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2018/5/29 6:30

【今日の1冊】漫画家・谷口ジローが教えてくれるガイドブックにはないルーヴル美術館の魅力――『千年の翼、百年の夢』

フランスでは“漫画”が芸術として高く評価されているのをご存じだろうか? 近頃は図書館、大手書店ではMANGAのコーナーはどんどん拡張している。そもそもベルギー、フランスなどフランス語圏にはB.D.(バンド・デジネ)と呼ばれる独自の漫画文化があり、代表的な作品には『タンタンの冒険』がある。

 

日本の漫画家も彼の地では大人気で、中でもレジェンドと呼ばれ、高く評価されているのが谷口ジロー氏だ。2011年にはフランス政府芸術文化勲章シュヴァリエも受章していて、昨年、逝去の際はフランスのどのメディアも大きなニュースとして扱っていた。

 

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ルーヴル美術館のBDプロジェクト

さて、パリの美術の殿堂といえばルーヴル美術館。かつては歴代フランス王の宮殿だったが、これをそのまま利用し、1793年に美術館として公開された。収蔵品も多く、開館以来、世界中の人々を魅了し続けている。

 

そのルーヴル美術館に“ルーヴルBDプロジェクト”というものがある。漫画を芸術として認め、その漫画を通じてルーヴル美術館の魅力を世界に発信しようと近年にはじまった企画だ。

 

ルーヴル側が必要な資料を提供し、作家たちにはルーヴル美術館をテーマにした作品を自由に描いてもらうという新しい試みだ。著名な漫画家たちがコラボしてきたが、その中でも、絶賛されたのが、谷口ジロー氏の『Les Gardiens du Louvre』(ルーヴル宮の守り人)という作品。『千年の翼、百年の夢』(谷口ジロー・著/小学館・刊)はその日本語版だ。

 

豪華版とコミック版が出ているが、谷口氏が描く、パリの風景、ルーヴル宮、そして名画の“モナ・リザ”や“モルトフォンテーヌの思い出”などをじっくりと鑑賞するには、やはりオールカラーの豪華版をおすすめしたい。

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