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2018/2/26 21:12

【保存版】パナソニックのミラーレス一眼「LUMIX(ルミックス)」をイチから解説! 初級機/中級機/上級機の違いは? 独自機能は?

パナソニックは、2008年に世界初のミラーレスカメラを発売したメーカーだ。以来、数多く製品を発売し、現在では上級機から初級機まで豊富なラインナップを誇る。特徴は、現行のほとんどの製品が4K撮影に対応するなど、静止画に加えて動画を重視していること。レンズマウントにマイクロフォーサーズマウントを採用し、レンズの種類が非常に豊富な点にも注目だ。ここでは、そうしたパナソニックのミラーレス一眼を代表機種を上級、中級、初級にわけて紹介。それらの特徴について解説する。

 

【上級機】プロの愛用者も多い、動画に強い高機能機

最上位GHシリーズ「LUMIX GH5」は、クロップなしで撮影できる4K/60pの動画撮影機能や、4:2:2 10bitの4K記録、6Kフォト対応など、他社がまだ実現できていない本機独自の魅力を多数有する。手ブレ補正にはボディ側とレンズ側が連動するDual I.S.2を採用。このほか、GH5には画素数をあえて下げて、高感度撮影能力を強化した派生モデル「LUMIX GH5S」も用意されている。

↑●撮像素子:4/3型、有効約2033万画素LiveMOS センサー ● 背面モニター:3.2 型約162 万ドット、バリアングル式タッチパネル ●シャッター速度:1/8000 ~ 60秒、バルブ ●サイズ:138.5×98.1×87.4㎜ ●質量:約725g ●参考価格/21万7300円(ボディ)
●撮像素子:4/3型、有効約2033万画素LiveMOS センサー ● 背面モニター:3.2 型約162 万ドット、バリアングル式タッチパネル ●シャッター速度:1/8000 ~ 60秒、バルブ ●サイズ:138.5×98.1×87.4㎜ ●質量:約725g ●実売価格/24万560円(ボディ)

 

↑防塵防滴に加え、耐低温性を備えたマグネシウムボディ。サイズと重量は一眼レフ並に大きくて重め。グリップは深く、ホールド性は良好だ

防塵防滴に加え、耐低温性を備えたマグネシウムボディ。サイズと重量は一眼レフ並に大きくて重め。グリップは深く、ホールド性は良好だ。

 

↑同社では最多となる有効2033万画素の4/3型Live MOSセンサーを搭載。高速読み出しにより、ローリングシャッター現象を抑えている

同社では最多となる有効2033万画素の4/3型Live MOSセンサーを搭載。高速読み出しにより、ローリングシャッター現象を抑えている。

 

↑ボタン類が多く、多機能を素早く操作可能。右手親指の部分には、測距点を動かせるジョイスティックやフォーカスモードレバーがある

ボタン類が多く、多機能を素早く操作可能。右手親指の部分には、測距点を動かせるジョイスティックやフォーカスモードレバーがある。

 

【こちらもおすすめ】①静止画フラッグシップ機「LUMIX G9 PRO」

↑動画に特化した印象のあるGH5に対し、静止画のフラッグシップとなるのが「ルミックスG9 PRO」。AF追従での20コマ/秒連写や「6K PHOTO」、約6.5段分のボディ内手ブレ補正など静止画に求められる最新の機能を装備する

動画に特化した印象のあるGH5に対し、静止画のフラッグシップとなるのが「LUMIX G9 PRO」。AF追従での20コマ/秒連写や「6K PHOTO」、約6.5段分のボディ内手ブレ補正など、静止画に求められる最新の機能を装備する。実売価格は22万6670円(ボディ)。

 

【こちらもおすすめ】②高感度撮影モデル「LUMIX GH5S」

 

↑画素数を有効1028万画素に抑えるなどにより、ルミックス史上最高の高感度性能を実現。常用感度で最高ISO51200、感度拡張でISO204800(静止画、動画共)を達成している。加えて、CINEMA 4K撮影に対応するなど、動画撮影で特に威力を発揮する

画素数を有効1028万画素に抑えるなどにより、LUMIX史上最高の高感度性能を実現。常用感度で最高ISO51200、感度拡張でISO204800(静止画、動画ともに)を達成している。加えて、CINEMA 4K撮影に対応するなど、動画撮影で特に威力を発揮する。実売価格は32万3870円(ボディ)。

 

【中級機】機能と携帯性、高速性のバランスが抜群!

