での複雑な手続きがあり、面接も受けなければなりません。それ相当の理由が必要となるため、複合姓を持つ日本人は少ないでしょう。

 

筆者は外国姓に変えたのみで複合姓ではありません。ちなみに、婚姻届を出した時点で国際結婚夫婦は自動的に夫婦別姓となります。相手の外国姓を名乗りたい場合は「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出すると、苗字を統一することが可能です。

 

【その4】国際結婚夫婦の子どもは二重国籍になる

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「アメリカで子どもを出産すれば、日本人同士の子どもでもアメリカ国籍が取得できる」というのは有名な話。アメリカで生まれた赤ちゃんは、自動的に日本国籍とアメリカ国籍の両方を持つことができるのです。

 

しかし、ふつうはどこの国で出産したとしても日本人同士の子どもは日本国籍でしかありません。国際結婚夫婦の子どもである場合のみ、同時に外国籍が与えられます。これを血統主義といい、アメリカのように両国の国籍に関係なく国籍を与える国は生地主義といいます。

 

なぜ日本国籍保持者なのに二重国籍が認められるのかというと、子どもは自分の意志で国籍を選ぶことはできないから。ただし、これは国籍保留制度というのを利用しているだけであって、当事者は22歳までにどちらかの国籍を選択しなければなりません。

 

【その5】国際結婚したら夫婦でお得な特典を受けられる

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日本に住む国際結婚夫婦の日本人には適用されませんが、外国に住んでいる日本人は日本をお得に旅行することができます。

 

外国人配偶者を持つ日本人や永住権を持つ日本人は、近鉄が乗り放題になる近鉄レールパス、国内線がどこでも均一1万800円となる「ANA Experience JAPAN Fare」ほか、ローカル路線のお得なパスを購入することが可能です。

 

すべての公共交通機関で恩恵を受けられるわけではないものの、訪日外国人限定のお得なパスを日本人も購入できるのは大きなメリットにちがいありません。筆者もこのようなパスを利用して何度もお得な日本旅行を楽しみました。

 

以上、日本人同士の夫婦では知り得ないことを5つ紹介しました。一部はデメリットのように見えるかもしれませんが、これらは国際結婚だからこそ体験できること。筆者は国際結婚をしたからといってハンデを感じたことは一度もありません。