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2017/1/17 21:20

191cmのIWGP王者、座席パツパツな‟軽のスポーツカー”に意外な反応! オカダ・カズチカ、ホンダS660が「超楽しい」理由とは?

GetNavi web×新日本プロレス コラボ連載

Kazuchika Okada VS HONDA S660

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2017年1月4日の東京ドーム大会では、死闘の末にケニー・オメガ選手を下し、見事新日本プロレスのIWGPヘビー級王座を防衛したオカダ・カズチカ選手。そんなオカダ選手の「趣味のためのクルマ」を探すのが本企画。今回は、またたく間にコンパクト・スポーツカーの代名詞となった「ホンダS660」に試乗します! ホンダS660はオカダ選手の愛車であるフェラーリ488をスケールダウンしたような超コンパクトな和製スポーツカー。果たして、ヘビー級の肉体をS660のコックピットに納めることはできるのでしょうか?

 

PROFILE

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オカダ・カズチカ

愛知県安城市出身、1987年11月8日生まれ。新日本プロレス所属。身長191cm、体重107kg。「レインメーカー」の異名を持つ現IWGPヘビー級チャンピオン。華麗なるドロップキックを得意とし、フィニッシュホールドとしてレインメーカーを持つ。趣味はルアーフィッシングで、クルマ好きとしても知られている。

オカダ選手のTwitterはコチラ

 

ミッドシップを軽自動車で実現させたのはさすが

――今回は、オカダさんが気になっていた「S660」をお試し頂きます。見た目の印象はいかがですか?

 

オカダ カッコイイですね。日本を代表するホンダのスポーツカー、NSXのコンパクト版という感じがします。でも、思っていたよりも……小さいですね。1/1プラモみたいで楽しそうですね。ところで、このS660ってミッドシップ(※)なんですよね?

※エンジンを車体中央に置くタイプのこと。一番重いエンジンを中心部に置くことで、旋廻性能や運動性能を高めています

 

――正解です。オカダさんの愛車フェラーリ488とレイアウトはまったく同じで、エンジンを座席の後ろに搭載した正統派スポーツカーの流れを汲んでいます。運転する人間とエンジンをボディの中心に置けば、重心が中心に来るためちょうどコマのような形になって旋廻能力が高まります。

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オカダ でも、それを軽自動車で作っちゃうって驚きです。コストもかかるでしょうし、他のモデルと互換性も少なくなりますよね。さすがはホンダ……恐るべし!

 

――基本的にS660は唯一無二の存在です。まさにホンダだから生まれた日本の魂ですね。スタイリングもシャープで、フロントのデザインには最近のホンダ色がビシビシと感じられるし、サイドのキャラクターラインもシャープ。自動車ファンからの評価も高いです。

 

オカダ テールも切れ上がっていてカッコイイです。小さなNSXという印象も手伝って、ドライバーをワクワクさせてくれますね。こんな日本車は珍しいと思いますよ。

 

――高評価ですね。こちらは世界的にも注目を集めているのですが、軽自動車の輸出はとてもハードルが高いんですよ。特にアメリカではマニアが欲しがっていると聞きますが……。でも、ヨーロッパではボディサイズを拡大して、エンジンを800ccにスケールアップして販売するというウワサもあるみたいですよ。あくまでもウワサですが、それくらい国際的にも人気のあるクルマなんです。

 

オカダ なるほど。でもこのクルマ、実際にどのくらいの大きさなんですか? 街中を走っている軽自動車と変わらないってことでしょうか?

 

――S660のボディサイズは全長が3395㎜、全幅が1475㎜、全高が1180㎜。全長と全幅はほぼ軽自動車サイズの枠ギリギリですね。車高に関してはスポーツカーなので規定の2000㎜よりは低くなっています。もちろんエンジンは660cc以下と決まっているので、S660は658ccの排気量を持つエンジンを搭載しています。

 

オカダ 排気量だけでなくボディサイズもキッチリと決まっているなんて、軽自動車って規制が厳しいんですね。でも、その規制のなかでミッドシップのオープンスポーツを作るホンダの情熱は凄いです。それに、純粋な国内仕様が楽しめるわけですから、日本人は恵まれていますよね。

 

「乗る」よりは「着る」感覚――いままで気がつかなかった景色も見える!

――では、そろそろ試乗に行きましょう! 今回の試乗コースは渋谷から246を通って青山、神宮外苑を経由して原宿、表参道をグルグルと回ってみませんか?

 

オカダ 「ザ・東京」というコースですね(笑)。でも楽しそうです!

 

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――ところで、オカダさん……乗れますか?

 

オカダ ……セーフです! でも、屋根を着けたままだと天井までの距離がギリギリなので、オープンにしてください! どうですか? ジャイアント馬場さんの都市伝説のように、クルマの上から頭が出ていませんか?(笑)

 

――なんとか大丈夫です!(笑)

 

オカダ ところで、外した屋根はどこに収納するんですか?

