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これがソニーの新コンセプト! 大幅に小型化したフルサイズミラーレス「α7C」

ソニーは、フルサイズミラーレスカメラ「α7C」を2020年10月23日に発売する。カラーはシルバーとブラックの2色。同時発表の標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」を同梱したレンズキットも発売される。いずれも価格はオープンで、市場想定価格はボディが210,000円前後、レンズキットが240,000円前後 (いずれも税別)。

α7C

■APS-C機とほぼ同じ大きさの小型軽量ボディ

「α7C」は、幅約124.0×高さ約71.1×奥行約59.7mm、重さ約509g (バッテリーとメモリーカードを含む) とコンパクトなボディを実現。APS-Cセンサー搭載の「α6600」とほぼ同等サイズのボディに、フルサイズならではの高画質撮影性能を搭載する。

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▲α6600 (左) との大きさ比較
 
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α7 III (左・FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS 装着時) との大きさ比較

 

新開発の光学式5軸ボディ内手ブレ補正機構やシャッターユニットを搭載し、トップカバーやフロントカバー、リアカバーにマグネシウム合金を使うことで耐久性を確保した。カメラの外板で全体を支えるモノコック構造が採用されており、内部レイアウトの見直しも図られている。

■描写性能

有効約2420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサー Exmor Rと、高速処理能力を備えた画像処理エンジン BIONZ Xを搭載。ISO 100~51200 (拡張ISO 50〜204800) の広い感度域をカバーし、暗所でもノイズの少ない高感度撮影が可能となっている。

低感度時には、約15ストップの広ダイナミックレンジを実現しており、ハイライト部からシャドウ部まで、よりなめらかな階調で再現することができる。16ビット画像処理に加えて、サイレント撮影時や連続撮影時の14ビットRAW出力にも対応する。

■手ブレ補正

高精度な手ブレ補正ユニットとジャイロセンサーを搭載し、手ブレ補正アルゴリズムの最適化によって、5.0段の補正効果を実現した。さまざまなブレに対して、5軸で検出し、高い補正効果を発揮し、高い機動力を維持したままスナップなどでも快適な撮影を可能にする。

■AF性能

リアルタイムトラッキング
AIを活用した物体認識アルゴリズムで空間情報を高速処理し、動きのある被写体を高精度に認識。被写体を自動追尾し続けるリアルタイムトラッキングをより速く直感的に起動することができる。

また、カスタムボタンに「トラッキングオン+AF-ON」を割り当てられるほか、フォーカスモードにかかわらずAF-ONボタンを押すだけで、狙ったタイミングでの迅速な自動追尾を開始する。モードメニュー画面で「タッチトラッキング」を設定しておけば、動画撮影時やファインダー撮影時であっても、モニター上で被写体をタッチするだけで、高精度に追従する。さらにタッチパッド機能により、ファインダーをのぞきながら、ジョイスティックのようにスムーズなフォーカス移動が可能だ。

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▲右上が「AF-ONボタン」

 

リアルタイム瞳AF
AIを活用した物体認識アルゴリズムにより、うつむき顔や振り向いた瞬間、逆光で顔が暗いシーンなどでも、瞬時に瞳を検出して追従する。人物の場合は、静止画・動画いずれも有効で、リアルタイムトラッキングとの併用により、自動追尾中に瞳を認識すると、リアルタイム瞳AFで追従することが可能だ。なお、人物と動物ではモードの切り換えが必要となっており、動物の場合は静止画のみ有効となる。

■AF/AE追従で最高約10コマ/秒の高速連写

新開発のシャッターユニットを搭載し、メカシャッター時やサイレント撮影時にも最高約10コマ/秒のAF/AE追従高速連写が可能。JPEG (Fine L) で約223枚、圧縮RAWで約115枚、非圧縮RAWで約45枚の連続撮影を実現する。ライブビュー方式では、最高約8コマ/秒の高速連写が可能だ。

