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2021/11/4 18:30

新AirPodsに強力なライバル登場! ノイキャン搭載の完全ワイヤレス「Jabra Elite 7 Active」を徹底レビュー

デンマークのオーディオブランドJabra(ジャブラ)から第6世代の新しい完全ワイヤレスイヤホン「Jabra Elite 7 Active」が発売されました。スポーツタイプの左右独立型完全ワイヤレスイヤホンの先駆的ブランドである、Jabraの最新モデルを体験レポートします。

↑スポーツイヤホンとしても個性的な「Jabra Elite 7 Active」

 

ノイキャン搭載で超軽量なスポーツイヤホン

Jabraはポータブルオーディオからハンズフリー通話用のワイヤレスヘッドセットまで、音に関わる様々な製品を展開しています。スポーツタイプの完全ワイヤレスイヤホンは2017年春に発売した心拍センサーを内蔵する「Jabra Elite Sport」、コンパクト軽量サイズとソフトウェアアップデートによるアクティブ・ノイズキャンセリング機能の追加を実現した2019年発売の「Jabra Elite Active 75t」に代表される画期的なモデルを送り出してきました。

 

最新のJabra Elite 7 Activeはアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホン。片側の質量が5.5gという軽量コンパクトな設計にも注目です。本体はIP57等級の防塵・防水対応として、汗にも高い耐久性能を備えているスポーツイヤホンとなっています。

 

イヤホン本体の外皮にシリコンラバーをコーティングして、耳に装着した時に安定したグリップ感が得られることも新製品の特徴です。ラバー(=ゴム)素材とはいえ、肌に触れてもベタつかず質感はサラッとしています。汗や水滴のはけもよく、タオル等の布で拭き取れば清潔に保てます。Jabraの完全ワイヤレスイヤホンはケースもコンパクトなので、スポーツウェアのポケットに入れて軽快に持ち運びOK。カラーバリエーションにはブラックのほか、ネイビーとミントの3色があります。

液状シリコンラバーをコーティングした本体。外耳にしっかりとグリップする安定した装着感を実現しています

 

アプリで自由にカスタマイズできる

Jabra Elite 7 Activeは、Jabraが開発したiOS/Android対応のモバイルアプリ「Jabra Sound+」を使いこなせばイヤホンの実力がフルに発揮されます。

↑Jabraのイヤホン・ヘッドホン専用のモバイルアプリ「Jabra Sound+」

 

アプリの設定メニューから「ヘッドセットのパーソナライズ」を選択すると、音の聞こえ方やノイズキャンセリング機能の様々な調整が細かくできます。

 

最初はイヤホンのフィット感を調べる「MyFit」で、耳に合う正しいイヤーチップを選べているか確認するとよいでしょう。続いて「MySound」という項目から、ユーザーの耳の聞こえ方に合うようにイヤホンの音のバランスをカスタマイズできます。アクティブ・ノイズキャンセリングの強弱を微調整するための「ANCのパーソナライズ」機能も備えています。

↑アプリからイヤホンのフィット調整、音の聞こえ方のカスタマイズができます

 

しっかり効くけど自然な消音感

本機はイヤホンのノズルの中と、周囲の環境音をそれぞれ別のマイクで集音してノイズ成分を打ち消すハイブリッド方式のアクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載。遮音性能の高いシリコン製のイヤーピース“イヤージェル”は密閉度が高く、耳穴の中でしっかりとグリップしてくれます。音楽の邪魔になるノイズを自然に消してくれる消音効果がJabra Elite 7 Activeの特徴です。従来のモデルに比べても、周囲で話している人の声の消音効果が高くなったと筆者は感じました。

↑3つのサイズのイヤージェルを同梱

 

イヤホンに内蔵するマイクで周囲の環境音を取り込む「ヒアスルー機能」も搭載しています。スポーツで身体を動かしながら、あるいは街を歩きながら音楽を聴きたい時にも便利で、本体側面のボタンリモコンからノイズキャンセリングとヒアスルーのモードを素速く切り換えられます。ヒアスルーをオンにすると外の音がクリアに聞こえ、マイクに由来するノイズの不快感がありません。

