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2015/6/24 10:00

AQUOS 4K NEXTの次世代高画質をジャーナリスト西田宗千佳が紐解く

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4Kの“次”の世代は、思いのほか早くやってきた! 独自のパネル技術と映像エンジンで8K解像度(※1)を実現する、シャープのAQUOS 4K NEXT LC-80XU30が、7月10日に登場。およそ15年に渡ってテレビ市場をけん引してきたAQUOSの最新形に刮目すべし!

 

 

画素数に依存する時代は終わりを迎えつつある

もはや、高画質テレビにとって4Kは「当たり前」である。50V型以上の大画面テレビでは、4Kと2K(フルHD)で画質において大きな差が生まれ、「フルハイビジョンで十分」という声も小さくなった。そこへきて、さらに「8K」の声が聞こえるようになってきた。「もう8Kか。ついていけない」と思う人もいるかもしれない。

 

だが、そこは考え方を変えてほしい。映像が8Kの世界に突入するのは、2Kや4Kの世界が古いからではない。高画質を楽しむ世界について、もはや「単純な画素数に依存する時代」が終わりつつあることを示しているのだ。その象徴ともいうべき存在が、シャープのAQUOS 4K NEXT LC-80XU30である。

 

本機では、「8K解像度」の高精細映像が楽しめる。確かに映像を見ると、従来の4K映像以上に解像感はあるが、表示されているのは4K映像。シャープ独自のパネルと映像エンジンにより、8K解像度を実現しているのだ。

 

 

「8K解像度」の映像が画質価値を最大化する

シャープは2010年から、独自の4色画素パネル、クアトロンを展開している。色の三原色である「赤」「青」「緑」に「黄」を加えることで、輝度と色域の両方の拡大を狙うものだ。この技術を応用し、一画素内を他のパネルよりさらに細かく分割駆動することで、輝度のピークを縦横で2倍再現できるようにした。これがXU30に使われている液晶パネルの正体である。一般的なディスプレイ画素数の定義では4Kパネルだが、輝度に着目すると8Kに見える。

 

パネルに映像を表示する際には、入力された映像を8Kにアップコンバートしたうえで、XU30の画素構造に合わせた調整を行う。これにより、映像が元々持っている「色の解像感」「輝度の解像感」が最大限に発揮され、単純な「映像の画素数」を超えた高画質を視覚的に感じることができるのだ。データとしての映像はドットの集まりだが、人はドットを見ているわけではなく、輝度や色の変化を見ている。そう考えると、XU30の本質がわかるだろう。

 

映像ソースは多様化している。放送からネットまで広がり、ディスクメディアもDVDからBD、さらには4K世代のBDであるUltra HD Blu-rayも今秋には登場する。解像度もビットレートも色域もまちまちなこれらの映像を適切に処理し、秘めている画質を大きな画面で最大限に出し切ることが、現在のテレビに求められている。XU30が「8K」で実現するのは、そういう意味の高画質化なのだ。

 

 

次世代高画質を実現する4つの理由を紐解く

ここからは、AQUOS 4K NEXT LC-80XU30に詰め込まれたシャープ独自の最新技術について、西田氏が細かく解説する。次世代高画質を生む4つのポイントをチェック!

 

 

独自の「4原色技術」によるパネル

XU30のパネルは、「赤」「青」「緑」に「黄色」を加えた4色構成。これを縦横に分割駆動し、8K解像度を実現している。

 

XU30に入力された4K映像は、色情報・輝度情報を加味して8Kまでアップコンバートされる。この映像がさらに、パネルに最適化されて表示。映像の持つ価値が最大化され、元の4K映像を4Kパネルに表示するよりも高い解像感を得られる映像となるのである。

 

また、8K解像度を楽しむには、適切な視聴距離に応じた解像感を得られる「サイズ」も重要となってくる。80V型のような超大画面の本機なら、一般的なテレビ視聴距離から見ても、これまでの4Kテレビとの差が、より一層わかりやすいものになる。

 

