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2019/12/28 10:00

衝撃の“アンダー1万円NCヘッドホン”も! 2020年は香港発のオーディオブランド「AIR by MPOW」に大注目

2019年は中国から勢いのあるポータブルオーディオブランドが数多く日本に上陸しました。その勢いは2020年も止まりそうにありません。

 

増え続けるブランドのなかで“間違いのない”製品を選び抜くためのポイントは、ポータブルオーディオについてはやはり「音質」へのこだわりに注目することだと思います。筆者が2019年に出会った新鋭ブランドのなかで、AIR by MPOW(エアー・バイ・エムパウ)は音質と機能、コストパフォーマンスの三拍子が揃っていた注目株。手頃な価格でゲットできる同社の製品ラインナップを紹介しましょう。

 

満を持してローンチした日本オリジナルのシリーズ

AIR by MPOWは、2011年に香港で誕生したMPOWブランドを源流としています。ポータブルオーディオは欧米を中心に実績を積み、いよいよ日本市場に進出するにあたって日本オリジナルブランドのAIR by MPOWを2019年に立ち上げています。

 

同社の製品が音の良さをうたう理由は、音響設計のエンジニアリングに時間をかけてのぞみ、社内ラボでの品質テストも入念に行ってきた自負があるからです。同価格帯の製品の中でも頭一つ抜けるハイクオリティを追求しながら価格が安価に抑えられているのは、オーディオ製品に経験豊富な提携工場で大規模な生産を行っているからだとか。

 

さらにヘッドホン・イヤホンの音作りには日本人のサウンドエキスパートが関わっているとのこと。現在完全ワイヤレスイヤホンも含めて4つの製品がAIR by MPOWから発売されています。今回はワイヤレスヘッドホンの「X4.0J」と、ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「X2.1J」を中心にハンドリングしながら、同社製品の特徴をレビューしたいと思います。ふたつの製品はともにアクティブ・ノイズキャンセリング(NC)機能を搭載した点も見逃せません。

↑AIR by MPOW(エアー・バイ・エムパウ)のアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載するヘッドホン「X4.0J」と、ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「X2.1J」

 

1万円を切るノイキャン&ワイヤレスヘッドホン「X4.0J」

X4.0Jはアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載するワイヤレスヘッドホンとしてはダントツに高いコスパを実現しています。同社の直販サイトでは8780円で販売されています。

↑アクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載する“アンダー1万円”のワイヤレスヘッドホン「X4.0J」。コストパフォーマンスの高さにも要注目です

 

密閉型のハウジングには40mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。内蔵するマイクでハンズフリー通話も可能で。本体はIPX5相当の防滴対応です。

 

内蔵バッテリーによる連続音楽再生は約20時間まで可能。10分の充電で約1.5時間連続して音楽が聴ける急速充電機能も搭載しています。

 

ハンドリング性能の面では本体がとても軽いところにも好感が持てます。コンパクトに折りたためるコラプシブルデザインとしているので、パッケージに付属するポーチに入れて旅行など様々な場面に持ち出せそうですね。

↑コンパクトサイズなので旅先にも持ち運びやすいヘッドホンです

 

サウンドはiPhone 11 Proにペアリングして聴いてみました。BluetoothのオーディオコーデックがSBCまでの対応としていますが、それでもクリアで雑味のない中高域再生を実現している音作りに巧みさが感じられます。ボーカルが伸びやかかつ立体的で、ピアノやギターのメロディも派手さはないものの、明るくキレのあるサウンドが楽しく聴けます。低音がだぶつくこともなくタイトに押し出せるので、アップテンポなEDMやロックの楽曲によくハマりました。

↑iPhone 11 Proに接続してApple Musicの音源を試聴しました

 

アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能はオン・オフを切り換えて使えるヘッドホンですが、やはりオンにした方が音にまとまりが出てきます。消音効果は高・中・低、全帯域のノイズを適度な強度で消し込んでくれます。ANC機能を搭載する低価格帯のヘッドホン・イヤホンにありがちな不自然な消音効果による不快感がありません。例えば航空機の飛行ノイズが程よいバランスに減衰されるので、機内で楽しむ映画や音楽にも集中できます。ヘッドホンの側圧によるプレッシャーも緩やかなので、2時間前後の映画鑑賞の間も負担に感じませんでした。パッケージに付属するヘッドホンケーブルをつなぐとプレーヤー機器に有線接続もできるので、機内エンターテインメントも不自由なく楽しめます。

 

アンダー1万円のANC機能を搭載するワイヤレスヘッドホンとしては、音質と実用性の両方からよく練り上げられた完成度の高いモデルだと思います。イヤーカップに搭載するボタンによるリモコン操作もシンプルなので迷うことがありません。あえて注文を付けるとしたら、同社のほかのモデルもそうですが、今後ブラック以外のカラバリを増やしてもらいたい、というところでしょうか。

