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2019/8/2 20:30

小岩井ことりファン必見! 2019年前半のオーディオトレンドを総括する「ポタフェス Getnaviステージ」レポート

7月13日~14日にかけて開催された「ポタフェス2019夏」の初日に、GetNaviが小岩井ことりさんをゲストに迎えて「GetNavi presents プレイバック2019 〜小岩井ことりと振り返る2019年のオーディオシーン〜」と銘打ったステージイベントが実施されました。後半では、今回のweb記事で紹介する機種を決めるために、ガチでおこなうイヤホンのオーディションが開催され非常に盛り上がっていました。

↑秋葉原で開催されたポタフェス2019夏の会場

 

2019年のオーディオシーンを振り返るのは、ゲストに声優の小岩井ことりさん。オーディオ沼にどっぷりはまっていることでも知られ、上野優花さんとともに今回もポタフェスのイメージキャラクターを務めています。コメントするのは「AV四天王」(小岩井さん命名)こと、ライター野村ケンジさん、AVライター山本 敦さん、エディターこばきゅうさん、ライター草野晃輔さんです。

↑GetNaviステージに小岩井ことりさんとAV四天王が勢揃い

 

今期前半で注目のイヤホンを発表

最初にみなさんがお気に入りのイヤホンを順番に発表していきます。最初に発表したのは、年間200個以上のイヤホン&ヘッドホンを試聴しているというライター野村ケンジさん。

 

野村「私の注目はAVIOT TE-BD21fです。AVIOTは日本のイヤホンメーカーで非常に勢いのあるところ。新製品を次々発表しています。1万円台のBluetoothイヤホンは、ドライバーがダイナミック型一発というのが多いのですが、本機はダイナミック型とBA型×2のハイブリッドを採用しています。BAは小さくて高音質でやや高価なドライバーです。まあ、これ他のメーカーが作ったら、この3倍以上の値段になったと思います」

↑野村ケンジさんが選んだのはAVIOT「TE-BD21f」

 

野村「また、この機種には『凛として時雨』のドラマー・ピエール中野さん監修によるコラボモデル『AVIOT TE-BD21f Special Edition Black』というのが存在するのですが、そちらは音声ガイダンスに声優の花澤香菜さんが起用されています

 

司会「そういえば、小岩井さんも音声ガイダンスやりたいと昨年のこのステージでおっしゃってましたよね」

 

小岩井「そうなんです。やりたいんですけど、まだどこからもお声がけ頂いてなくて。ぜひみなさんからもメーカーさんにお願いしてください!」

 

ということで、出演者と観客が一緒になって、ステージからメーカー各社に「お願いします!」と呼びかけることに。この記事をご覧のメーカー担当者の方は、ぜひ小岩井さんの音声ガイダンスモデルを企画してみてくださいね。

↑ステージ外のメーカーブースに届くように「お願いします!」と呼びかける一幕も

 

小岩井ことりさんの注目は、ポタフェス会場でも目立っていたオーディオテクニカ「ATH-CKS5TW」でした。

 

小岩井「完全ワイヤレスで、低音がガッツリ出ると言えば ATH-CKS5TWですよ。初めて聞いたときは、低音強調のイコラインジングを設定していたかなと思って、自分のDAPの設定を見直しました」

↑小岩井ことりさんはオーディオテクニカ「ATH-CKS5TW」に注目

 

山本「ATH-CKS5TWは最強クラスの低音がでますね、低音No.1と言えます。そしてバッテリーは15時間なのでほぼ3日間、ケース込みなら45時間で約1週間は通勤通学に使えます」

 

AVライターの山本敦さんが選んだのは FOSTEX「TM2」というマニアックな製品です。Bluetoothイヤホンなのですが、MMCX端子を採用していて、自分が使っている有線のイヤホンを接続すると、たちまちBluetoothイヤホンに変身するというシロモノです。

↑山本敦さんが注目するFOSTEX「TM2」

 

山本「私はMMCX端子を使ってシュアのイヤホンを付けています。オプションケーブルに交換すると2pin端子にも対応可能です。連続再生時間は実質9時間ぐらい。タッチセンサーとボタンでDAPのリモコン操作もできます。それから近日公開の専用アプリで外音取り込み機能が使えるようになるらしいですよ〜」

↑持参したTM2で説明する山本さん

 

某デジタル系雑誌の編集者こばきゅうさんが選んだのはfinal「B1」です。Bシリーズはfinalの最新の有線イヤホンシリーズで、B1、B2、B3の3モデルを音場感、解像感、ダイナミックレンジという要素から分類、音作りの違いをコンセプトに作られたモデルなのです。こばきゅうさんが注目したのはどのモデルだったのでしょうか。

