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2019/8/3 19:00

台湾の神様がスゴすぎる! 台湾のキョーレツな聖殿と神々9選


数年前より爆発的人気となった台湾旅行。特に女性ファンが多く、機能美に富んだ雑貨などのショッピング、お茶やグルメ探訪が人気で、“オシャレな国”として扱うメディアも多いです。

確かに、それも台湾の一面ですが、その一方では我々日本人にはなかなか理解できない、不思議ですごすぎる神様がいることはあまり知られていません。むしろ“オシャレ”とははるかに遠い、過剰でエネルギッシュな神様が各地に鎮座しており、それに伴う不思議な聖殿があちこちにあります。

ここでは、いわゆる昨今の台湾ブームの流れとはちょっと視点をズラし、こういった台湾のスゴすぎる神様、聖殿を9か所ご紹介します!

 

【その1】巨大すぎる犬の像が鎮座する廟

新北市・十八王公廟
住所:新北市石門區乾華里阿里磅1-1號

台北をグルっと囲む新北市の、北海岸エリアに鎮座する犬の神様です。清国時代、中国大陸から台湾に渡ってきた17人の商人が海で遭難。ずっとそばにいた犬も飼い主たちと一緒に海に飛び込んだという逸話があり、犬が誠実な犬、忠犬として祀られるようになりました。

また、この廟はくじ運にも効果があるとされ、特にパワーがアップするという深夜帯には、くじ運アップを望む参拝客で賑やかになるそうです。アクセスしにくい場所なので、旅行者が深夜帯に行くのは難しそうですが、日中、近隣の散策とセットで行ってみてください。

↑台北市内からMRTで淡水駅まで行き、そこからバスかタクシーで約1時間。アクセスしにくい場所ではありますが、近くには温泉やグルメが美味しい金山や、魚介料理で有名な富基漁港もあります。ぜひセットで行ってみてください

 

【その2】犬の陰茎に触れると金運アップ!?

新北市・土城義塚大墓公
住所:新北市土城區埤塘里忠義路61號

台湾には“土地公″という地域に根付いた神様が各地にいますが、この廟もメインとなる神様は土地公。一方、古い歴史の中で、台湾原住民(台湾では先住民ではなく、原住民と呼ぶ)と漢民族との間のトラブルで亡くなった人たちも祀られています。

亡くなった人々のシンボルとなっているのが、廟内に鎮座する黒い犬。十八王公廟と比べるとややかわいらしい印象ですが、この黒犬の陰茎に触れると、金運がアップすると言われ、今では日本人旅行者も多く訪れるようになったようです。

比較的アクセスもしやすい場所にあるので、近隣散策と合わせて是非行ってみてください。

↑台北市内からMRTで永寧駅まで行き、そこから徒歩約5分ほどとアクセス抜群。「犬の陰茎」の話ばかりが先行して語り継がれていますが、神聖な廟ですので、礼節を持って行ってみてください

 

【その3】貝殻だらけの竜宮城のような寺

新北市・富福頂山寺
住所:新北市三芝區圓山里二坪頂69號

台湾の寺廟は、ド派手なきらびやかな装飾を施すところが多いですが、なかでもその建築のほとんどを貝殻で装飾したことで有名なのが、ここ富福頂山寺です。通称、“貝殻廟”とも呼ばれ、台湾マニアの間ではよく知られたお寺です。

使われているのは貝殻、サンゴ、メノウなどで、雰囲気はまるで竜宮城のようです。本殿の裏側には、貝殻だらけの小さなトンネルがあり、この中には小さな神様がいくつも鎮座しており、道教の言い伝えを具現化しています。

メインに祀られているのは、酒を愛したという済公活佛であるため、廟内には、酒の匂いをかぐヤカンなどもあります。金運に強いと言われる廟でもありますので、見学と散歩でぜひ行ってみてください。

↑台北市内からMRTで淡水駅まで行き、そこからタクシーで約50分ほど。山奥にあり、アクセスはかなり悪いですが、一見の価値ありです。参拝中、タクシーの運転手さんにはその場で待っていてもらうのが、良いでしょう

