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2016/11/4 15:00

【キリン会社訪問】定番商品を作れば末代まで自慢できる!? 超オープンな「ココニワ」に見た遊び心と自社ブランド愛

ヨシムラヒロムの一階通信 第十四階 キリンホールディングス株式会社

 

連載「一階通信」ではエントランス部分から見える企業の顔を取り上げる。1階にエントランスがない企業も多々あるが、それはご愛嬌。受付や入口があるフロアを総じて「1階」と呼び、エントランスから企業を紐解く。今回は「一番搾り」や「午後の紅茶」でおなじみのキリンホールディングス株式会社を一階通信させてもらった。

 

■万人に開放されたエントランス・通称「ココニワ」

4年前に地元である中野駅北口周辺が大きく変化した。駅周辺も変わったが、最も進化遂げたのは警察学校の跡地にできた中野セントラルパーク。今まで壁に囲われていた土地が開かれ、いつのまにか高級な公園が出来上がっていた。

 

中野セントラルパーク内には大学やフードコート、オフィスビルもある。つい先日、そのオフィスビルに本社を構えるキリンにて開かれたパーティに参加した。一応、こう見えても中野区観光大使なので、時折、中野で開かれるVIPなパーティーにもお呼ばれするのだ。

 

そこで見たキリンのエントランスが素晴らしく「是非、一階通信したい!」と思ったのだ。そこでキリンに取材依頼をし、「OK」をいただく。言ってしまえば、今回の一階通信では中野区観光大使の職権を乱用した、というわけだ。

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しかしながら、キリンのエントランス通称「ココニワ」は素晴らしい。今まで紹介したエントランスは、クローズドな空間であったが「ココニワ」は万人に開放中。ゆえに、スーツ姿の来客とおばさんと孫が同じ空間にいるシュールな光景も目にする。

 

そして今回は、ラッキーなことに「ココニワ」創設メンバー原田さん自らが案内役を買ってくれた。

 

■看板商品を模した特注ソファー

「ココニワ」で、まず目に入るのが巨大な赤いソファー。

 

「さて、これは何をイメージして作られたものでしょうか?」と原田さんから突然のクイズ。

 

少し悩んで答える「ビール瓶の口!」

 

「正解!」

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そう、これはキリンの看板商品でもあるビール、それもビール瓶の口を模して作られた特注品。円周に沿って20人は座れるほどの大きさで、たぶん屋久島の杉の木よりも大きい。見るからにいい値段がする一品だ。「いくらですか?」と聞いたが、企業秘密とのこと。

 

ソファーに座って話をしてると、時折「コポポポ」とビールを注ぐ音が聞こえる。天井を見上げると、そこにあったのは狙った場所に音を伝える指向性スピーカー。天井にはビールの泡をイメージした球体状の照明もある。「ココニワ」は光と音でも楽しませてくれるのだ。

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■大ボリュームのブランドテーブル

続いて紹介していただいたのは、キリングループのブランドを紹介するブランドテーブル。5つのテーブルにはそれぞれビール、ワイン、清涼飲料、ウィスキーなどの商品に関する展示物や、期間限定の特別展示が置かれている。

 

缶切りで開ける昔の缶詰めビール、初代キリンレモン、ぶどうの模型など、ここに書ききれないほどの展示物の数々を堪能。文字による解説も多く、全文読めば半日仕事……というほどのボリュームだ。

 

なかでも季節ごとに変えるという特別展示が面白かった。今回は47都道府県の地域限定販売の「一番搾り」が勢ぞろい。日本地図の上に47個のビールが並ぶ展示は壮観の一言だ。

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ビール缶をセンサー台に置くと、各地のビデオレターの視聴が出来るギミックも最高。例えば、埼玉県のビールを台に置くと、埼玉県のビデオが見られるのだ。

 

「これ作るの大変じゃなかったですか?」と聞くと「大変でした・・・」と原田さん。身を削って作り上げた「ココニワ」なのである。

 

■遊び心あふれる「隠れ○○」

ブランドテーブルの後ろの壁には、創業から現代までキリンの歴史が分かる年表の展示。その壁には赤いドット柄「なにか気づきませんか?」と原田さんから再びのクイズが。赤いドットを凝視するが、何もわからない。「ここ見てください」と原田さんが指差す。

 

「何度も見ました、赤いドットでしょ」と注視すると、すると、すると・・・「キリンのマークじゃないっすか!」

 

大量にある赤いドット、そのなかの3つがキリンのロゴマーク、通称「隠れキリン」である。

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その壁には旬の商品が展示中。新しくなった缶コーヒー「ファイア」を見て「スティービー・ワンダーのCMが印象的でしたよね」と言うと、「後に社長になった当時の担当者が手紙を書き、CMに出てもらえたんですよ」という制作秘話が飛び出した。

 

また、清涼飲料業界では「ファイア」のように定番の商品となる飲料は、1000開発したうちの3つだけと言われているそうだ。つまり333ドリンクの1商品だけなのだ。定番商品を生み出すってことは、末代まで自慢できる快挙なのだと知る。

 

他にも海外展開やマルチビジョン、キリンがオフィシャルパートナーとなっているサッカー日本代表の展示物も。

 

日本代表のサイン入りユニフォームを見ながら「W杯予選ハラハラしますね」と言うと「私としても会社としても突破して欲しいです。従業員みんなで祈っています」と原田さん。

 

「負けられない戦いがここにある」ガンバレニッポン!

 

【キリンホールディングス株式会社の一階通信見どころまとめ】

①ビール瓶の口を模して作られた特注ソファー

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②ブランドテーブル

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③隠れキリン

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