マンガ
孤独のマイクラ
2020/2/23 21:00

「孤独のマイクラ」第25話「ボヨン、にょき、キリッ」

 

【マイクラ“ぷちコラム”もとい担当編集山田のコラム】

いつも「孤独のマイクラ」をご覧いただきありがとうございます。本作の編集を担当している山田です。ぷちめいさんがマイクラへの想いを綴る本コーナー、今回は山田が親目線でマインクラフトの魅力をコラム形式で語っていきたいと思います。

 

マイクラを数百時間プレイする娘

私には、中学1年の娘がいます。彼女はマイクラが大好きで、スイッチ版、PS4版、古くはPS Vita版も持っていて、小学生のときからプレイしています。一時期は、学校行く前に早く起きて、頭がフレッシュなうちにプレイするほどのハマりよう。いまは、気分転換だったり、何かを作ってみようと思ったりしたときに遊んでいるようで、この「緩さ」もマイクラの魅力ではないかと感じています。

 

さて、いつもリビングで娘が遊んでいる様子を見て、父親目線で感じたことを簡単に記していきたいと思います。

 

職人がいて、兄貴的存在がいる

マインクラフトはものづくりゲームなので、才能がある人が壮大で精緻な建築や世界を表現することができます。最近では、東京タワーのある都内の夜景を再現した、素晴らしい作品がバズったのが記憶に残っています。

 

自分では表現できない世界を形作れる職人がいる一方、マイクラは兄貴的な存在がたくさんいるタイトルでもあります。娘はよく人気YouTuberの赤髪のとものマイクラ動画を楽しんでいます。メンバー同士で遊んだり、メンバー一同で何かを作ったり、ワイワイガヤガヤと遊ぶ様子に、近所にいる気のいい兄ちゃん・姉ちゃんたちが思い浮かびました。

 

作品を作るだけがゲームの目的となるとハードルが上がってしまいますが、どんな遊び方をしてもよくて、その遊びを噛み砕いて伝えてくれる身近な人がいるーーそういった層の厚さもマイクラの魅力と感じています。

 

「立体感」を身体で覚えることができる

とはいえ、職人がいたり、兄貴分的なYouTuberがいたりするのは、マイクラに限ったことではありません。多くのゲーム作品では、スーパープレイを連発する凄腕プレイヤーがいますし、爆笑してしまうような面白い動画を配信している配信者たちがたくさんいます。また、ゲームに限らなくても、例えばギター関連チャンネルでは卓越した演奏を披露する人がいたり、プロ自体がレッスンしてくれたりするなど、スキルが求められるジャンルでは、多くの場合、そんな循環ができています。

 

では、マイクラ特有のものは何か。それは「立体の把握」を体感的に覚えることができる点にあると思います。縦の概念、横の概念、そして高さ方向の感覚をプレイしながら自然な形で学べる。実際、娘は知能テスト的なものでよくある「図の中に直方体が何個ある?」という立体把握の問題が得意です。これ、私は苦手で、紙の上で活字を親しんだ自分にとっては「なんで認識できるのか」不思議でならないのです。

 

現実世界の仕組みを感じることができる

立体の感覚を掴めることで得られる教育的効果は十分あると思いますが、それ以上にマイクラは現実世界のルールを教えてくれる点もオリジナルだと思います。

 

マイクラは、ある日突然上手くなるものではありません。小さな建物を作ってみる、次は内装を頑張ってみる。完成したら、次はもう少し大きな建築にチャレンジしてみる。そのときは、前回の反省を活かしてみる。千里の道も一歩から、を教えてくれます。

 

建築のために素材を集めたりもするし、勉強したりもする。私たちがリアルな世界で行なっている、人間生活の営みをゲームの中でナチュラルに学んでいるように感じます。

 

こうした「学び」は、簡単に体得できるものではありません。生きるために働き、給料をもらい、もらったお金を使いながら、より生活を充実させていくーーこれらは、大人が教えようとすると、どうしても説教臭くなるんですよね。その点、マイクラは説教臭くはないんですよね。無言で教えてくれるから。

 

まだまだ語りたい要素はたくさんあるのですが、長文になってしまったので、本日はここまでにしたいと思います。マイクラの魅力をもっと語れるように、僕自身ももっとプレイして、もっと娘と話して、ぷちめいさんとも話していきたいと思います。

 

第1話はこちら/連載一覧はコチラ

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