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2018/5/2 16:30

竜宮城から帰ってきた「浦島太郎」の前に「ピーターパン」が現れたら――『名作転生3巻 主役コンプレックス』

映画が大好きな筆者がよくする妄想。主に80年代の大ヒット映画をリメークすると仮定して、脚本とキャスティングをする。今一番気になっているのは、来年公開予定の『TOPGUN : MARVERICK』。あの『TOP GUN 』(1986年公開)の続編だ。トム・クルーズのトップガン教官役はリアルに決定事項のようなので、そこからストーリーラインの構築とキャスティングを進めている。

 

 

 

誰もが知っている話を、誰も知らない形で

この原稿で紹介していく『名作転生3巻 主役コンプレックス』(田丸雅智ほか・著/学研プラス・刊)は、筆者のそういう行いに通じるところがあると思う。

 

名作は転生する。ありとあらゆる物語は、何千、何億回も語られ、記されてきた。その流転の果てに、今再び、新しいページが加えられてゆく。名作転生。誰もが知っている話を、誰も知らない形で。今、そこにしかいない、あなたに。

『名作転生3巻 主役コンプレックス』より引用

 

『名作転生』シリーズ(第1巻『悪役リメンバー』、第2巻『脇役ロマンス』)第3巻にあたる本書では、誰もが知る数々の話が、主役を変えて展開される。モチーフとなるのは「舌切り雀」、「眠れる森の美女」、「銀河鉄道の夜」、「白雪姫」など全10本。主役が変われば、物語の舞台もシチュエーションも変わる。読者としてまず楽しみたいのはその部分だ。

 

 

独特なテイストの短編集

体としては短編集に分類するのが正しいのだろう。読み進んでいく過程で、イギリスの小説家・脚本家ロアルド・ダールの『Someone Like You』(邦題『あなたに似た人』)とか、アメリカの脚本家ロッド・サーリングの『トワイライトゾーン』に通じるテイストを感じた。

 

10人の作家さんたちは、誰でも知っている話を、主役を変えてどのように語っていくのか。前述の通り、ベースとなるストーリーラインは原作と変わらない。そしてこれも前述の通り、まずは舞台とチュエーションの変化を楽しみたい。それは、こういうことだ。

 

・もし、「舌切り雀」で恩返しに来るのが雀じゃなかったら…

・「眠れる森の美女」が学園ラブロマンスになったら…

・竜宮城から帰ってきた「浦島太郎」の前に「ピーターパン」が現れたら…

・「銀河鉄道の夜」の舞台が現代のスタバから始まったら…

・「白雪姫」に続編があったとしたら…

 

心躍るアレンジだと思いませんか?

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