3月15日に発売される同社の中級機最新モデル「LUMIX GX7 Mark III」は、46.8㎜の薄型ボディに約4段分の効果のあるDual I.S.やチルト式モニターとチルト式EVFなどを装備した有効2030万画素機。Dual I.S.は、兄弟機のGX8では実現できていなかった、動画撮影時にも有効で写真も動画もブレなく楽しめる。フォーカスモードレバーや露出補正ダイヤルが新設されるなど、操作性も向上している。4Kフォトに対応するほか、メカシャッターでの約9コマ/秒の連写も可能だ。

↑●撮像素子:4/3型、有効約2030万画素LiveMOSセンサー ●背面モニター:3型約124万ドット、チルト式タッチパネル ●シャッター速度:1/4000~60秒(電子シャッター使用時は1/16000~1秒)、バルブ ●サイズ:124×72.1×46.8㎜ ●質量:約450g ●発売/2018年3月15日予定 ●参考価格/10万7870円(ボディ)
●撮像素子:4/3型、有効約2030万画素LiveMOSセンサー ●背面モニター:3型約124万ドット、チルト式タッチパネル ●シャッター速度:1/4000~60秒(電子シャッター使用時は1/16000~1秒)、バルブ ●サイズ:124×72.1×46.8㎜ ●質量:約450g ●発売/2018年3月15日予定 ●実売価格/10万7870円(ボディ)

 

↑3型の124万ドットチルト可動液晶モニターを搭載。静電容量式のタッチパネルに対応し、AF測距点の選択やコマ送りがスムーズに行える。EVFもチルト式でローポジション撮影などに対応しやすい

3型の124万ドットチルト可動液晶モニターを搭載。静電容量式のタッチパネルに対応し、AF測距点の選択やコマ送りがスムーズに行える。EVFもチルト式でローポジション撮影などに対応しやすい。

 

【こちらもおすすめ】約2030万画素の兄弟機「LUMIX GX8」

↑GX7マークIIの兄弟機といえるルミックスGX8。バリアングル背面モニターやDual I.S.を備えた2030万画素機だ

GX7 Mark IIIの兄弟機といえるLUMIX GX8。バリアングル背面モニターやDual I.S.を備えた2030万画素機だ。

 

↑GX8は、チルト可動式のLCDファインダーを搭載。液晶はバリアングル式で、カメラの縦横を問わず自由なアングルで撮影しやすい

GX8も、チルト式のLCDファインダーを搭載。液晶はバリアングル式で、カメラの縦横を問わず自由なアングルで撮影しやすい仕様だ。

 

【初級機】チルト液晶や4K動画対応の薄型軽量機

同社の入門機は「LUMIX GF10/GF90」。奥行き33.3㎜、重量270gの薄型軽量ボディながら、チルト可動液晶や4Kフォト機能を搭載した入門機。EVFは非搭載だが、ローパスフィルターレスの1600万画素 Live MOSセンサーの採用などにより高画質&高速AFを実現した。チルト可動式の液晶モニターを跳ね上げることで、セルフィー撮影が行いやすく、新機能の「夜景&自分撮りモード」の搭載により、夜景を背景にしたセルフィー撮影も失敗なく撮れる。

↑●撮像素子:4/3型、有効約1600万画素LiveMOSセンサー ●背面モニター:3型約104万ドット、チルト式タッチパネル ●シャッター速度:1/16000~60秒、バルブ ●サイズ:106.5×64.6×33.3㎜ ●質量:約270g ●参考価格/9万7070円(ダブルレンズキット)
●撮像素子:4/3型、有効約1600万画素LiveMOSセンサー ●背面モニター:3型約104万ドット、チルト式タッチパネル ●シャッター速度:1/16000~60秒、バルブ ●サイズ:106.5×64.6×33.3㎜ ●質量:約270g ●実売価格/9万7070円(ダブルレンズキット)

 

↑チルト可動式の液晶モニターを跳ね上げることでセルフィーが容易に撮れる。ボディ正面向かって右側上面にファンクションボタンを配置し、このボタンにシャッターボタン機能を割り当てることで、右手でのセルフィー撮影が行える

チルト可動式の液晶モニターを跳ね上げることでセルフィーが容易に撮れる。ボディ正面向かって右側上面にファンクションボタンが配置され、このボタンにシャッターボタン機能を割り当てることで、右手でのセルフィー撮影が行える。

 

【パナソニック一眼の5つの特徴】最先端技術満載で動画・静止画ともに強い

高精細な動画から静止画を切り出せる4K/6Kフォトは、LUMIX(ルミックス)シリーズの目玉ともいえる機能。事実上、プロ向け一眼レフに勝る30~60コマ/秒の超高速連写ができる。AFについては、独自の空間認識技術によって、コントラスト検出方式ながらストレスのない速度を実現。手ブレ補正は、初期はレンズ側補正だったが、最近はボディ側補正に対応した製品が増加中だ。

 

【特徴1】4K⁄ 6Kフォト

4Kまたは6Kサイズで動画を撮影したうえで、あとからその動画を再生し、好きなコマを静止画として保存できる機能。画素数は制限されるが、30~60コマ/秒の高速連写を行っているのと同じであり、動体の決定的瞬間を捉えられる。

