本・書籍
2017/12/13 11:00

わんこと暮らすと心身共に健やかになれる

2011年の春のある夜。筆者は羽田空港の貨物受け取り所にいた。新しい家族を迎えるためだ。

 

ケージを覆う段ボールをそっと開けると、その子は後ろ向きに座っていた。声をかけると、ゆっくり振り返り、差し出した人差し指を小さな舌で舐め始めた。もう、それだけでメロメロだ。

31226273 - smiling family of four with a dog

 

ちょっとでも飼いたいなら、絶対に飼うべきだと思う

犬がおうちにやってきた』(井原亮・監修/学研プラス・刊)は、初めてわんこを飼う女の子とその一家の体験を綴ったマンガと、飼う上で絶対に必要な知識と心構えを紹介する実用ページの2本立てで進む。

 

うちの奥さんは子どもの頃からずっとわんこを飼っていたが、筆者にとっては初体験だった。子ども時代の夢が叶ったのは50歳を目前にしたタイミングだったので、かなり時間がかかったことになる。わんことの生活は大変で忙しいが、それ以上に楽しくあり続けている。早くも6年以上が経ち、今では自他ともに認める立派な犬バカになってしまった。

 

本書は、そんな筆者の過去6年間を追体験するのに十分すぎる内容だ。今ならごく当たり前と思えることも、飼い始めた頃は知らなかった。たとえば子犬は、トイレのタイミングや回数が一定しないし、眠りが浅いから、夜に何度も起きたりする。食べさせちゃいけないものなど、NGな事柄も結構ある。

 

 

逆引き事典的にも使える本

お散歩デビューをいつにするのか、フードの種類を変えていく時期など、わんこのライフステージに合わせたトピックがマンガと実用ページでわかりやすく紹介される。それぞれのわんこに、それぞれの問題がある。ありがちな問題に関してもきちんと触れられ、対策が示される。

 

うちの子の場合は、先天的に皮膚が弱かった。ビション・フリーゼにはありがちなことらしいのだが、トリミングに行ってシャンプーが合わなかったり、食べ慣れないフードを食べたりするとすぐに痒くなるらしく、血がにじむほど体を掻きむしる。ブリーダーさんに問い合わせると、同じ親から生まれた兄弟姉妹は何でもないという。わんこには、こういう類いの個性もある。

 

4歳の冬に若年性白内障の手術をすることになった。一番小型のエリザベスカラーをつけていたが、それでも外れてしまいそうになるので、人間が飛行機に乗るときに使うポータブル空気枕の小さいのを装着したまま2ヵ月くらい過ごした。その姿はいじらしくて、けなげで…。あんな思いは二度としたくないし、させたくない。

 

 

わんこと暮らす10のメリット

飼わないという選択をすれば、わんこの病気やケガなどの心配をあえて背負わなくていいのは事実だ。でも、飼うという選択をした生活には、心配をしないで済むことよりもはるかに大きい喜びがある。

 

本書は、まだ飼っていない人たちに対してはわんことの生活の具体的なシミュレーションを提供し、すでに飼っている人たちに対しては、自分がどれだけ幸せな時間を過ごせているのかを気づかせてくれる。そしてもちろん、命を預かることの大切さや、避けられない別れについても触れられている。

 

わんこを飼うことのメリットは、医学的にもさまざまな形で証明されている。『メンタル・フロス』というアメリカのサイトで、以下のような10項目のメリットが紹介されている。

 

・病気をしなくなる

・アレルギーに強くなる

・循環器系の機能が高まる

・エクササイズをする時間が増える

・幸せを感じる瞬間が増える

・社会的なつながりが広がり、深まる

・犬にはガンを検知する力があるかもしれない

・仕事のストレスが軽減する

・自分の性格がよくわかるようになる

・子どもに思いやりの気持ちが生まれる

 

シニア層が得るメリットについての情報もある。『サイエンス・デイリー』誌上で発表されたミズーリ大学の2016年度の論文によれば、犬を飼うことで必要となる自分のペースでできる運動(お散歩)という身体的要素と、わんことの間に生まれる絆という心理的要素が相乗効果を為し、結果的に心身共に健やかになり、生活の質が向上する。こうした傾向は、特に60歳以上の独居老人に顕著であるという。

 

確かに、筆者の実体験から考えても、わんこを飼うことで外に出ることも、歩くことも多くなる。それに、お散歩中にほかの飼い主さんたちとのコミュニケーションも増える。何よりわんことの絆を深めながら‟会話“を重ねていく毎日が楽しい。

 

医学的なメリットにも触れたが、筆者が本当に強調したいのは、わんこが家に来た最初の日の、あの気持ちだ。そして、抱っこしたときの独特の柔らかさと温かさや、ミルクを飲んでるところとか、寝顔を見てるだけで感じられる幸せ。こうしたものを多くの人たちに体験していただきたい。やっぱりわんこは“マンズ・ベストフレンド”なのだ。

 

 

【著書紹介】

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犬がおうちにやってきた!

著者:井原亮
出版社:学研プラス

子どもたちの「犬を飼いたい」をまんがで叶える! 犬との出会い、お世話のしかたやしつけ、コミュニケーション方法など、犬と仲良く暮らす方法をまんがと写真でわかりやすく解説。かわいい写真が満載。子犬ポスターと、楽しい犬すごろくつき!

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