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2016/10/12 6:00

【プリウス超え】ホンダの「N-BOX」が激売れする理由は細部にあった

当記事では、ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドによる、深いような浅いようなクルマ談義の模様をお届けします。テーマは、2015年度に最も売れた軽自動車であり、現在も人気をキープし続けるホンダ・N-BOX。その細部の魅力について考えていきます。

 

【対談する人】

MJブロンディ(清水草一)

フェラーリ購入歴20余年10台。日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。変な形のクルマが好き。

 

【今回のテーマ】

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ホンダ

N-BOX

119万8000円~165万9400円

【SPEC(G・Lパッケージ・FF)】

●全長×全幅×全高:3395×1475×1780mm●車両重量:950kg●パワーユニット:658cc直列3気筒エンジン●最高出力:58PS/7300rpm●最大トルク:6.6kg-m/4700rpm●JC08モード燃費:25.6km/ℓ

 

 

MJ「安ドよ。N-BOXはすばらしいな!」

安ド「そんなにすばらしいですか?」

MJ「猛烈にすばらしい。さすが昨年度、日本で2番目に売れたクルマだけのことはある!」

安ド「そんなに売れたんでしたっけ?」

MJ「1位のアクアに次ぐ第2位だ。軽自動車のなかではトップ。デビューからすでに4年以上経ているのに、すごいではないか!」

安ド「そう言われれば……」

MJ「なによりもすばらしいのは、このデザインだ!」

安ド「そんなにいいですか?」

MJ「これこそ機能美の極致だ!」

安ド「ただの箱に見えますが」

MJ「ただの箱のようでいて、決してただの箱ではない。たとえばフロントフェンダーのふくらみが前に大きく回り込んでいるだろう」

安ド「そう言われれば……」

MJ「これが強い踏ん張り感を生んでいるのだ」

安ド「そう言われれば……」

MJ「真っ平に見える部分も、よく見れば微妙な曲面。ただの箱ではなく自動車なのだ!」

安ド「ただ、今回の撮影車はボディカラーが白なので、ものすごく営業車っぽく見えるんですが」

MJ「その通り!」

安ド「ガクー! それはいいんでしょうか?」

MJ「こういう箱型車の場合、それは宿命だな。自家用に買うなら白やシルバーは避けるべし!」

安ド「了解です!」

MJ「私が今回N-BOXを指名したのは、もうひとつ理由がある」

安ド「なんでしょう?」

MJ「マイナーチェンジで、ノンターボエンジンが改良されたのだ。登場時のノンターボエンジンはトルクがなく、エンジンをブチ回さないと前に進まなかった。それがどの程度改善されたのかを、ぜひ見たかったのだ!」

安ド「え、これで改善されているんですか?」

MJ「されている。大いにされている。これならおおむねストレスなく走れる。ついにN-BOXは真の国民車になった!」

安ド「僕には全然遅く感じましたが……」

MJ「前はもっとはるかに遅かったのだ! ターボがついてないとどうにもならなかった」

安ド「これでも、前よりは良くなったんですね?」

MJ「もちろんだ。販売台数の8割はノンターボだから、これは極めて重要なポイントだ」

安ド「ところで、エンジンが改良されたのっていつだったんでしょう」

MJ「2年半前だ」

安ド「2年半も前ですか!?」

MJ「うむ」

安ド「自動車評論家としては、ちょっと試すのが遅いのでは……」

MJ「いつの間にか2年半経ってしまった。光陰矢の如し」

安ド「でもまだ軽ナンバーワンなんですね?」

MJ「うむ」

 

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加速時はノンターボらしからぬ力強さを発揮

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エンジン【えんじん】

ノンターボでも強力なトルク(力強さ)が感じられる、すごい技術を持ったエンジンです。減速中からエンジンをストップするアイドリングストップシステムも付いています。

 

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高級感を格段にアップさせるヒジかけ

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フロントシートアームレスト【ふろんとしいとああむれすと】

ポケット付きのアームレストが標準装備されています。使わない時はしまっておけるので、車内を狭く感じることもないでしょう。これがあるだけでだいぶ高級感が増します。

 

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踏ん張り感を演出するタイヤ周辺の形状

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フロントフェンダー【ふろんとふぇんだあ】

ギラギラ仕様の「N-BOXカスタム」より、このスタンダードな「N-BOX」のほうがデザインがステキ。特にこのフェンダーあたりの弧を描くラインは、踏ん張り感があって秀逸です。

 

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本来見えない部分を合わせ鏡で見えるように

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サイドビューサポートミラー【さいどびゅうさぽおとみらあ】

助手席側のAピラー(窓間の柱)内側には鏡がふたつ付いていますが、これは左前輪の死角を見るためのもの。左ドアミラー表面にあるミラーと合わせ鏡になっています。

 

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死角を減らすミラーが車両のすぐ後ろをカバー

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後方視覚支援ミラー【こうほうしかくしえんみらあ】

リアウィンドウ内側にも大型の曲面ミラーが搭載されていますが、やはりこれもドライバーの死角を減らしてくれるアイテム。箱型のクルマは車両後方が見づらいですからね。

 

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室内スペースを広く感じる理由のひとつ

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バックミラー【ばっくみらあ】

通常のクルマと比べて、ミラーの取り付け部からフロントガラスまでの距離がだいぶあります。極力ガラスを前方へ配置して、室内の広々感を演出していることがわかります。

 

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眩しすぎる太陽の光をシャットアウト

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ロールサンシェイド【ろおるさんしぇいど】

サンシェイドといえば高級車の定番装備ですが、N-BOXでは廉価グレードを除き標準装備となっていて、まぶしさをやわらげてくれます。そもそもウィンドウ面積がデカ過ぎるせいではありますが。

 

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まるで高級車のような贅沢感溢れるミラー

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ウインカー付きサイドミラー【ういんかあつきさいどみらあ】

高級車の専売特許だったドアミラーウインカーが、ここ数年で大衆車にも搭載されるようになりました。そしてその流れが軽自動車にも。これだけ見るとまるでベンツのようです。

 

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いざという時に使えて便利な収納式テーブル

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シートバックテーブル【しいとばっくてえぶる】

折りたたみ式の簡易テーブルです。食事をしたり、ノートPCが置けたりして、大変便利に使えます。ただし、走行中に使用すると危険な場合もあるのでやめましょう。

 

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アレンジを極めて快適な座り心地を演出

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リアシート【りあしいと】

頭上空間や足元スペースが広いのもさることながら、軽とは思えないほどアレンジが充実。まず、座面のはね上げが可能で、背の高い荷物でも積載できます。さらに、左右独立式シートのため19㎝もの前後スライドが可能です。そのうえ、すこしだけリクライニングもするので、大人でも十分快適に過ごすことができます。