↑finalのBシリーズ(画像はB2)

 

こばきゅう「ズバリ、B1ですね。仕上げが金ピカだからではありません。中音の解像度が高く、低音はキレがあって広がります。構成はダイナミック型とBA型のハイブリッドです。何かがいいかと言えば、女性ボーカルがいいんです。音色はややウォームで、子音が刺さりません。言葉は明瞭で歯切れよく聞こえます。このアーチストはこんな歌い方をしていたんだと気付かせてくれました。複数のボーカルがいても、その声がしっかり描き分けられます。ハウジングも金属製ですが、これが特殊な作り方で、金属の粉とそれを固める粉を混ぜて、金型に入れて作るので、こんな複雑な形状の多面体ができるんです」

 

小岩井「finalさんのショールームに行ったことがあります。置かれている家具がアンティークなんです。イヤホンもキズが付いても価値あるものになって欲しいという願いから、アンティークな家具を選ばれたそうです。私もそれからキズを恐れずにイヤホンが使えるようになりました」

 

ライター草野晃輔さんが選んだのはJabra「Elite 85h」です。イヤホンではなく、アクティブノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンです。

↑Jabra「Elite 85h」

 

草野「AIを使って周囲の環境に応じてノイズキャンセリング機能を自動調整してくれるANCという機能を搭載しています。周囲がうるさいところではノイキャンが効いて音楽に没入できます。静かな所ではノイキャンが弱くなって、より高音質で音楽を楽しめます。もちろん、ヘッドホンのサウンドもいい、解像度の高い音です。それから、通話品質がすごくいいですね。パーティ会場にいても自分だけは静かな所にいて、すぐ隣にいる相手と会話しているような感じでした。通話品質にこだわって搭載している8個のマイクの中の6個を使って高音質化、静音化を追求しています」

 

小岩井「私は完全ワイヤレスイヤホンのElite 65tを使っていました。jabraは通信機器メーカーで、コールセンターなどプロの現場でもよく使われていますね。やっぱり通話品質がいいんです」

 

注目の有線イヤホンからワイヤレスNCヘッドホン、完全ワイヤレスイヤホンなど、今年のトレンドともいえる製品がピックアップされ、さすがAV四天王と小岩井さんというセレクトでした。

 

「やりすぎ!? ことりズム」で紹介するイヤホンをガチオーディション!

後半は「GetNavi」本誌連載中の「やりすぎ!? ことりズム」の出張版ということで、GetNavi webに掲載して欲しい完全ワイヤレスイヤホンを製品担当者が3ポイントでプレゼンして、ラジオ「ことりの音」より特別参加の株式会社コトネットの小岩井社長(小岩井ことりさんとは別人、という設定)が、その場で採用か不採用か決めるという企画が行われました。

↑後半は株式会社コトネットの小岩井社長にバトンタッチ

 

今回は、企画に則ってステージ上で「採用」となった製品のみを紹介したいと思います。

 

その1.GLIDiC「Sound Air TW-7000」

まず初めに登壇したのは、スマホなどのモバイルデバイスとの親和性を追求する「GLIDiC」(グライディック)の中村拓哉さん。プレゼンする製品は、完全ワイヤレスイヤホン「Sound Air TW-7000」です。

↑トップバッターはGLIDiCの中村拓哉さん

 

中村「TW-7000のポイントその1は、カスタムIEMのカナルワークスさんに協力していただき、耳にバシッと収まるデザインを実現したことです。専用の充電ケースはジーンズのコインポケットにジャストサイズとなっています。その2は連続再生9時間。ケース込みで25時間、10分充電で2時間再生ができる急速充電モードも備えています。その3は素早く切り換えられる外音取り込み機能。弊社ではマルチコミュニケーションモードと呼んでいますが」

↑「Sound Air TW-7000」はカナルワークス協力による耳にフィットするデザインが特徴

 

小岩井社長「私はめっちゃうっかりしているので、カナル型を使うと周囲の音が聞こえなくて危険と判断して封印してきました。なのでAirPodを使っていましたが、最近は外音取り込み機能があるので封印を解いて使っています。TW-7000は外音取り込みの切り替えが早くて快適です。それから耳とのフィット感もいいですね。私は5000シリーズがお気に入りで、手軽な完全ワイヤレスイヤホンが欲しいと相談を受けた声優さんにオススメしてました

↑カナルワークス協力による抜群のフィット感を確認する小岩井社長

 

中村「TW-5000も小型ですが、今回のTW-7000ではケースも小型化しています」

 

小岩井社長「このケースを開け閉めするときの音がいいですね。カチッという音が、もはや楽器レベルです!」

 

中村「実はケースの開閉音を決めるための会議も開きました」

 

小岩井社長「え、すごい!そこまでこだわっているんですね!」

 

ここでドラムロールが鳴り、ジャッジタイムに。小岩井社長の決断は……?

