本・書籍
ひみつシリーズ
2018/11/29 6:00

ポカポカあったか〜い初詣に欠かせない「甘酒」は、夏の飲み物だった!

肌寒い日が増えてきて、温まるようなドリンクが恋しくなってきましたね。

 

冬に恋しくなるドリンクのひとつ「甘酒」ですが、じつは夏の飲み物で夏の季語としても使われていたってご存知ですか? あの正岡子規も『甘酒の甘きをにくむ我下戸ぞ』と、夏なのに甘酒くらいしか飲めねーよなんて句を詠んでいました。

 

甘酒の起源は平安時代くらいからあるとも言われているそうなのですが、じつはあんまり甘酒について知らない! ということで、今回は小学生から大人まで幅広い年齢が読んで納得な学研まんがでよくわかるシリーズ139の『あまさけのひみつ』(おだぎみを・まんが、望月恭子・構成/学研プラス・刊)より知って得する甘酒についてご紹介していきます。

 

 

甘酒は夏の飲み物?

冬に温まるために飲むイメージが強い「甘酒」ですが、俳句では夏の季語なんですって。一体どういうこと!?

 

日本では古くは平安時代あたりから製造して飲まれていたのではないかといわれています。

江戸時代には暑気払いの飲み物として甘酒が飲まれていたそうです。

天秤をかついだ甘酒売りは、夏の風物詩だったそうですし。

俳句でも甘酒は夏の季語とされているんですよ。

(『あまさけのひみつ』より引用)

 

飲む点滴なんて言われていますし、昔は夏バテ防止ドリンクとして親しまれていたのかもしれませんね。今では、いろんな成分分析ができるから甘酒は体に良くて、夏バテも予防できる! というのにも納得ですが、昔の人たちはそんな分析なんかしなくても「これ体にいいな」って飲んでたんだからすごいですよね。ちなみに、当時は1杯4文(今で25〜37円ほど)で販売されていたそうですよ!

 

「甘酒」って、「あまざけ」なの? 「あまさけ」なの? と思ったそこのあなた! するどい。実は2種類ある「甘酒」をわかりやすく解説いたしますっ!

 

 

麹と水でつくる「あまさけ」と、酒粕と水と砂糖でつくる「甘酒」

わたしも『あまさけのひみつ』を読むまで知らなかったのですが、「麹と水でつくるあまさけ」と、「酒粕と水と砂糖でつくる甘酒」の2種類にわけられるそうなのです! それぞれどんな原料でどのように作られているか、まずは、ノンアルコールで自然な甘さを楽しめる「麹甘酒」からみていきましょう!

 

麹と水を混ぜて50〜60℃の温度であたためてつくります。麹がつくり出す酵素がお米のデンプンを糖に変えて、甘みを引き出します。つくり方によっては、麹にお米を加える場合もあります。

(『あまさけのひみつ』より引用)

 

続いて、酒粕から作るためアルコールがちょっと入っている「酒粕甘酒」についてご紹介します。

 

お酒をつくる過程で出る酒粕に、水と砂糖を混ぜます。酒粕にふくまれるアルコールは完全には抜けないので、アルコールをほんの少し含みます。

(『あまさけのひみつ』より引用)

 

なるほど!

 

ちょっとのアルコールといっても、甘酒の多くは、アルコール分が1%未満のため「清涼飲料水」に分類されています。私はすべての甘酒にアルコールが入っていると思っていたので、小さいころに飲めると「お、私大人の味がわかるのよね」なんて言っていましたが、そもそも「麹甘酒」はノンアルコールなので、子供が飲んでOKなんですよね。当時飲んでいた甘酒が「麹甘酒」だったらただのイキった生意気娘でしたね(笑)。

 

先日スーパーで「麹の甘酒」を探してみたところ、飲むヨーグルトとかと同じ棚に置いてありました。「なるほどっ! 発酵飲料だからか!」なんてスーパーで大きく頷いてしまったのですが、アルコール入りの甘酒しか知らなかったなぁ〜という方や「麹の甘酒ってなんだ?」と思ったらお近くのスーパーで探して、飲んでみてくださいね♪  ほのかな甘みでどこか懐かしい美味しさです!

 

 

夏の飲み物だけど、やっぱり冬にも飲みたい!

とは言っても夏だけじゃなく、冬にも甘酒飲みたいですよね〜!

 

そのまま飲んでももちろん美味しいのですが、『あまさけのひみつ』には「麹だけでつくったあまさけ」を使ったアレンジレシピも紹介されていたので、冬にぴったりなドリンクレシピをご紹介させていただきます。

 

あまさけココア

【材料(1杯分)】

麹だけでつくったあまさけ…100cc

牛乳…70cc

ココアパウダー…小さじ1

【つくり方】

小鍋にココアパウダーと少量の熱湯(分量外)を入れ、ダマが残らないように良く混ぜてペースト状にし、あまさけと牛乳を入れて混ぜながらあたためる。

(『あまさけのひみつ』より引用)

 

寒い朝にこんな美味しそうなココアが飲めたら幸せすぎる〜!

 

他にも、砂糖やみりんの代わりとしてだし巻き卵や煮しめなどの料理に使ったり、牛乳や砂糖の代わりに蒸しパンやパンケーキの材料としても使える超万能品。

 

麹甘酒には、美容にもよい働きをするアミノ酸も含まれていたり、脳のはたらきを活発にしてくれるグルコースなんかも含まれているので、乾燥が気になるこの季節や年末の駆け込み業務にてんやわんやしている方にもおすすめ! 麹甘酒で多忙な年末を乗り切って、年始の初詣で配られている酒粕甘酒でほっこり温まって、年末年始は甘酒を堪能しちゃいましょう。

 

【書籍紹介】

あまさけのひみつ

著者:おだぎみを、望月恭子
発行:学研プラス

甘くておいしい「あまさけ」は、とってもからだによい飲みものなんだ。そんな「あまさけ」は、なにからつくられて、いつから飲まれているのだろう? 「あまさけ」のふるさとはどんなところ? みんなも「あまさけ」を飲んで、元気の輪をひろげよう!

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