↑GX7マークⅢは、ボディ背面にある十字キーの下ボタンで「4Kフォトモード」を素早く呼び出せる
↑GX7 Mark IIIは、ボディ背面にある十字キーの下ボタンで「4Kフォトモード」を素早く呼び出せる

 

↑4Kフォトモードは、シャッターボタンを押している間連写する4K連写、1度押すと連写開始、次に押すと終了する4K連写(S/S)、押した前後が記録される4Kプリ連写の3つが選べる
↑4Kフォトモードは、シャッターボタンを押している間連写する4K連写、1度押すと連写開始、次に押すと終了する4K連写(S/S)、押した前後が記録される4Kプリ連写の3つが選べる

 

↑飛び立つ瞬間を6Kフォトで撮影し、大きく翼を広げた1コマを採用。1800万画素相当の画素数があるので、細部までシャープに描写できている。24mm相当 シャッター優先オート(F4 1/2000秒)-0.3補正 ISO200 WB:太陽光
↑一部モデルが対応する6Kフォト。こちらの作例では、飛び立つ瞬間を6Kフォトで撮影し、大きく翼を広げた1コマを採用。1800万画素相当の画素数があるので、細部までシャープに描写できている。24mm相当 シャッター優先オート(F4 1/2000秒)-0.3補正 ISO200 WB:太陽光

 

【特徴2】空間認識AF

LUMIXは、AFに独自の「DFDテクノロジー(空間認識技術)」を採用。複数のライブ画像から空間を認識し、レンズの光学データを参照しながら、被写体距離を瞬時に算出する仕組みだ。これによって他社ミラーレス上位機で一般的な像面位相差AFを採用せず、コントラストAFのみにもかかわらず、スピーディなAF駆動を可能にしている。

 ↑遠方から向かってくる電車を高速連写+AF-Cモードで撮影。AFはしっかり追従し、約20コマの全カットで正確なピントを確認できた。120mm相当 シャッター優先オート(F7.1 1/500秒)ISO200 WB:オート
↑遠方から向かってくる電車を高速連写+AF-Cモードで撮影。AFはしっかり追従し、約20コマの全カットで正確なピントを確認できた。120mm相当 シャッター優先オート(F7.1 1/500秒)ISO200 WB:オート

 

【特徴3】サイレントモード

LUMIXのミラーレスカメラは、現行の全製品がサイレントモードを搭載。これをONにすると、電子シャッターを用いた完全な無音撮影ができる。演奏会やイベントのほか、ゴルフなどのスポーツ、赤ちゃんの寝顔などシャッター音を出したくないときに重宝する機能だ。

↑サイレントモードは撮影メニューからON/OFFの選択ができる。シャッター音だけでなく、合焦音やセルフタイマーの音も鳴らなくなる
↑サイレントモードは撮影メニューからON/OFFの選択ができる。シャッター音だけでなく、合焦音やセルフタイマーの音も鳴らなくなる

 

【特徴4】手ブレ補正

最近のLUMIXシリーズ中級機以上はレンズ内とボディ内の両方で補正する「Dual I.S.」に対応。ボディ内で5軸の補正を行ったうえで、角度ブレの細かいブレはレンズ内補正が連動して処理する仕組みだ。静止画だけでなく動画や4K/6Kフォトでも作動する。

↑GH5では、ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)にレンズ内補正(O.I.S.)を連動制御させ、中望遠~望遠域では5段分の補正性能を誇る
↑GH5では、ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)にレンズ内補正(O.I.S.)を連動制御させ、中望遠~望遠域では5段分の補正性能を誇る

 

↑手前から奥までをシャープに見せるため絞りをF11に設定。シャッター速度は1/2秒まで落ちたが、手持ちで問題なく撮影できた。24ミリ相当 シャッター優先オート(F11 1/2秒)ISO200 WB:太陽光
↑手前から奥までをシャープに見せるため絞りをF11に設定。シャッター速度は1/2秒まで落ちたが、手持ちで問題なく撮影できた。24mm相当 シャッター優先オート(F11 1/2秒)ISO200 WB:太陽光

 

【特徴5】シーン認識

ビギナー向け機能として、全機種が「おまかせiAモード」を搭載。ヴィーナスエンジンの認識機能によって自動的にシーンが判別され、各種設定を最適化してくれる。例えば接写の場合、近づいてもピントが合わせやすくなる。

↑「おまかせiA」で自動撮影。シーン認識により、自動で被写体や撮影条件に応じた最適なカメラ設定となる。この写真でも、色鮮やかに花を撮ることができた
↑「おまかせiA」で自動撮影。シーン認識により、自動で被写体や撮影条件に応じた最適なカメラ設定となる。この写真でも、色鮮やかに花を撮ることができた