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2021/1/21 19:45

納得の完成度! RHA初のノイキャン完全ワイヤレスイヤホン「TrueControl ANC」をレビュー

リスニング環境周辺の邪魔な環境ノイズを消してくれる、アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンは、2021年にも面白い製品がまた続々と出てきそうです。今回は2020年12月末にRHAが発売した「TrueControl ANC」をピックアップしたいと思います。

↑RHAの完全ワイヤレスイヤホン「TrueControl ANC」(実売価格3万4900円)

 

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RHA初のANC搭載完全ワイヤレスイヤホン

スコットランドのポータブルオーディオブランドであるRHAは今年創立10周年を迎えました。新鋭のブランドであるRHAは、10年の歴史の中でハイレゾ対応の有線プレミアムイヤホン「CL1 Ceramic」や、クールなアルミ筐体を採用した5000円を切るハイコスパイヤホン「S500 Universal」までバラエティに富んだヒットモデルを連発してきました。

 

左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンは、2018年秋に最初のモデルである「TrueConnect」を発売しています。RHAの製品は、どれも最先端のオーディオ技術を意欲的に取り込みながらデザインにもこだわる完成度の高さが特徴です。

 

新製品のTrueControl ANCは、RHA初のANCとアンビエントモード(外音取り込み)の機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンです。ブランドの完全ワイヤレスイヤホンとしては2020年発売の「TrueConnect 2」に続く第3弾モデルになります。

↑左側がTrueConnect 2、右側がTrueControl ANC

 

正円形のハウジングからスティックを伸ばしたようなTrueConnectシリーズのデザインを一新したTrueControl ANCは、人間工学をベースに高い遮音性と快適な装着感を追求したカスタムイヤーモニターのような形をしています。ハウジングは密閉構造です。

↑ハウジングのデザインがカスタムイヤーモニターのようになりました

 

ノズル先端のイヤーピース(2種類・3サイズを同梱)を交換して、ユーザーの耳に最適なフィットを調整できます。片側約8.3gのイヤホンは見た目に少し大きく見えるかもしれませんが、外耳の肌にピタリと密着するのでグラつくことがなく重さを感じさせません。イヤホンが耳に触れる箇所のアタリがマイルドで、圧迫感も非常に少ないため、筆者が試した限りでは長時間身に着けても耳が痛くなることはありませんでした。この時期なのでなかなか試着してみる機会も探しづらいかもしれませんが、購入前に1度フィット感を試してみることをおすすめします。

↑同梱される2種類の素材、3つのサイズのイヤーピースによりフィット感が調節できます

 

aptX対応など機能を強化

メタル素材を贅沢に使った充電ケースは、TrueConnectシリーズから片手で開閉できるスマートなデザインを踏襲しています。サイズは少し大きくなりましたが、ワイヤレス充電にも対応したことを考えれば受け入れられる範囲。バッテリーはイヤホン単体で約5時間、ケースによる充電を足すとトータルで約20時間の連続音楽再生が楽しめます。バッテリーの残量はケースに配置したLEDランプの点灯が知らせてくれます。

↑右がTrueControl ANC、左がTrueConnect 2の充電ケース。サイズが少しだけ大きくなっています

 

↑ケースの中にも配置されたLEDランプが、イヤホンのバッテリーステータスを知らせてくれます

 

TrueControl ANCではクアルコムのBluetoothオーディオ向けSoCを採用しています。音質に定評のあるクアルコムのオーディオコーデックであるaptXに、RHAの完全ワイヤレスイヤホンとして初めて対応しました。ほかにもAAC/SBCをサポートしています。

 

左右イヤホンの側面はタッチセンサーリモコンになっています。マルチタッチと左右方向へのスワイプ操作で、音楽再生からハンズフリー通話まで大抵の使い道をカバーしています。ANCとアンビエント機能の切り替え、ペアリングしたスマホの音声アシスタントの呼び出しなども可能です。左側のイヤホンを押している間、音楽再生を止めてアンビエントモードを起動する「クイックアンビエント」機能も便利です。