■動画機能

画素加算のない全画素読み出しにより、6K相当の情報量を活用して4K映像を出力する。4Kの記録フォーマットは、XAVCを拡張したXAVC Sに対応し、最大100Mbpsの高ビットレートでの記録が可能。また、HLG方式による4K HDR撮影にも対応する。14ストップの広いダイナミックレンジを実現するS-Log3を搭載し、階調特性を重視した撮影も可能となっている。

動画撮影中もリアルタイム瞳AFで人物の瞳の認識と追従が可能。AFトランジション速度を7段階に、AF乗り移り感度をそれぞれ5段階に設定できる。

■操作性

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横方向に開くバリアングル液晶モニターを搭載。MOVIEボタンはボディ天面に配置されており、腰の位置から撮影する際や自撮りの際の操作性も向上している。また、マイク端子やヘッドホン端子を搭載するほか、デジタルオーディオインターフェースに対応したMIシューで、高音質な音声記録が可能。別売のショットガンマイクロホン「ECM-B1M」やXLRアダプターキット「XLR-K3M」と組み合わせれば、音声をデジタル信号で直接カメラに入力することができる。

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▲シューティンググリップ「GP-VPT2BT」とショットガンマイクロホン「ECM-B1M」装着例
 

充電・給電が可能なUSB Type-C端子は、PCリモート (テザー) 撮影や画像のバックアップが可能なSuperSpeed 5Gbps (USB 3.2) 対応となっている。さらに静止画と動画で別設定が可能なファンクション (Fn) ボタンを備えるほか、ボディ天面のMOVIEボタンなど8個のボタンへの各種機能のカスタム設定ができる。対応ストロボや電波式ワイヤレスコマンダーとの接続時には「α7C」からのコントロールが可能となっている。

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■通信機能

Wi-Fi接続のほか、NFCやQRコードの読み込みも可能。スマートフォンやタブレットにデータを直接転送・保存することができる。Bluetooth接続中は、カメラ電源がOFFでも記録メディア内の静止画や動画をスマートフォンなどのデバイスに転送可能だ。

■その他の性能

約20万回のレリーズ耐久性を実現したシャッターの搭載に加え、防塵・防滴に配慮した設計が施されている。また、フルサイズミラーレス一眼カメラとして業界最大のスタミナ性能を実現。ファインダー使用時で約680枚、背面モニター使用時には約740枚の撮影が可能。静止画撮影時にはフリッカーレス撮影にも対応する。

 

レンズキット

標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」が付属。レンズのカラーはブラックのみとなっている。

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先行展示

シルバーボディは、ソニーショールーム/ソニーストア銀座、ソニーストア札幌、ソニーストア名古屋、ソニーストア大阪、ソニーストア福岡天神にて2020年9月18日から先行展示。ブラックボディは、ソニーショールーム/ソニーストア銀座で9月18日から、ほかのソニーストアでは9月28日から展示される。

 

SONY α7C 主な仕様

型名 ボディ ILCE-7C、レンズキット ILCE-7CL
カラー シルバー、ブラック
有効画素数 約2420万画素
撮像素子 35mmフルサイズ (35.6×23.8mm) Exmor R CMOSセンサー
マウント ソニーEマウント
ISO感度 ISO 100〜51200 (拡張:下限 ISO 50、上限 ISO 204800)
シャッター速度 1/4000〜30秒 (静止画撮影時メカシャッター)
ファインダー 0.39型 2,359,296ドット 約0.59倍 電子式ビューファインダー (有機EL)
画像モニター 3.0型 921,600ドット TFT液晶モニター (タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I/II対応)
サイズ (幅×高さ×奥行き) 約124.0×71.1×59.7mm
質量 約424g (本体のみ) / 約509g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 リチャージャブルバッテリーパック NP-FZ100、ACアダプター、ショルダーストラップ、ボディキャップ、アクセサリーシューキャップ、USB-A – USB-Cケーブル (USB 3.2)

 

 

〈文〉柴田 誠 〈撮影〉我妻慶一