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2017/7/16 18:00

あのAIWAが復活! そういえば昔は“セカンドメーカー”って結構あったよね

AIWAブランドが復活すると聞いて思い出したのは、「取材用のレコーダーをMDに変える前まで、AIWAのコンパクトレコーダーを愛用していたなあ」ということ。薄くてフラットなデザインの真っ黒なカセットレコーダーは、ライターを始めた数年後、まだ20代前半の頃に購入して、ずっと使い続け、30歳を過ぎた頃に一度壊れたのだけど、AIWAの営業所が近くにあることを知って、ぼつぼつと歩いて修理に持って行ったことなんかも一緒に思い出した。

 

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そのレコーダーは、ほぼ同じデザインと機能のものがソニーからも出ていて、というか、元はAIWAのOEMで、しかし、価格は1万円くらいAIWA製が安くて、ほんの少しデザインがソニー製の方がカッコよかったのだけど、その魅力であるフラットで薄い形は同じだったから、迷わずAIWA製を選んだのだった。それが10年以上使えたのだ。既にソニータイマーという言葉は生まれていたので、もしかしたらAIWA製を選んだからこそ、それだけの時間持ったのかも知れないし。その後、買い替えたMDレコーダーは、2年くらいで壊れて、また買い直してを繰り返すことになったわけで、カセットレコーダーというのもの自体が頑丈だったのかも知れないが。

 

■消えた「セカンドメーカー」

それで思い出したのだけど、昔は、AIWAのような、トップメーカーと同等の性能を持ちつつ、ちょっとだけデザインなどに難がありつつ、ちょっと安いという、言わばセカンドメーカーといった位置付けのメーカーが沢山あったのだ。それはオーディオ機器に限らず、電化製品、文房具なども同様で、見方によってはトップメーカーよりも優秀なところもあって、根強いファンがいたりした記憶があるのだ。その差は、会社そのものの資本力と宣伝力だけだったのかも知れないが、それは、選択肢として、特に学生や若い連中にとって、とても助かる存在だった。エレキギターで言えば、フェンダーに対するトーカイであり、ギブソンに対するグレコのようなもの(余計に分かりにくいか)。

 

今の、高いか、極端に安いか、という二択ではなく。とても高いか、ちょっと高いかの二択。特に、オーディオ機器や電化製品の場合、凄く安いというものもあまり無かった時代ではあったわけで、オーディオセットを持っているというのは、極端なお金持ちで、廉価版として登場したコンパクトオーディオだって、高校生がお年玉を貯めたくらいでは手が出なかったのだから、良い音で聴くなんてことは、本当に一部の人の物だった時代だ。

 

■AIWAブランドの復活に期待するもの

だから、AIWAだって、決して安くはなかった。相対的には安いけれど、高級品であることには変わりがない。日本で初めて「ラジカセ」を作ったのは伊達ではないのだ。だから、復活するAIWAブランドは、出来れば安いメーカーではない、しかし高すぎない、という、本当に、今ではあまり見られなくなったポジションを目指してもらいたいと個人的には思う。まあ、そういうメーカーが消えて、高いか安いかの二極分化の時代になってしまったのには、それなりの必然性があるし、ソニー買収後、ブランドが消えてしまっていたのも、そのポジションそのものが日本から消えてしまったからだというのは分かっている。

 

それでも、今、9年ぶりにAIWAというブランドを引っ張り出したのならば、十和田オーディオさんには、トップを脅かすセカンドメーカーという位置も復活させて欲しいと思うのだ。どのみち、オーディオ機器というのは高級な物なのだ。良い音を目指せば場所を取るし、大きな音で鳴らさなければつまらないから。それでも一人暮らしの学生が、少しでも良い音を聴きたいと思った時に手が出せるギリギリの製品としてのAIWAが復活するなら、それは、レコードの人気と合わせて、何だか嬉しいことだと思うのだ。

 

【著者プロフィール】

納富廉邦

フリーライター。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方などを得意とし、「おとなのOFF」「日経トレンディ」「MONOマガジン」「夕刊フジ」「ココカラ」などの雑誌をはじめ、書籍、ネットなど、さまざまな媒体で、文具などのグッズ選びや、いまおすすめのモノについて執筆。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方をお伝えします。