↑側面がタッチセンサーリモコンになっています

 

初めてスマホアプリに対応

本体のリモコン操作のほかに、RHAのワイヤレスイヤホンとして初めてiOS/Android対応のモバイルアプリ「RHA Connect」による楽曲再生のコントロールと本体設定、およびファームウェア更新などに対応しました。

↑RHA Connectアプリによる本体設定に対応

 

アプリを開くと左右イヤホン、およびケースのバッテリー残量がパーセント数値で表示されます。メインメニューは画面の下に並ぶアイコンを選択。左から2つめのアイコンを選択するとANCとアンビエント、ANCオフのモード選択が行えます。ちなみにイヤホンのリモコンでANCとアンビエントを切り換える操作は左側パネルのダブルタップになります。

 

アプリにはTrueControl ANCの音質をカスタマイズできるイコライザーも搭載されています。プリセットはデフォルトの「中性」を含む5種類。効果はいずれも極端にかかるものではなく、もともと素性の良いイヤホンのサウンドを丁寧に色づけして、高域や低域を聞きやすくする意図が感じられるプリセットとなっています。ユーザーが設定を自由に変更してプリセットのほかに残せないのが残念ですが、今後アップデートで追加されることを期待しましょう。

↑アプリからANC、アンビエントモードの切り替えができます

 

ほかにもイヤホンの着脱に連動して音楽再生を一時停止・再開させる「装着検出」、本体リモコン操作の一部カスタマイズや日本語を含む音声ガイダンスの言語選択もアプリから行えます。

 

解像度が高く力強い、バランスのとれたサウンド

RHAのTrueControl ANCは、雑味がとても少ないクリアなサウンドが特徴。渇いた喉を潤すミネラルウォーターのように、ゆっくりと自然に音が鼓膜に染み渡っていくような心地よい感覚があります。ANCのオン・オフを切り換えてみてもチューニングにブレがないので、音楽リスニングに限らず映画鑑賞、ビデオカンファレンスなど様々な用途に腰を据えて使い込みたくなるイヤホンです。

↑TrueControl ANCのサウンドを試聴しました

 

RHAのイヤホンらしい艶やかな中高域の再現力はクラシックの弦楽三重奏を聴くとよくわかります。女性ボーカルの滑らかな質感、ジャズピアノのシルキーな質感表現もお手の物。インパクトがタイトに引き締まっていて、出足もスムーズな低音はロックやEDMのアップテンポな楽曲にフィットするだけでなく、ジャズやクラシックの落ち着いた楽曲にもしっくりときます。TrueControl ANCは特定の音楽ジャンルや音源に得手不得手が偏らない、まさしくオールラウンダーだと言えるでしょう。

 

ANCの効果はエアコンのファンノイズ、自動車のロードノイズなど低音域の持続する騒音をきれいに消し込んでくれます。人の声に対する効果は少しマイルドな印象でした。ANC機能のレベルは固定されているイヤホンなので、ざわつく人の声をもう少し抑えたい場面ではパッケージに同梱されている低反発フォームタイプの高遮音性イヤーピースに交換してみると良いでしょう。

 

アンビエント機能はアプリを使って強弱を4段階から選択できます。レベルを最大にしてもマイクの性能が良いため不快なマイクノイズが感じられません。外を歩きながら使う時には取り込みレベルを最大に設定するとアンビエント音にも注意を向けながら安全に音楽リスニングが楽しめます。

 

TrueControl ANCは価格が税込3万4900円というプレミアム価格帯に位置するモデルですが、音質や機能面でのクオリティはどれも秀逸でバランスがよく、他社の製品と明らかな差が実感できました。長く愛用できる1台であることを考えれば納得の行く買い物になると思います。

 

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