乗り物
2017/4/27 17:43

【画像多数】最高のポジションを知るなら実は「はだし」が一番! ロードバイク・サドルのセッティング方法

ロードバイクのメンテナンスの基礎知識を伝授するコーナー。今回は、「サドルポジションのセッティング」についてレクチャーしていきます。 サドルはライディングポジションの要。 高さはもちろん、位置、角度も十分に検討し、 自分に合うポジションを見つけましょう。

 

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【使用する工具】

アーレンキー
アーレンキー

 

【サドルの高さのセッティング】

ライディングのベストポジションを探るには、サドルの微調整が極めて重要だ。まずは高さからチェック。どのくらいの高さが目安になるかというと、足が地面につくか、つかないかのぎりぎりの高さが理にかなっている。そこから割り出してサドルの高さを決めるのが一般的だ。

 

調整を行うには、自転車をメンテナンススタンドに立ててまたがり、クランクとシートチューブを一直線にして、ペダルにかかとを乗せる。ここで大事なのが調整は裸足で行う、ということ。これで正確さが増すのだ。ペダルにかかとをかけたら膝をピーンと伸ばしてペダルにやっと届く高さに調整する。シューズを履いたらやや膝が曲がるポジションとなる。初心者にとっては、ちょっと高すぎるのではと心配になるかもしれないが、このくらいが適正位置なのだ。

 

それでは自転車を停止させたときにはどうすればいいのか。ここではサドルから身体をトップチューブに移動させ、足をつく練習をしておく以外にない。

 

もちろん高くすればいいというものではない。高すぎるとペダルを漕いだときお尻が左右に振れ、力が逃げてしまう。また、サドルを高くしすぎてシートピラーがシートチューブに浅く挿入されただけの状態では非常に危険。フレームを傷めることにもなりかねない。それほどの高さが必要となれば、フレームの大きさに問題があると考えていい。このサドルの高さ調整はアーレンキーでシートピンを緩めれば簡単に行える。

 

1.自分に合うライディングポディションが見つけられれば、長距離走行も格段に楽になる。また、サドルの高さを決めるときは裸足で行いたい。足を伸ばしてちょうどペダルにつく高さが理想的だ。

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2.以下の写真は間違った例。膝が曲がっている。サドルが低すぎる証拠だ。

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以下の写真はサドルを上げすぎた間違った例。シートピラーにはリミットラインが書いてある。上げすぎはフレームに亀裂(クラック)が入る原因になる。

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【サドルの向きのチェック】

高さだけでなくてサドルの向きも、乗り心地に大きく影響する。後ろから見てトップチューブに対して真っ直ぐに付いているかをチェックしよう。

 

3.サドルの向きにも注意が必要。少しのズレで乗り心地は大きく変わるので、後ろから見て、トップチューブに対して真っ直ぐ付いているかを確認する。

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4.この状態が理想的。上から見て、トップチューブとサドルの先端が重なっているかを確認したい。

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5.以下の写真は間違った例。サドルが右を向いてしまっている状態。この状態だと、ライディングポディションが右を向いてしまうので、ペダリングに違和感が出る。

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【サドルの前後のセッティング】

さらに、サドルの前後位置を調整する。前すぎるとペダリングは非効率的になり、後ろすぎてハンドルと身体が離れてもいい走りは期待できない。サドルの前後はシートピラーのネジを緩めて、サドルレールに沿って調整する。

 

6.アーレンキーでシートポストのネジを緩めれば、サドルの位置は簡単に調整できる。

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7.加速を重視する場合は前へ出す。ヒルクライムにも向いている。リミットラインに注意。

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8.長距離なら後ろへ。サドル位置は前後輪への体重配分にも影響するため、サドル高も再調整したほうがよい。

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【サドルの高さのセッティング】

最後にサドルの角度だ。前に傾斜させセッティングすると前傾姿勢になるのでペダルの踏み込みは強くなるが、腕に負担がかかることになる。逆に、後ろに傾斜させてセットすると、身体が起きた状態になるので座る位置が一点になり、腰が安定する。しかし、風の抵抗を受けるのでスピードは殺されてしまう。

 

いずれにしても、サドルの傾きが不適切だとお尻や背中に痛みも出てしまう。自分の身体と相談して慎重に決めたい。

 

9.サドルの傾きもライディングポジションを決める大きな要素。これが、傾きのない状態だ。

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10.前に傾斜したセッティング。より深い前傾姿勢がとれ、踏み込みやすくなるが、腕への負担は増える。

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11.後ろに傾斜したセッティッグ。姿勢が高くなるので安定するが、走行速度は落ちる。

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12.サドルが水平かどうか確認するときは、水準器を使うと間違いがない。

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【こちらもチェック】

重いギヤを踏み込むには高めにセッティングを

アウタートップなど、重いギヤを踏み込むには、それだけ力が必要になる。そのため、サドルを高めにセットして力がペダルに無駄なく伝わるようにしたい。重いギヤにするたびに立ち漕ぎをしていたのでは、まるで意味がない。

 

慣れてくると素足でかかとがペダルから離れるくらいのほうが、走行時には力をかけやすい。

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2本ボルトのシートピラーは傾きのセッティングがラク

ボルト1本で固定するタイプのサドルに比べ、2本で固定するものは、サドルを固定するボルトに加え、調整用のボルトがあるので、傾きの微調整が可能。1本で固定するものを使っていて、もっと細かなセッティングが必要だと感じたら2本ボルトに替えてみるといいだろう。

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