 

小岩井社長「採用です! 1万円前後の価格とフィット感の良さ、そして開閉音へのこだわりも素晴らしいです」

↑株式会社コトネットの小岩井社長がガチで採用、不採用を決定します

 

その2.Mavin「Air-XR」

続いて登壇したのは、新進気鋭のブランド「Mavin」(マーヴィン)の小澤香織さん。プレゼンする製品は、8月に発売される新製品「Air-XR」です。

↑新進気鋭のブランドMavinの小澤香織さん

 

小澤「紹介させて頂くAir-XRは、エックスアールではなく、エアテンアールと読みます。ポイントは最小最軽量クラスであること! ケースが25.8g、イヤホンは3.8gなので10円玉、5〜6枚の重さしかありません

↑Air-XRは最小・最軽量クラスを実現

 

小岩井社長「すごい! 本当に小さいです。これは会場のお客さんに付けてみてもらおう」

↑最前列にいた観客の方にイヤホンを試してもらうというサプライズが。「とても小さいです」と感想を頂きました

 

小澤「2番目のポイントはロングバッテリーで連続10時間再生、ケース充電で32時間、15分充電で3時間再生ができます。そしてうっかり防止のワイヤレス充電対応が1万5000円、非対応なら1万2000円です。ポイント3番は音質を追求してAACとaptXに対応、ドライバーにはダイナミック型を採用しました」

 

小岩井社長「連続再生と急速充電に関してもバチバチですね。そして、男は黙ってダイナミック一発モデルです。スポーツ用のスタビライザーが付属するので、ダンスの練習をする声優さんとかジョギング用にいいかも。充電ケースの開閉音は、カスタネットのような音で、出掛けようと思わせてくれます」

 

3つのポイントをプレゼンし、ここでジャッジタイムに突入。結果は……?

 

小岩井社長「採用! 小型軽量でIPX7の防水性能があって雨の日も安心なところがいいですね」

 

その3.NUARL「NT01AX」

3社目はOEM生産も行っているメーカー「NUARL」(ヌアール)が作ったガチモデル「NT01AX」です。プレゼンしてくれたのは、同社の坂井弘さん。

↑NUARLからは坂井 弘さんが登壇してくれました

 

坂井「早速ですが、ポイント1は本機のほぼ全てが専用設計であることです。弊社はOEMでイヤホンを作っていますが、通常の製品は基本モデルをカスマイズして作ることが多いんです。この方法ならノウハウがなくても完成度の高い製品ができます。その反面、他のブランドの製品と外見が似てくるという弱点があります。しかし、NT01AXは、ドライバー、回路基板、バッテリー、イヤーピース、フェイスプレートまでが専用設計です。残念ながらハウジングは基本モデルを使っているので似たデザインのものがあるかもしれませんが」

↑専用設計がNT01AXの最大の特徴

 

小岩井社長「このフェイスプレート、ひよこまんじゅうみたいでカワイイ!」

 

坂井「側面は外注のデザイナーに発注して金型をおこしています。仕上げはメッキです。メッキは金属を使うのでBluetoothの電波感度が下がりますが、感度の下がらないメッキを採用しています。ブラックの部分はマットのメッキです。ドライバーも特注で、音がイヤホンの外まで広がるような感覚の『HDSS』を採用しました。ポイント2は、音途切れのない長時間再生です。BluetoothのチップはクアルコムのQCシリーズ『QCC3026』を使っているので接続の安定性と連続再生10時間以上の長時間再生ができます」

 

小岩井社長「連続再生10時間は他メーカーとのバチバチポイントですね」

 

坂井「ポイント3は使い勝手の良さです。操作ボタンをタテ位置にして押しやすくすると同時にフェイスプレート側面に触れても誤作動しないようになっています。また、再生中はLEDを点灯させません。電源操作不要で出したらON、ケースに収納したらOFF、そして充電完了後は自動停止してケースのバッテリーを消耗しません。IPX4の生活防水、aptX対応です。もし、片方落としたら、保証期間内であれば1回だけ8000円で新品のワンペアと交換します

 

小岩井社長「ホントに落とされる人いますか?」

 

坂井「1日1人ペースで申し込みがありますね」

 

と、ここでジャッジタイムに。小岩井社長のジャッジは……?

