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2019/5/15 20:15

小さなボディに詰め込まれた最新機能! 富士フイルム「X-T30」の真価を探る

富士フイルムのミラーレスカメラ「Xシリーズ」の最新モデル「X-T30」。小型軽量モデルながら、その性能は上位機に迫る勢いだ。今回はそんな小さなボディに詰め込まれた最新機能を徹底レビュー!

↑2019年3月に発売された「X-T30」。ブラック(写真)とシルバーの2色展開で、ボディの実売価格は11万4960円
FUJIFILM ミラーレス一眼カメラ X-T30ボディ シルバー X-T30-S

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小型軽量で日常ユースに最適。それでいて機能も盛りだくさん

X-T30は、まず持った瞬間にとにかく驚く。重量が383gしかないのだ。ズームキットは2種類あり、そのうち今回のレビューでメインとして使用した沈胴式電動ズームのXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZも135gと極めて軽い。X-T30と合わせてもペットボトル飲料と変わらない518gにしかならないのだ。

 

首から下げていても疲れにくく、握ったときの収まりもいい。そんな日常ユースに最適なX-T30だが、実は機能面ではこれでもかというほど機能を詰め込んだ高性能モデルとなっているのだ。

<作例①>

満開の桜。桜の淡いトーンをとても良く再現している。富士フイルムのXシリーズは、フィルムの発色を再現した「フィルムシミュレーション」機能により、カメラ内で極めて美しい色を作り出してくれる。桜には階調のやわらかいアスティアモードがおすすめだ。

富士フイルムX-T30 XF90mmF2 R LM WR 絞り優先 F8 1/210秒 ISO160 WB:オート フィルムシミュレーション:ASTIA

 

X-T30はカメラ上面にダイヤルがたくさん付いている。一見すると複雑そうに見えるかもしれないが実際はとてもわかりやすく、直感的に使いやすい配置になっている。電子ビューファインダー(EVF)はボディのセンターに設けられ、一眼レフと同じスタイルで撮影が可能。このEVFには約236万ドットの有機ELパネルが採用されている。有機ELは彩度とコントラストが高く、黒がしっかりとしまって見えるのが特徴で、野外でもとても見やすい。

↑左からドライブダイヤル、シャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤルが並んでいる。特に露出補正ダイヤルが独立して上面にあることで、仕上がりの明るさをスムーズに変えられる

 

<作例②>

古民家の美しい窓枠。新緑の色味を見せて窓枠はシルエットで描くため露出補正は-1.7EVにした。露出補正ダイヤルが独立しているので扱いやすい。カリカリと回すダイヤルの感触も指先に心地よい。

富士フイルムX-T30 XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ 絞り優先 F8 1/210秒 ISO160 WB:5100K フィルムシミュレーション:Velvia

 

一見すると内蔵フラッシュはないように見えるX-T30だが、ファインダー部分がパカっと開く。標準的な光量に加え、富士フイルム独自のフラッシュの制御「スーパーiフラッシュ」が搭載されているため背景などにも光が回りやすく、自然な仕上がりを得ることができる。

↑ガイドナンバーは7と内蔵フラッシュとしては平均的な光量。一般的な使用では十分だ

 

上面左肩にあるドライブダイヤルは中級機のX-T30だからこその仕様となっている。それはブラケット(BKT)とアドバンストフィルター(Adv)がそれぞれ2個用意されているのだ。

 

ブラケットはワンシャッターで露出の違う写真を連続で3枚撮影したり、3枚の色味を変えた写真を記録するなど、1回の撮影で失敗しないための保険的なドライブモードだ。アドバンストフィルターはその名の通り、画像に特殊な加工を施すモード。トイカメラやミニチュア、ソフトフォーカスなど多くのモードが用意されている。こうしたドライブは他機種ではそれぞれ1個しかないので、この点はX-T30がとても使いやすい。

↑ドライブダイヤルにはブラケット(BKT)とアドバンストフィルター(Adv)がそれぞれ2個用意されている

 

<作例③>

テーブルの上に忘れられた木製の飛行機と桜の周りを歩く親子。こうした偶然性のある撮影では撮り直しができないため細かく設定変更するのも難しい。そんなときにはブラケット撮影して後からお気に入りの1枚をセレクトするのがいいだろう。またキットズームのXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは広角側での最短撮影距離が13cmと非常に短く、マクロ的な撮影も得意だ。

