文房具
2017/6/5 19:30

コスパの高さは「テープのり」の14倍! 文房具のプロが厳選したオススメ「液体のり」グッズ3選

最新文房具シーン的なテーマの中で“紙を貼り合わせるのり”の話をすることがあるのだが、ここ数年、テープのり以外の話題が出ることがほぼ皆無だった。なんせ、テープのりは便利だ。乾燥を待つ時間もないし、しばらく放置してても「劣化して使えなくなってる」なんてこともない。

 

持ち歩きに便利な小型タイプも出たりで近年はテープのりの普及がかなり進み、ご家庭や職場なんかでも「最近は液体のりとかスティックのり使わなくなったねー。いつもテープのり使ってるよ」という人は増えたのではないか。

 

……という話をしておいてなんだが、今回はテープのりの紹介記事ではない。その、最近使わなくなった方、すなわち液体のりの話をしよう。なんでいまさらそんなレガシーなのりの話をするかというと、それでもちゃんと液体のりに需要があるからだ。

 

まず、液体のりはコストパフォーマンスの高さがメリットだ。例えば封かん作業の場合、一般的な長3封筒はフラップが105mmなので、テープ長16mのテープのり(定価432円)なら単純作業で152通の封ができて、1通あたり2.8円という計算。対して液体のり(50g/183円)だと、試しに封かんした20通の作業で1.2gが必要だったので、これをスムーズに使い切ったと仮定するとボトル1本で約830通。1通あたりなんと0.2円であるから、圧勝にもほどがある。

↑粘着力・コストともに液体のりは優秀
↑粘着力・コストともに液体のりは優秀

 

もうひとつ大きなポイントとして、液体のりは粘着力が強い。コストパフォーマンスでいうと、スティックのりも相当なものだが、どうしても粘着力が弱くて粘りに欠ける。剥がれると大変困ったことになり、かつ大量にのりを消費する領収書のスクラップなんかは、やはり液体のりがいい。つまり事務方の作業に関しては、現時点ではまだ液体のりがベストアンサーということになるだろう。ということで、そんな液体のりのオススメをいくつか紹介してみよう。

 

あのゴワゴワが消えた! きれいに貼れる液体のり

立て続けに液体のりのメリットばかりを挙げてみたが、もちろんデメリットもある。筆者は、液体のりの「塗ると紙が水分を吸ってゴワゴワのシワシワになる」のが見た目にも非常に悪く、とても嫌いだ。ということで、液体のりを使う必要があるときはだいたい「しわにならないのり」を使うようにしている。

 

フエキ しわにならないのり 216円(※)

名前のとおり「液体のりなのに塗ってもゴワゴワのシワシワにならない」という大変優れたのりである。メーカーの説明によると「のり成分を増やして水分を減らしているので、紙が水を吸いにくくしわにならない」とのこと。

※)学生向けパッケージの『プリントがきれいにはれるのり』も中身は同じものになる。

 

↑比較してみるとはっきりわかるレベルで、しわにならない
↑比較してみるとはっきりわかるレベルで、しわにならない

 

そのかわり……といってはなんだが、従来の液体のりと比較すると、ほんのちょっと乾燥時間が長くかかるように感じた。乾燥時間が必要、というのも液体のりのデメリットのひとつ。そこがわずかでも余分にかかるようでは困るのかもしれないが、そこは「しわにならない」というメリットと比較してどれだけ価値を感じるかによるだろう。

 

強力接着&貼り剥がし可能の2way液体のり

液体のりのメリットである接着力の部分でオススメなのが、トンボ鉛筆『PIT MULTI-2』だ。「事務用の液体のりとしてガンガン使おう!」というには容量も小さくコスパが悪い。ということで今回の液体のりの趣旨からは少しズレているのだが、唯一無二の使いやすさということで紹介したい。

 

20170605-a02 (4)

トンボ鉛筆 PIT MULTI-2 259円

お馴染みの半透明な液体ではなく、木工用ボンドにも似た白いのりで、使い方もちょっと特殊。塗って乾く前に貼れば強力接着、一度乾くまで待ってから貼ると再接着が可能な仮止めのりとして使える2Wayの液体のりなのだ。

 

容器に「強力接着」とあるとおり、紙に普通に塗ってそのまま貼ると確かにかなり強力。紙の梱包パックに厚いものを入れて送りたい場合、封が剥がれないか心配になることがあるが、この接着強度なら安心だ。乾燥時間も比較的早いので、紙工作を作るときなんかは非常に使い勝手が良い。

↑実際のところ、クラフト系のユーザーにはかなり人気が高い

 

また、薄く塗ってしっかり乾くまで待てば、貼って剥がして……という粘着剤的な使い方が可能。これまた、紙工作でパーツの接着位置を確認しながら作るときなどにとても重宝する。紙以外の素材にも利用できるので、例えばジオラマを作るときに小さなフィギュアの足の裏に塗っておけば、何度でもベースに配置し直すことができるのだ。

↑そこそこ粘着力があるので、フィギュアが倒れる心配もあまりない
↑そこそこ粘着力があるので、フィギュアが倒れる心配もほとんどない

 

さらに、塗り口がボトルの上下で細ノズルとシリコン製の広口に分かれているので、使う箇所によって使い分けられるのもポイント。用途が2Wayで塗り口も2Wayなので、製品名的には「2×2Way」が正解かもしれない。

↑塗り口も用途に合わせて2Way仕様
↑塗り口も用途に合わせて2Way仕様

 

のり塗り作業がラクになる! 机を汚さないのり専用下敷き

液体のりを塗るとき、はみ出したのりで机を汚さないように要らない紙を敷いて作業することがある。使い始めは全然問題ないのだが、何度ものりがはみ出すうちに次第に下敷きの紙自体がベタベタしてきて、ちょっと困ったことになるのだ。そこで使って欲しいのが、液体のりを塗る専用の下敷きである。

 

20170605-a02 (8)

ツアーサポート ノリの下敷き 324円

シリコンゴム製で「テープのりがつかない下敷き」というのはこれまでもあったのだが、これは液体のりにも使用可能。どういう理屈なのかとよく見ると、下敷き面は細かい突起がびっしり。液体のりが塗り面からはみ出しても、この細い突起の丸い先端に付着するだけなのでベタベタしない、という寸法だ。

 

「こんな突起面の上でちゃんとのりが塗れるのか?」と思ったが、使ってみれば意外と問題ない。突起自体に適度な硬さがあるので紙が沈み込むこともなく、塗り作業もとてもスムーズだ。

↑突起先端のわずかな部分にしかのりが付着しないので、ベタベタしない
↑突起先端のわずかな部分にしかのりが付着しないので、ベタベタしない

 

なにより、のりがはみ出さないようにちまちま塗る必要がないのは本当にありがたい。これなら大量の封かん作業もズバズバと進められて、大幅時短につながるのではないだろうか。