 

――トップはボンネットを開けて専用の収納ボックスに入れればOKです。この収納ボックスはトランクとしては期待できず、屋根を入れたらほかには何も入りません。

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オカダ 普段の生活での荷物って意外と少ないんですよね。お財布とケータイで十分というときも多いですから。

 

――確かに。ミニバンに乗って、スペースがもったいないと思うときも多いですからね。では、試乗に行きましょう!

 

オカダ 運転してみると、やっぱり狭いですね……。シートに座るというよりも「S660を着る」という感じ。身体が室内にジャストフィットですよ(笑)。でも、このタイトさは嫌いじゃないです。逆にワクワク感が高まりますね! ちなみに、今回のモデルはAT(オートマ)仕様ですが、MT(マニュアル)もあるんですよね?

 

――ラインナップには6速のMTも用意されています。やっぱり「走り=MT」ってイメージはあるみたいですね。ただ、最近のATは賢いので、運転が上手くない人ならATのほうが速く走れるケースが多いです。では、実際に走ってみて印象はいかがですか?

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オカダ もっと非力かと思っていましたが、想像以上にヒュンヒュンと走るので驚きました。加速も悪くないですし、都内の道を走るには最適ですね。回転の速さやレスポンスの鋭いところは「バイクメーカーのエンジンだな」という感じがします。ハンドルの反応もいいし、サスペンションもしなやかで気持ちイイです!

 

――オープンの感覚はどうですか?

 

オカダ やっぱり、気持ちいいですね。もっと風を巻き込むのかと思っていましたが、快適。あと、屋根を開けていると、いままで気がつかなかった景色が見えてくるんですね。いつも通っている道でも、ビルの上のほうまで見えるから、空とビルのコントラストが楽しめます。まるで、知らない道を走っているような、新鮮な感覚ですね。

 

――では、原宿から表参道方面を通ってみましょう。

 

オカダ うわっ、僕たちすごく目立ってませんか?  でも、表参道ってこんなにキレイな景色だったなんて、いままで気がつかなかったです……。並木道も美しいし、ビルの迫力もすごいですね。冬のオープンカーって本当に楽しい!

 

キビキビ動いてストレスがない! この「操る楽しさ」はヤミツキになる

――都内を走ってみた感想はいかがでしたか? まずは操作感から。

 

オカダ ライトウエイトな感覚は、ほかのクルマでは味わえない独特な楽しさですね。アクセルを踏むと自分が予想した通りにクルマが走り、ハンドルを切ると自分のお尻を中心にしてクルマが機敏に向きを変えてくれます。あと、ハイパワーのスポーツカーだと、アクセルを少ししか踏めないから“宝の持ち腐れ”でストレスを感じますが、このクルマにはそれがありません。キビキビと車線変更をして、流れに乗ってスムーズに走るには最適なクルマなのかもしれませんね。

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――このクルマをプロレスに例えるとしたらどうなりますか?

 

オカダ 小さな選手がキレのある空中殺法を繰り出すメキシコの「ルチャリブレ」でしょうか。見ているほうも、闘っているほうもスピード感が楽しめます。パワーよりも回転力で勝負する心地よさがありますね。

 

――セカンドカーとして、S660はどうですか?

 

オカダ 楽しいかもしれませんね。でも、同じスポーツカーのフェラーリ488と2台持ちするのは、ちょっと……(笑)。逆に、ファーストカーが大型のSUVやセダンなら最高の遊び道具になると思います。サイズが小さいので、簡単な買い物や打ち合わせなら気軽に使えますし、週末に郊外のワインディングを元気に走るのも面白そうです。最近、「クルマが楽しくない」という人も多いですが、そんな人こそS660の「操る楽しさ」体験してほしいです。絶対ヤミツキになるはずですから。

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最初は乗れるかどうかすら定かでなかったS660ですが、予想以上にオカダ選手は満足した様子。クルマの楽しさを再認識してもらえたのが、何よりの収穫でした。さて、次回はオカダ・カズチカ選手のマネージャーを務める外道選手にご登場頂き、自慢のヒゲについて語っていただきます。お楽しみに!

 

<SPEC>

HONDA S660(ホンダ S660)

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全長×全幅×全高:3395×1475×1180㎜ ホイールベース:2285㎜ 車両重量:850kg 駆動方式:MR エンジン:直列3気筒DOHC12バルブ 総排気量:658cc 最高出力:64PS/6000rpm 最大トルク:10.6kg-m/2600rpm トランスミッション:CVT(7スピードモード付) JC08モード燃費:24.2km/L 車両本体価格:198万円~226万6400円

 

撮影/和田清志