 

一見フツーに見えるものの、ギミックが隠された聖殿や、中華様式のキリスト教会。さらには、池の真ん中に存在するポツンとスポットを紹介します。

 

【その4】川の水位上昇と合わせて、建物も上昇する廟

台北市・三腳渡天德宮
住所:台北市士林區三腳渡擺渡口(付近)

台北・士林と言えば、夜市の街としてあまりに有名であり、台北散策の人気スポットの一つです。この士林の川沿いに、独特の構造を持つ廟があります。川のふもとに建てられた小さな廟で、一見、台湾ではよく見かける構造ですが、建物の四方には何やら柱が備えつけられています。

これだけではナンだかよくわかりませんが、柱の理由を聞いて納得。自然被害を受けやすい台湾、集中豪雨などの際、川の水位が上昇してしまうことがあり、そういった場合には、この四方の柱によって、廟の建物ごと、上へ上へと上昇させる仕組みなのだそうです。

「水害を受けない場所に移せばいいじゃん!」というのは早計で、その地に根付いた神様を、そう簡単に移動させるわけにはいかないため、この対策が採られているのだとか。「今ある条件の中でなんとかする」という台湾人の創意工夫が感じられる廟です。

↑台北市内にあるMRT剣潭駅より徒歩約15分。基隆河という川のほとりにある三脚渡というエリアにあります。小さいながらも地元の人たちに守り続けられている廟です

 

【その5】中華と欧米文化が混じり合うキリスト教会

新北市・板橋中華殉道聖人朝聖地
住所:新北市板橋區南雅西路2段25號

台湾には、道教、儒教、仏教などのほかに、キリスト教も多く浸透しています。欧米人から台湾にキリスト教が伝わったのは17世紀初頭とかなり古くカトリック(天主教)とプロテスタント(基督教)の2大宗派があります。

欧米のカトリックがそうであるように、台湾でも天主教のほうが、基督教に比べ聖殿に華美な装飾や建築方式を用いることが多いのですが、ここ板橋中華殉道聖人朝聖地はご覧の通り、中華様式の建築となっています。つまり、欧米の宗教と台湾の漢民族の文化が入り交じった建築となっているわけですが、台湾各地ではこのように文化やルーツが混在する聖殿を数多く見かけます。

一見、その違和感からツッコミを入れたくなりますが、よく調べれば、台湾のあまりに複雑な歴史や民族事情から、混在した聖殿が生まれ、今日に継承されていることもわかってきます。台湾人の素顔、信仰心、歴史を感じることができる貴重な教会ですので、行かれる方はくれぐれも真摯な態度でお願いします。

↑台北市内からMRT府中駅まで行き、そこから徒歩約15分。キリスト教会ですので、開放時間には限りがあります。いずれにしても訪れる際は、教会の方にきちんと理由を説明して見学させていただくようにしましょう

 

【その6】たぶん泳がないと参拝に行けない廟

桃園市・屢豐宮
住所:桃園市大溪區頭寮路傍(新福圳という池の中)

台湾には様々な神様と廟がありますが、池の真ん中にポツンとある廟はなかなか見かけません。少なくとも僕は、ここ桃園市の屢豐宮という、小さな祠以外で目にしたことがありません。

ここも地域に根付く土地公を祀っているようですが、行ってビックリ。池の中の真ん中の小島に廟そのものが建てられており、参拝に行くためには、たぶん泳ぐか、小舟でないとたどり着けません。まさかこれを読んで泳いで参拝に行かれる方はいないと思いますが、遠めに見学することは出来るので、興味がある方はぜひ行ってみてください。

しかし、この池の真ん中の廟、いったいどうやって管理されているかは謎ですね。台湾国内でもこの廟の存在、管理や参拝の謎は、新聞やテレビなどで大きな話題となったようです。