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↑輝度ピークとは、白を表示した映像を人が見た際に、主に輝度の明暗を知覚するポイントのこと。これを1画素内に4つ(従来のパネルでは輝度ピークは2つ)設けることにより、4Kよりも高精細な映像を実現できるのです

 

 

8K情報を作り出す新開発エンジン

テレビに入力された映像をアップコンバートして8K情報を作り出す、いわばXU30の“頭脳”といえる機構が、新開発の映像エンジン「X8-Master Engine PRO」である。このエンジンの仕事は大きく2つある。ひとつは前述したように1画素内で4つの輝度ピークを作って解像感を高める作業で、これは「超解像 分割駆動回路」によるものである。

 

もうひとつが、入力された映像をアップコンバートして、8Kの情報量を持つ映像を作り出すこと。4K映像だけでなく、地デジやBDなど、様々なソースの映像に応じた超解像技術を駆使することで、細部まで美しく臨場感のある映像に仕上げられるのだ。

 

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↑このイラストは、XU30の映像エンジン「X8-MasterEngine PRO」による8K映像創出の流れを示しています。入力された映像は「超解像・8Kアップコンバート」により、8Kの情報量となり、その後「超解像 分割駆動回路」で「4原色技術」パネルに最適化されてから表示されるのです

 

 

従来機(※3)約1.4倍の色再現性

解像感を高めるために採用された「4原色(※2)技術」は、色域の拡大にも効力を発揮する。黄色を加えたことで、緑色を理想的な色にシフトすることが可能となった。それに伴って、この緑と青の混色である「シアン」に近い部分の色域もまた広がるのである。

 

赤および緑の蛍光体において新素材を導入したことも、XU30の色域拡大を促している。赤や緑の色域だけでなく、黄色画素とのマッチングによりシアン部分の色域も既存のパネルより広がった。これらの「高演色リッチカラーテクノロジー」により、自然界に存在するままの色再現を狙っている。また色域の拡大は、入力された映像をパネルに最適化するエンジンの技術があってこその賜物でもある。

 

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↑「4原色技術」による色域の拡大に加えて、新蛍光体を採用したLEDバックライトシステムを搭載。原色だけでなくその補色もカラーマネジメントする色復元回路によって、同社の従来モデルと比べて約1.4倍の色再現性を獲得しました

 

 

映像の輝きを復元するHDR拡張技術

これまでテレビで表現されてきた映像の「明暗」は、肉眼で見える景色と異なっていた。放送やディスクメディアの映像は配信用に明暗の範囲を設定しているためだ。明るいところに合わせて表示すると暗い部分が浮き、暗い部分に合わせれば明るい部分が白飛びする。

 

XU30は映像の特に輝きのある部分を抽出し、必要な箇所だけバックライトを明るくすることで、撮影した映像本来の「きらめき感」を忠実に復元する。この表現は「HDR(ハイダイナミックレンジ)」と呼ばれ、高画質テレビのトレンドである。本機では「メガコントラスト」というダイナミックレンジ復元技術を採用。パネルとバックライト、映像エンジンの三位一体で、高精度に再現する。

 

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↑独自のUV2A技術による高コントラスト液晶パネルと、エリアごとに輝度調整が可能なLEDバックライトを組み合わせて、映像のきらめきを復元。また、映像の暗い部分では輝度を抑え、夜景などのシーンでは締まった黒を再現可能です

 

時代は「4K」から「8K」へ――。液晶テレビ市場を黎明期からけん引してきたシャープが、これまでに積み重ねてきた技術の粋を集めて完成させたのが、AQUOS 4K NEXT LC-80XU30である。同社独自の“目のつけどころ”と、確かな開発力によって生まれた本機は、まさに次世代のテレビを象徴するエポックメイキングな逸品だといえよう。

 

※1:水平7680×垂直4320画素の解像度チャート(静止画)によるシャープ独自の輝度信号解像度評価において。8K液晶パネルは非搭載で、8K映像(動画)の外部入力や8K放送の受信にも対応しない

 

※2:4原色とは、シャープ独自のディスプレイ上の色再現の仕組みのこと。色や光の3原色とは異なる

 

※3:シャープハイビジョンテレビLC-40H20(2015年2月発売)との比較

 

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