 

小岩井社長「採用! わたし、自作PCも好きなので、チップセットの品番とかそういうのにときめいちゃいます」

 

司会「小岩井社長、ここまで3社すべて採用となっていますが……」

 

小岩井社長「裏でも編集担当さんに『自由にやってください』と言われたので、本当にガチなんですよ! 忖度は一切ありません!

 

その4.Owltech「SAMU-SE03」

PC周辺機器なども手掛ける「Owltech」(オウルテック)からは、アフロのカツラをかぶった安藤省吾さんが登壇。プレゼンする「SAMU-SE03」は、クラウドファンディングMakuakeでプロジェクトを実施し、100%達成までにわずか1日半。そして最終的には1000%を超える金額を集め、現在7980円で予約販売されている完全ワイヤレスイヤホンです。

↑Owltechの安藤省吾さんはアフロのカツラをつけて登場

 

安藤「弊社は自作PC用の電源ユニットSeasonicなどを作っています。ちなみにこの会場にオウルテックをご存じの方っていらっしゃいますか?」

 

ここで会場の方にアンケートをとってみると、なんと3分の1近くの人が知っていると挙手をしてくれました。この結果には安藤さんも思わずビックリ。

 

安藤「こんなこと初めてです! いつもアウェイなので、なんか感動しました。出てよかった!」

 

小岩井社長「わたしももちろん知ってましたよ。ところで、今回プレゼンしてくれるイヤホンは、どういうものなんですか?」

 

安藤「今回の『SAMU-SE03』は、ナナキュッパ(7980円)という低価格を実現していることが1番のポイントです。ポイント2は、左右両方にそれぞれ2ボタンで操作しやすいこと。再生と停止、送るは右、戻るは左とか、音量をあげるのは右、下げるのは左とシンプルで分かりやすいんです。ポイント3は耳の小さな人にもピッタリはまる小型軽量なデザインです」

↑こちらも最小・最軽量クラスの「SAMU-SE03」

 

時間も押しており、ここでジャッジタイムに。ドラムロールのあとに小岩井社長が出したのは……?

 

小岩井店長「実はこのイヤホン、安~いと思って、ついうっかり一昨日、買っちゃいました。だから採用!

 

その5.オーディオテクニカ「ATH-CKS5TW」

最後に登場したのはオーディオテクニカの松永マネージャーです。プレゼンする製品は、今回ポタフェス会場でも話題を呼んでいた「ATH-CKS5TW」。前半でも登場したのでプレゼンの必要はないと思うのですが、そこんとこ深掘りしてみましょう。

↑オーディオテクニカの松永貴之さん

 

松永「ポイントその1は、ワイヤレスを超えた圧巻の重低音。その秘密はドライバーにあります。とにかく試聴していただければビックリすると思います。隣のブースで体験できますから、この後、ぜひ聴いてみてください。12mm径のダイナミック型で硬さの異なる素材を使った振動板を使うことで、重低音だけでなく中高音もスゴイんです

 

松永「ポイントその2は、イヤホンだけで15時間連続再生、ケース込みで45時間の長時間再生で、こまめな充電が不要なこと。ポイントその3は、耳にフィットする安定した装着感です。大口径ドライバーを採用したので、片耳8gになったハウジングをシリコンイヤピースと3Dループサポートでしっかり支えます。必要なければサポートは外すこともできます。イヤピースはちょっと短めの専用設計で、遮音性が高く、放射状になっていて音ヌケがいいんですよ」

 

小岩井店長「これだけのスペックで、実勢価格1万7000円前後というコスパぶりがいいですね。ケースの開閉音はパチッと高すぎず低すぎずクラリネットのような音でした」

↑小岩井社長にとってはケースの閉まる音も重要な要素だそう

 

ここで最後のジャッジメントタイム。果たしてすべての製品が採用になるのか、注目が集まります……

 

小岩井社長「うーん、採用! やっぱりこれはみんなに聴いてほしいな」

 

結局、登場した製品、すべてをガチで「採用」にしてしまった小岩井社長でしたが、オーディオを愛し、真剣にジャッジをする小岩井社長の姿勢に観客のみなさんも拍手を送っていました。メーカー5社のプレゼンもそれぞれに個性があって楽しいステージとなりました。

 

ステージの最後には、後半に登場した5つの製品に小岩井さんのサインを書いてそれぞれ1名にプレゼントするというスペシャル企画が。その場で抽選券を引き、当選者が確定しました。プレゼントは後日発送されるとのこと。当選された5名のみなさん、おめでとうございます!

↑抽選券を引く小岩井さん

 

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