↑台北市内からMRT環北駅まで行き、そこからタクシーで約30分。廟は新福圳という池の中にありますが、周りは何もないため、タクシーの運転手さんは「なんでこんな場所に行くのか」といぶかしがるかもしれません。きちんと理由を説明して行ってみてください

 

ここからは一般的なガイドブックには載らない、ゾクッとする珍スポットを紹介します。こういう場所を知っていると台湾ツウかも知れません……。

 

【その7】色んな蒋介石に囲まれ、全然落ち着かない公園

桃園市・慈湖紀念雕塑公園
住所:桃園市大溪區復興路一段1097號

日本が統治を離れた後、蒋介石率いる中華民国が台湾を統治することになりました。しかし、特に統治初期には白色テロと呼ばれる強引な手段で、国民をねじ伏せるような政策が採られていたことも事実です。これら史実から、いまなお台湾人の間では、複雑な政治観がありますが、一時期までは蒋介石が“台湾の父”または“神”として浸透させる政策もなされてました。

このため、台湾全土の学校、公共施設などには、蒋介石の銅像が建てられましたが、この20年ほどで自由民主化が特に進み、この蒋介石像を撤去する学校が続出。その撤去された蒋介石像を、一挙まとめて設置しているのが、ここ慈湖紀念雕塑公園です。

公園では、台湾の複雑な歴史を感じられるはずですが、同時に、蒋介石だらけでシュールな景色であり、公園なのに全然落ち着かないのも事実です。珍インスタ映えには向いているかも?

↑台北市内からMRT環北駅まで行き、そこからタクシーで約30分。「その6」で紹介した屢豐宮からも遠くないのでセットで行くと良いでしょう

 

【その8】神々の脇にある残忍過ぎるお化け屋敷

台南市・麻豆代天府十八地獄
住所:台南市麻豆區關帝廟60號

台湾の古都・台南。台湾リピーターの間でも絶大な人気を誇る、オシャレな印象さえ持つエリアですが、麻豆という地域に君臨する巨大な廟が麻豆代天府です。

廟内はちょっとした公園のような作りとなっており、道教の教えに基づいた神々が、まるで驚かせるかのように各所に鎮座。台湾人の間でも珍スポット的な認識をなされているようですが、行けば必ずなんらかの感想を持てる廟でもあります。

この麻豆代天府の一角にあるのが「十八地獄」というもの。言わばお化け屋敷のような場所で、中では機械じかけの人形たちによる、道教の逸話に基づいた残忍過ぎる場面が再現されています。「悪い行いをすると、こうなるよ」という戒めのシーンが次々に紹介されています。

↑台南市内から台鉄隆田駅まで行き、そこからタクシーで約15分。麻豆代天府の一角にあります。麻豆代天府は地元はもちろん、台湾南部では有名な廟。合わせて廟内を散歩するのが良さそうです

 

【その9】巨大な瞑想の手を拝む

高雄市・六亀大佛(彩虹山大佛)
住所:高雄市六龜區新發里新開27-1號

台湾南部最大の都市・高雄。中心部はとにかく活気に溢れていますが、東側の山岳部に数十キロ行くと、静かな田舎町が現れ和みます。こういったギャップもまた高雄観光の魅力の一つのですが、静かな温泉地としても知られる六龜という集落に鎮座するのが、この六龜大佛です。

2015年建築と歴史は浅いですが、24メートルの大仏さまと、それと同比率の瞑想する手が鎮座しており、この手のほうを拝んで恩恵を願う観光客が増えているようです。

実際、台風の際に大仏が山から流れてくる土砂をせき止めたというエピソードがあり、この大仏さまが物心ともども人々を守り続けているようです。

↑高雄市内または台南市内からバスで約1時間半の不老温泉エリアへ。不老温泉エリアの上真開という地域にある山にあります。アクセスしにくいため、時間(特に帰りのバスがなくならないよう注意)に余裕を持って行ってみてください

 

台湾のすごすぎる神様、キョーレツな聖殿や公園を9個紹介しましたが、台湾にはまだまだたくさんの神々や聖殿、そして普通のガイドックには紹介されないスポットが沢山あります。

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