ファッション
2017/10/19 11:00

【腕時計の“べからず”集】ついやりがち!? リューズの高速回転は部品が摩耗する原因に

大切な腕時計を末永く大切に使っていくためには、購入時やメンテナンス・ケアなど、シーンに応じた正しい知識が必要。しかし、腕時計ビギナーの方たちはよく知らないまま自己流で行ってしまい、失敗するというケースが多々あります。時計に大きなダメージを与えないためにも、基礎的な注意事項はここでしっかりと覚えておきましょう。

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リューズは1回転を1秒以内のスピードで回すべからず!

よく時計のリューズを猛回転させてゼンマイを巻くという方がいますが、これは危険なので要注意です。機械式時計はリューズを回すと軸が回転。その回転が各種歯車へと伝達されゼンマイを巻き上げる構造になっていますが、あまり早く回転させると内部の歯車機構も猛回転。過度な摩擦が生まれ、摩耗や損傷の危険性もあります。時計にとって最適なスピードは「1秒間に1回転」が無理のない安全な速度なので、リューズを回す際は、この速度を目安にゆっくり回すよう心掛けましょう。

↑ピンセットの先に見えるのが丸穴車。リューズの回転が最終的にこの歯車を回し、その下にある香箱車内のゼンマイを巻き上げる構造になっている
↑ピンセットの先に見えるのが丸穴車。リューズの回転が最終的にこの歯車を回し、その下にある香箱車内のゼンマイを巻き上げる構造になっている

 

自動巻きの時計は振ってローターを回すべからず!

止まった自動巻き時計を動かし始める際には、「時計を振ってローターを動かそうとしない」というのも重要なポイント。ローターは大きく重量のある部品ですが、その軸は実は繊細な部品。時計を上下に激しく動かすと、その軸やベアリング部品に歪みや曲がりが生じてしまう危険性もあります。もしそれらが歪めば、ローターが水平に正しく回転せず、いびつに回転。ローターや機械の損傷などトラブルにも発展するので、使い始めは時計を振るのではなく手でゼンマイを巻く、を鉄則に!

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↑ローター中央に設置された軸部品の直径は1mm程度と繊細なので乱雑な動きに要注意

 

クオーツ時計はリューズを使わないままにするべからず!

ゼンマイの巻き上げや時刻調整など、頻繁にリューズを操作する機械式と異なり、クオーツの場合はリューズに触れる機会も少なくなりがち。でも、時計のリューズ周りというのは、使っていれば自然と皮脂や汚れなどが溜まるものです。そのまま放置すれば汚れが凝固して、作動不良やサビ、腐食を招くこともあるので要注意。週に1回程度はリューズを空回りさせ、1か月に一度程度はブラッシングケアを行なえば、それらのトラブルも未然に防止できるので面倒がらずに厳守しましょう。

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オーバーホール時期を過ぎてから時計を使うべからず!

オーバーホールに関してメーカーが「○年に一度」と期間を推奨しているのは、機械に塗られた専用油の耐用期限が「おおむねその期間」だから。それを過ぎると重力の影響で油が剥落したり、金属カスなどが溜まってスムーズに潤滑しなくなり、部品同士の抵抗も増大。機械に徐々にストレスが加わり、作動不良や部品の磨耗、欠損などのトラブルに発展することもあります。期間経過後も「まだ動くから」と使い続けると、トラブルリスクがさらに高まるので使用は危険です。

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時計は繊細なので、リューズの回転速度にしても無理のかかる動きは禁物。メンテナンスなどもついつい怠りがちですが、ツケが回ってくる前に日頃からケアをしてトラブルを予防するようにしましょう。