↑独特の波打つシェイプのハウジング。側面にリモコンボタンが配置されています

 

スポーツシーンにも使いやすいワイヤレスイヤホン「X2.1J」

X2.1JはANC機能を搭載するネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンです。“ノイキャン機能付きイヤホン”と聞けば、もう完全ワイヤレスの時代だよねと思うかもしれませんが、本機のようなネックバンドタイプのイヤホンが有利なシーンも数多くあります。

↑43gの軽量サイズを実現したANC機能搭載ワイヤレスイヤホン「X2.1J」

 

例えば筆者はこれまでに飛行機の中で何度も愛用するイヤホンをなくしているので、機内ではなるべく完全ワイヤレスイヤホンを使わないようにしています。機内が消灯されて暗くなった後は特に、肩にかけていられるネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンが安心。

↑イヤーピースとスタビライザーにより耳にしっかりフィットします

 

またスポーツで体を動かすときにも、充電ケースを持ち歩かなければならない完全ワイヤレスイヤホンよりも、ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンの方がベターな場面があります。X2.1Jは本体がIPX5相当の防滴対応なので、汗をかいても大丈夫です。

 

とにかく本体が43gと軽いことも特徴。ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンは本体が重かったり、硬くて形状の変化に融通が利かないデザインだと、使い続けることがおっくうになってきます。X2.1Jはネックバンドの素材が柔らかくしなるので、身に着けていることを忘れてしまうほど装着感は軽やか。ハウジングの背面を重ねてペンダントのように身に着けられるので、うっかり落としてしまう心配もありません。パッケージにキャリングポーチが付いていないのが残念ですが、価格を考えれば仕方のないところ。イヤホンの本体は耐久性能の高い素材でつくられているので、身に着けていないときはバッグのポケットに放り込んでおけます。

 

Bluetoothのオーディオコーデックについては、本機はSBCのほかにAACにも対応しています。iPhone 11 Proでサウンドを確かめてみました。低音はヘッドホンのX4.0Jよりも少し控えめですが、やはり全体のバランスを重視した長時間リスニング向きの落ち着いたチューニングに仕上がっています。ブランドの音響エンジニアは特に「声の聞きやすさ」に注力しているのでしょうか。ボーカルの押し出しが鮮やかに映えます。

 

ANC機能の効果はとても穏やかです。本体を身に着けた状態で右内側にあるANCボタンをシングルクリックするとオン・オフの切り換えができます。オンの状態でもう少し効き目が強くても良い気もしますが、そもそもイヤーピースによるパッシブな遮音効果も高いので、長時間リスニングの際に違和感がないように全体のバランスを合わせ込んでいるのかもしれません。電車やバスの中など日常生活で気になるノイズは十分気にならないレベルに減衰されます。

 

バッテリーはANC機能をオンにした状態で連続14時間の音楽再生が可能。ペアリングしているスマホに着信があると、本体に内蔵するバイブレーターが振えて知らせます。

 

完全ワイヤレスイヤホンにもラインナップが拡大中

このほかにも完全ワイヤレスイヤホンのX5.1Jが他の製品より少し遅れて2019年11月下旬に発売されました。6mm口径のダイナミック型ドライバーが力強く勢いのあるサウンドを聴かせてくれるイヤホンです。SoCはクアルコムのQCC3020を搭載しているため、本機はaptX接続による高品位なワイヤレスオーディオ再生に対応しています。

↑aptX対応の完全ワイヤレスイヤホン「X5.1J」

 

本体はIPX5相当の防滴仕様。タッチセンサー方式のリモコンを搭載しているので、スポーツシーンにも最適です。

 

そしてX1.1Jは3000円を切るエントリークラスのワイヤレスイヤホンです。仕様はとてもオーソドックスですが、やはりエネルギッシュなサウンドは魅力的。バッテリーやSoCをイヤホンのハウジングの中に収めて、この軽さとコンパクトサイズを実現したところにAIR by MPOWの技術力の高さが垣間見えます。本体はIPX5相当の防滴仕様なので、スポーツ用に手頃なワイヤレスイヤホンを探していたという方にもよい選択肢になります。

↑エントリークラスのワイヤレスイヤホン「X1.1J」

 

AIR by MPOWはラインナップに完全ワイヤレスイヤホンのX5.1Jが加わったことで、音楽のリスニングシーンや好みの装着スタイルに合わせられる基本の製品バリエーションがひと通り出そろいました。2020年も要注目のブランドです。

 

【ギャラリー(GetNavi webでご覧いただけます)】

 

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