富士フイルムX-T30 XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ 絞り優先 F22 1/60秒 ISO1000 WB:オート フィルムシミュレーション:ASTIA

 

ボディの見た目は前モデルのX-T20を踏襲しており、よく見ない限りはX-T20なのかX-T30なのかわからないと思う。ただ一箇所だけ大きく違うところがあり、X-T30にはX-T3など上位機種と同じ「フォーカスレバー」が新たに採用されているのだ。フォーカスレバーはフォーカス位置を変更するためのレバーで、これまでの十字ボタンと違って8方向にダイレクトに移動できるため操作性ははるかに良くなった。

↑カメラを握った際に親指で操作しやすい位置に設けられたフォーカスレバー

 

ローアングルやハイアングルを撮影する際に重宝するチルトモニターも搭載。子どもやペットの撮影では目線に合わせてカメラアングルも下げたいがなかなか被写体は止まってくれるものではない。そうした際にはチルトモニターを上に向けてカメラを下げるだけで対応できるため、動きにも対応しやすくなる。

↑背面モニターはチルト式を採用

上位モデルと中身が同じ!? 最大の魅力は「写真画質」

X-T30の魅力はたくさんあれど、やはりXシリーズの最大の魅力は“写真画質”だと思う。Xシリーズはフルサイズセンサーよりひと回り小さいAPS-Cセンサーを採用しているが、描き出される画質はフルサイズにも匹敵する。その画質を作り出すのが富士フイルムオリジナルの「X-Trans CMOS 4」センサーだ。

 

どうオリジナルなのかというと、カラーフィルターの配列が一般的な4×4のベイヤー配列と異なり、6×6でランダムに配置されている。これにより高い解像度と自然な色再現を可能にしているのだ。このX-Transの第4世代目となるX-Trans CMOS 4は、上位機種「X-T3」に採用されているものと全く同じセンサー。さらにいえば画像処理エンジンの「X-Processor 4」もX-T3と全く同じものである。

↑上位モデルと同じ最新世代のセンサーを搭載

 

X-Trans CMOS 4センサーを採用したことでAF性能がすごぶる良くなった。XシリーズはAFスピードの速い像面位相差AFとピント精度の高いコントラストAFのハイブリッドAFを採用しているが、従来機では像面位相差AFの範囲が画面40%だった。それがX-T30ではなんと画面100%までその範囲が拡大され、動き回る被写体にもピントを合わせやすくなった。また顔認識はもちろん、瞳AFにも対応している。

↑画面の100%で像面位相差AFが機能する

 

<作例④>

頭上から桜が落ちてくるなと思ったらスズメが花のミツを吸っては投げ吸っては投げを繰り返していた。超望遠レンズのXF100-400mmを使って引き寄せて撮影してみた。ちょこちょこ動く被写体だが高速で精度のいいX-T30のAF性能により容易に撮ることができた。

富士フイルムX-T30 XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR(400mm) マニュアル F8 1/800秒 ISO1000 WB:オート フィルムシミュレーション:ASTIA

 

<作例⑤>

最近の若い世代が黒電話の掛け方がわからないというテレビを見てジェネレーションギャップを感じた今日このごろ。ノスタルジーを感じる被写体だったため低コントラスト低彩度な映画用フィルム「ETERNA」モードで撮影した。フィルムシミュレーションを変えるだけで本当に映画っぽくなってしまうからすごい。

富士フイルムX-T30 XF23mmF2 R WR 絞り優先 F2.8 1/35秒 ISO1000 WB:オート フィルムシミュレーション:ETERNA

 

X-T30はXシリーズとしては中級機にあたるモデルだが、そのポテンシャルは上位モデルに引けをとらない。なにせフラッグシップ機であるX-T3の中身がそっくりそのまま入っているのだから間違いないだろう。とにかく小型軽量で持ち運びやすく上位機種と同等の高性能、しかし見た目はクラシカルなオシャレさん。それがX-T30だ。X-Aシリーズからのステップアップはもちろん、Xシリーズがはじめての人も、一眼カメラ自体がはじめての人にもX-T30はおすすめできる万能モデルだ。

 

富士フィルム

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