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2016/5/8 11:00

何でもスマホ連携で大丈夫?? クルマのキーは昔ながらのタイプに妙な安心感があるという話

先日、ボルボが来年(2017年)から、世界で初めてクルマのキーを全廃するというニュースがあった。ドアの開閉やエンジンのオン、オフなどは、すべてスマートフォンで操作するという。

 

【参考(英語サイト)】

Volvo Cars – the first carmaker to launch a car without a key

 

個人的には、「またか」という思いを抱いた。なんでもスマホに集約すれば、そりゃあ便利にはなるんだろう。しかし、スマホを忘れたり失くしたりしたらどうするのか。あまりにもスマホ依存が強まりすぎて、このままではいつか「スマホが故障したのでもう死にます」という人も現れそうな気がするのだが。

 

このボルボのスマホ型電子キーは、家族や友人、職場の同僚らと共有できるのも大きな特徴だという。クルマを使いたいという人にいつでも電子キーを送信することができるほか、使用回数や使える時間帯も持ち主が自由に設定できるので、第三者に悪用される恐れもないという。

 

本当にそうだろうか。

 

いくらでも送信できて自由に設定できるということは、セキュリティも厳重にしなきゃならないはずだ。やっぱりウイルスソフトは必須なのか。それを毎年更新しなきゃいけないのか。私はパソコンのウイルスソフトの催促が大嫌いなのだが……。とにかくリスクがスマホに集中しすぎるのが気分的によろしくない。

 

スマホ型はともかく、キーの電子化はすでに軽自動車にまで及んでいる。持っていればボタンを押すだけでエンジンがかかるというアレだ。しかし私としては、これもいまひとつな部分がある。

 

というのも、以前トヨタ・アクアのキーを家人が失くしたことがあるからだ。バッグの中に入れておけばいいので入れっぱなしにしていたら、いつのまにかどこかへ行ってしまったという。仕方なくディーラーに複製を頼んだら2万5千円もした。トヨタですら2万5千円も取るとは! これが昔ながらの挿してひねるタイプの「鍵」なら、バッグに入れっぱなしにすることはないし、失くしてももっと安いはずだ。

 

そういえば我が家のフェラーリ(2010年製458イタリア)は、昔ながらの挿してひねるタイプである。ひねると電源がONになるだけで、エンジン始動はボタン式だが、キーの金属部分も出っぱなしで内部に収納できない昔ながらのタイプ。これが妙に安心感がある。

 

が、新型の488GTBは、ついに電子キーになった。キーの形は458に似た盾型だが、金属部分が消えている。センターコンソール前側にはその盾形のキーを固定するくぼみみたいなのもあり、キーがフェラーリのエンブレムとしても機能するようになっていたが、少しGを掛けたら転げ落ちてしまった。このあたりの詰めの甘さに、かろうじてイタリアっぽさが残っていて、個人的には好感が持てた次第である。