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2022/2/24 18:45

装着していることを忘れるレベル! ソニー「LinkBuds」で得られる新体験をレポート

自然な外音取り込みは一聴の価値アリ!

LinkBudsの音の聞こえ方は、ドーナツ型の穴が空いた外観から想像も付かないほど力強く鮮明です。高域から中低域までバランスのよいサウンドが楽しめます。いわゆる開放型構造のイヤホンなのに、環境音に力負けしないふくよかでインパクトのある低音再生がとても印象に残ります。ドーナツ型の本体部分に12ミリ口径の大きな振動板を載せて、高磁力ネオジウムマグネットでこれをパワフルに駆動します。

 

Google Pixel 6 Proにペアリングして試しましたが、車通りの多い街道沿いなど賑やかな場所でも、スマホのボリュームを10段階の6から7あたりの位置にした状態で、十分に音楽やYouTubeなど動画の会話音声が聞こえます。

↑Google Pixel 6 Proに接続してサウンドをチェックしました

 

環境音の聞こえ方は、WF-1000XM4のようにイヤホンに内蔵するマイクで周囲の音をピックアップする「外音取り込み」と違って、リングの穴を通り抜ける「自然な外音取り込み」を特徴としています。

 

ただ、再生音がかなり明瞭に聞こえるイヤホンなので、再生ボリュームの大きさによっては環境音がやや聞こえにくく感じることがありました。LinkBudsを耳に着けたまま、対面で会話をする機会が増えそうな頃合いには、アプリから「スピーク・トゥー・チャット」機能をオンにするとよいでしょう。LinkBudsを装着したユーザーが声を出して話しを始めたことをイヤホンが検知して、イヤホンの再生ボリュームを自動的に下げてくれるという機能です。

 

また、開放構造のイヤホンなので、どうしても「音漏れ」は発生します。伸びやかなサウンドが心地よいため、ボリュームを上げ気味にしてしまうと周囲に聞こえている場合もあります。周囲に人がいる場所で使う時には注意しましょう。

 

ソニーならではの多機能ぶりも見逃せない

LinkBudsにはハンズフリー通話の際に、声と環境騒音をAI技術で選り分けながら、「声だけ」を通話相手に対してクリアに届ける機能があります。LinkBudsを家族に着けてもらい通話音声を確認してみたところ、近くで再生されているはずのテレビ番組の音声やファンヒーターのノイズがきれいに消えて、話し声だけが明瞭に聞こえてきました。LinkBudsはリモート会議用のオーディオデバイスとしても使いやすそうです。

 

もうひとつLinkBudsが搭載する機能に「アダプティブボリュームコントロール」があります。Headphones Connectアプリからオン・オフが選べます。この機能は、イヤホンを装着している時に周囲が騒がしくなると、自動的に聞きやすい音量に持ち上げて、反対に静かになるとボリュームを絞るというものです。

↑リモコン操作からSpotifyのお気に入りプレイリストに素速くアクセスできる「Quick Access」にも対応しています

 

便利な機能である反面、特に屋外を移動しながら使うと、アダプティブボリュームコントロール機能の反応が鋭く正確であるがゆえに、近くを大型車が通った時などにボリュームがふわっと持ち上がることがありました。反対に静かな場所に移ると、音が少し聞こえにくくなる感覚もあります。この感覚に慣れてくれば気にならない範囲ではあるのですが。消費電力も少し上がる機能なので、状況に応じて上手く使い分けるとよいでしょう。

 

LinkBudsが対応する連続音楽再生時間は、DSEEやイコライザーなどアプリから設定できる機能をオフにして最大で5.5時間前後です。1日中ながら聴きを楽しむのであれば短いようにも感じますが、何も再生していない状態であればフル充電から約11時間以上使えるし、10分間で1時間半ぶんのバッテリーをチャージできるので、現実的な使い方をする範疇においてはスタミナ性能の心配はないでしょう。

 

LinkBudsがハマるおすすめの使用シーン

ながら聴きスタイルを提案する新しいワイヤレスイヤホンのLinkBudsは、音楽配信サービスの楽曲再生中に歌詞を表示しながら、カラオケを楽しんだり、楽器を練習する時にも自分の声や楽器の音が聞こえるので、とても使いやすかったです。

 

本体はIPX4相当の防滴対応です。汗濡れにも強いイヤホンですが、筆者はスポーツジムで試してみたところ、店内に大きめのボリュームで流れているBGMやトレッドミルの回転音がLinkBudsで再生するサウンドと混ざってしまうことが気になりました。キッチンで作業をする時にも、やはりシンクに水がたたきつけられる音や、フライパンによる調理の音が混ざる感じに慣れません。

 

当然ですが、LinkBudsだけでなく、あらゆるワイヤレスヘッドホンにはそれぞれに独自の特徴や強みがあります。例えば飛行機や地下鉄など、騒音の多い乗り物で移動する際にはWF-1000XM4のようなノイズキャンセリング機能を搭載するイヤホンの方が「あるといいな」を実感できると思います。理想をいえば、それぞれの場面にあったイヤホンを複数揃えて、音楽のながら聴きや、ビデオ会議中に周囲から声をかけられた時にも反応したい時にLinkBudsを使えればとてもスマートだと思います。

↑アプリからイヤホンを探すことも可能

 

最後に、筆者の場合はLinkBudsがあまりに心地よく耳にフィットしてくれたためか、音楽などを再生していないあいだ、耳にイヤホンを着けていることをふと忘れてしまうことがありました。コンテンツを再生していない時に、万一紛失してしまった場合には、Android 8.0以降から標準の「デバイスを探す」機能を使う手があります。またはソニーストアで購入すると申し込める「紛失あんしんサービス」では、紛失した部分を通常の修理価格よりも安く買い直すこともできます。

 

LinkBudsには「ながら聴きができるイヤホン」だからこそ発見できる、音楽やイヤホンの新しい楽しみ方がもっと沢山あると思います。ぜひ多くの方にLinkBudsを試してもらいたいと思います。

 

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