AV
カメラ
2021/3/6 18:30

「CP+2021」総括レポート前編:初のオンライン開催で見えたカメラメーカーの「ある変化」

【カメラメーカー5】パナソニック

動画・映像制作Tipsサイト「Vook」とコラボし、ライブ配信プログラム「Creators Live! with LUMIX」を実施。2月26日は写真、27・28日は映像制作に主要テーマを分け、写真家や映像作家によるセミナーなどを配信しました。製品の紹介はもちろんですが、LUMIXを用いた写真や映像の作品制作の基本や、プロでも役立つ表現テクニックやTipsなども紹介。配信によるコンテンツは、ほとんどの内容がリアルタイム配信で、ためになる内容だけでなく適度に笑いありハプニングありの関西風味も加わって、長時間のコンテンツでも飽きずに見ていられる内容でした。

↑「Creators Live! with LUMIX」と題した、ライブ配信を実施。配信そのものは2月26日からの3日間だったが、内容が濃く、見応えのあるコンテンツが多かった

 

↑2月26日「写真を、究めよう。」、27日「動画を、はじめよう。」、28日「動画を、究めよう。」とテーマが設けられて配信された。3日中2日が動画関連となっていて、同社の動画への力の入れようが伝わる。画像は写真家・相原正明さんによるセッションより

 

【カメラメーカー6】富士フイルム

会期中のライブ配信によるコンテンツは用意されていなかったものの、発売になったばかりの新製品、FUJIFILM GFX100SをはじめとしたラージフォーマットカメラのGFXシリーズ、APS-CサイズカメラのXシリーズ、人気のインスタントカメラ“チェキ”など、製品タイプごとの動画コンテンツが用意され、特に同社の製品に興味のあるユーザーには、大変参考になる内容になっていました。また、同社の伝統ともいえるプリントサービスについても紹介され、プリントのお試しサービスも展開(2021年3月31日まで実施)。撮影からプリントまでを完結できる同社の総合力を実感できる内容になっていました。

↑FUJIFILM GFX100S、X-E4の2機種の新製品や人気のX-T4といったカメラだけでなく、プリントサービスについてのコンテンツも用意され、同社ならではの写真の楽しみ方が提案されていた

 

↑写真家によるトークなどのほか、上の画像のような開発者による対談なども実施。開発中のエピソードなども交えて、同社製カメラの使いやすさや魅力を伝えていた。画像は「X-E4 開発者トーク」より

 

↑FUJIFILM GFX100S。43.8×32.9mmの大型センサー採用で有効約1億200万画素の超高画素機ながら、約900gの軽量ボディを実現。5軸式で最大6段分の効果を持つ手ブレ補正を搭載し、超高画素で手持ち撮影が楽しめる。実売価格/76万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

↑FUJIFILM X-E4。携帯性に優れたスクエアなボディに、APS-Cサイズの有効約2610万画素センサーを搭載。ノイズが少なく高感度でも高画質に撮れるほか、4K動画撮影時も低ノイズだ。180度まで跳ね上げ可能なチルト式背面モニター採用で自撮りにも最適。画像のシルバーボディのほか、ブラックボディも用意。実売価格/10万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

【カメラメーカー7】リコー

動画配信としては、近日中の正式発表や発売が見込まれているAPS-Cサイズフラッグシップ一眼レフ「PENTAX K-3 MarkIII」や、シリーズ30周年を迎えた高級コンデジのGR、360度全天球カメラのTHETAに関連したコンテンツや写真家のセミナーが中心。このほか、ライブ配信を駆使して、PENTAX K-3 MarkIIIのオンライン・タッチ&トライ(予約制)が行われていたのは特徴的でした。また、新製品として2月25日発表の「HD PENTAX-FA31mm F1.8Limited」など3本のレンズや「J limited」と称されたPENTAX K-1markIIのカスタムモデル、開発発表が行われた「HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED PLM AW」(仮称)についても紹介されていました。

↑PENTAXのKシリーズ一眼レフ、リコーGRシリーズ、THETAシリーズの3つが同社の主力機種だが、やはり今回は、貴重な一眼レフの新製品、PENTAX K-3 MarkIIIの注目度が高かったようだ

 

↑4日間に渡り、ライブ配信を含めた数多くのコンテンツを配信。特に2本のCP+公式チャネル枠は、写真家・森山大道さんが登場したり、『一眼レフに未来はあるか?』と称した挑発的な対談企画が行われたりして、同社ユーザー以外の注目も集めていた。画像は佐々木啓太さんによるセミナー「HD FA Limited 新しい3姉妹と語る写心」より

 

↑PENTAX K-3 MarkIII。同社のAPS-Cサイズ機のフラッグシップとして開発が進められているモデル。発売日や価格などは未定だが、基本性能が高いことはもちろん、操作性やファインダーの見え味などにもこだわった注目の一眼レフだ

 

 

↑左から「HD PENTAX- FA43mmF1.9 Limited」「HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited」「HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」。アルミ削り出しの外観やシャープな写りと美しく柔らかいボケ味を両立した写りなどが特徴の高品質な交換レンズ。カラーは画像のシルバーのほか、ブラックも用意。4mm F1.9が8万7000円、77mm F1.8が12万円、31mm F1.8が15万6000円(各メーカー希望小売価格・税別)、2021年4月下旬発売予定

 

各カメラメーカーのオンライン発表を見て…

今回のカメラメーカーの出展内容は、写真撮影だけでなく、動画撮影に力を入れたものが多かったのが特徴的でした。これは、質の高い動画撮影が可能なフルサイズミラーレスカメラが普及し始めたこと、プロを含む映像作家がフルサイズミラーレスカメラを積極的に使い始めたことなどがあると思います。特にパナソニックは、イベントを行った3日中、2日を動画向けのコンテンツとしていたのは特徴的で、内容的にも動画撮影の初心者からプロの作家まで満足のできるものになっていて、勝負をかけてきたな……という印象。今回の出展社では、リコーだけが現行のミラーレスカメラを持っていない状況ですが、同社は一眼レフの新製品を出すことで、一眼レフや同社のファンの心を掴む方向で勝負をしていて、そちらも魅力的に感じられる内容でした。

 

後編ではカメラメーカーより、さらに配信でのアプローチが気になるレンズメーカーの出展状況からトレンドを見ていきたいと思います。

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

●GetNavi web本サイトでフォトギャラリーをみる

  1. 1
  2. 2