 

ノイズキャンセリングとヒアスルーはSound+アプリからそれぞれ5つの段階で強弱を調整可能なので、常時任意のセッティングで使いやすいようにセットしておけます。

↑ノイズキャンセリング、外音取り込みはそれぞれ5段階で強弱を調整できます

 

スポーツシーンを華やかに彩るアクティブサウンド

さっそくJabra Elite 7 Activeのサウンドを確かめてみましょう。本機はJabraが独自に設計した6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載しています。ハウジングの構造は密閉型で、パワフルでタイトなサウンドを再生。BluetoothオーディオのコーデックはAAC/SBCに対応しています。

 

iPhone 13 Proに接続してApple Musicで配信されている楽曲を聴いてみました。これまでに筆者が聴いてきたJabraの完全ワイヤレスイヤホンは音のバランスがニュートラルで、原音に対して忠実なサウンドを特徴としていました。Jabra Elite 7 Activeはより低音域に厚みを持たせて、中高音域もエネルギッシュで伸びやかに再現するようになった印象です。スポーツモデルにふさわしく、これまでよりもアクティブなイメージのサウンドに仕上がっています。

 

松本伊代の「センチメンタル・ジャーニー(40th Anniversary Version)」はふくよかなボーカルの温かみが感じられます。バンドが演奏する楽器の音色がとても鮮やかで、コーラスが重なりあうスケールの大きな演奏を描き出します。

↑iPhone 13 ProにつないでJabra Elite 7 Activeのサウンドをチェックしました

 

上原ひろみ「Sliver Lining Suite」の収録曲「フォーティチュード」では、アップテンポなジャズピアノが躍動します。ピアノの音色が温かく、弦楽器のしっとりとした和音と柔らかく溶け合います。熱量の豊かな演奏がイヤホンを通して伝わってきます。

 

スポーツで身体を動かしながら音楽にも集中したい場面では、エネルギー感をストレートに伝えてくるJabra Elite 7 Activeのサウンドがなおのこと魅力的に感じました。Sound+アプリにはサウンドのバランスを自由にカスタマイズできるイコライザー機能もあるので、シーンや楽曲に合わせて音のバランスを変えたり、ボーカルを強調して聴いてみるなど工夫を楽しむのもいいでしょう。

 

同時期に発売されたJabra Elite 7 Proは、より全体に均整の取れたピュアなサウンドを特徴とする兄弟機です。音質に関してはそれぞれを聴き比べて好みのイヤホンを選ぶか、または両方手に入れてリスニングシーンに合わせて使い分けられればベストですね。

 

ビジネスシーンにも活躍する高い通話性能

Jabra Elite 7 Activeは本体に4基のビームフォーミングマイクを内蔵しており、ハンズフリー通話の音声もクリアに伝えることができます。身体を動かしながらでもクリアな音声を相手に伝えられるよう、風切り音ノイズを防ぐアコースティックメッシュでマイクの箇所を入念に覆う構造としています。

 

イヤホンに内蔵するバッテリーは通話で約6時間、音楽再生で約8時間の連続駆動に対応しています。ケースによる充電を繰り返せば最長30時間の使用も可能。本体が片側5.5gと軽量なので、ビジネスユースにも対応できるワイヤレスイヤホンとして最良の選択といえそうですね。

↑ケースで充電すれば約30時間の連続使用に対応します

 

本機はスポーツイヤホンだからと使用シーンを決め込んでしまうのはとても勿体ないほど、多彩な機能を詰め込んだオールラウンダーです。価格は2万3980円(税込)ということで、新しいAirPodsが同価格のライバルになるでしょう。さらに上位機種であるノイキャン機能搭載のAirPods Proにとっても強力なライバル登場といえそうです。

 

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